転載です
田中正治
━ No.1160 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
有機農業ニュースクリップ
2026.06.21
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≪ 農薬 ≫
■ネオニコ系殺虫剤と発達障害の関連性
ネオニコ系殺虫剤と子ども発達障害の関連が取りざたされていたが
連を示す研究結果はなかった。2023年には日本のエコチル調査
オニコ系殺虫剤と発達障害の関連性を否定する論文が発表された。
マウスなどの動物実験に加え、数百人規模の集団を対象とした研究
唆する研究結果が明らかになってきた。
● エコチル調査は関連を否定
国立環境研究所は2023年、「子どもの健康と環境に関する全国
調査)」による8,538組の母子のデータを用い、母親の妊娠中
殺虫剤を含む9種の浸透移行性殺虫剤とその代謝物の濃度と、4歳
達指標(保護者が記載した質問票)との関連について解析し、その
中のネオニコ系殺虫剤暴露と4歳までの子どもの発達指標との間に
は見られなかった、と発表した。
・国立環境研究所, 2023-11-14
母親の尿中ネオニコ系殺虫剤等濃度と子どもの発達との関連につい
健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)-
https://www.nies.go.jp/whatsne
● バイエルなどの未公表データは関連を示唆
米国環境保護庁(EPA)に提出された未発表の農薬メーカーによ
析した結果、周産期に高用量のネオニコ系殺虫剤を投与されたラッ
有意な萎縮が見られ、発達障害と診断されたヒトの脳にも同様に小
り、周産期のネオニコチノイド曝露と注意欠如・多動症(ADHD
示唆している、と米国・食品安全センターなどの研究グループが査
2024年に発表した。
対象となったネオニコ系殺虫剤は、アセタミプリド、クロチアニジ
プリド、チアクロプリド、チアメトキサムの5種類。研究データは
ミプリド)、住化武田農薬(クロチアニジン)、バイエ(イミダク
ロプリド)、シンジェンタ(チアメトキサム)によるもの。
これまでにネオニコ系殺虫剤は、ヒトの胎盤を通過し、また、血液
ヒトの脳脊髄液から検出されることが分かっている。したがって、
してネオニコ系殺虫剤に暴露することが分かっている。
研究グループは、米国環境保護庁(EPA)が人々に対して一定の
ことができるよう、次のような規制変更を提言した。
・EPAに対し、規制目的で提出された重大な欠陥のある研究を却
データの要求を履行すること、信頼できるデータが不足している場
たは再承認を取り消すか、差し控えることを義務付けること。
・曝露限度を設定する際に、毒物による被害を受ける可能性の高い
護策を強化すること。
・複数の化学物質への同時曝露が予期せぬ害をもたらさないように
コ系殺虫剤について累積的なリスク評価を実施すること。
研究グループのジェニファー・サス氏(NRDC:天然資源保護協
タはネオニコチノイドが哺乳類の初期発達期の脳に非常に有害であ
いる。米国環境保護庁(EPA)は科学に基づき、これらの有害な
すべきだ」と述べている。
同じく研究グループの食品安全センター・科学ディレクターのビル
「この研究は、ネオニコ系殺虫剤が発達中のヒトの神経系に有害で
親が喫煙を控えるのと同様に、ネオニコ系殺虫剤の使用を避けるべ
唆する、ますます増えつつある証拠に貢献するものだ」と述べてい
● 深せん市の幼児 ネオニコ暴露と神経行動発達の問題と関連
無作為に選んだ中国・深せん市の未就学児童506名ついて、8種
殺虫剤(フロニカミドをネオニコ系として調査)と3種類の代謝物
経行動の発達に関する研究の結果、ネオニコ系殺虫剤への曝露が就
動上の問題と関連している可能性を示唆している、と中国・中山大
ループが2025年に発表した。
研究グループは、ネオニコ系殺虫剤への曝露が就学前児童の神経行
連している可能性を示唆しているとしている。中でも、イミダクロ
のN-デスメチルアセタミプリド、N-デスメチルチアメトキサム
の有意な相関を示し、また、ネオニコチノイド混合物の複合効果も
関を示し、低曝露レベルでも潜在的な悪影響が生じる可能性が示唆
る。そのうえで、イミダクロプリドとチアメトキサム、アセタミプ
し、子どもの神経発達への潜在的なリスクを軽減することを優先す
る。
● 台湾 出生後の曝露は男児の神経発達に影響の可能性
台湾の母子273組の妊娠期と出生後の尿中ネオニコ系殺虫剤濃度
に関する知能検査の結果、ネオニコ系殺虫剤への妊娠後期における
影響を与えないが、出生後の曝露は、特に男児の神経発達に影響を
ることを示唆している、と台湾の研究グループが2024年に発表
研究では、母親は妊娠後期に尿サンプルを、授乳開始後1~3か月
ルを、子どもは尿サンプルを検査した。また、子どもは2~3歳と
達評価を実施した。
研究グループは、ネオニコ系殺虫剤曝露と神経発達との性別特異的
するには、より大規模なサンプルサイズを用いたさらなる研究が必
・● 中国 ネオニコ系殺虫剤の出生前曝露が発達障害の原因の可能性
ネオニコ系殺虫剤への出生前暴露が就学前児童の発達に影響してい
西医科大学などの研究グループが2026年に発表した。広西チワ
4組の母子ペアを対象としたコホート研究で、ネオニコ系殺虫剤へ
学前児童の神経認知発達との間に潜在的な関連性があることを示唆
る。
研究によると、ジノテフランとクロチアニジンへの曝露は全般的知
関連し、チアクロプリドへの曝露はコミュニケーション能力の低下
また、イミダクロプリドおよびチアクロプリドへの曝露は粗大運動
しチアメトキサムは微細運動発達の低下と関連していた、としてい
研究グループは、ネオニコ系殺虫剤への出生前曝露と就学前児童の
の間に潜在的な関連性があることを示唆しており、公衆衛生戦略を
らなる研究が必要としている。
【関連記事】
・ネオニコ系イミダクロプリド 自閉スペクトラム症様の視知覚障害を引き起こす
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・ネオニコの胎児への移行を初めて確認 安全性再検討が必要と指摘
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2026年6月21日日曜日
ネオニコ系殺虫剤と発達障害の関連性
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