2014年12月20日土曜日

【TPP】米国議員によるTPA、TPP反対連続演説

米国下院でのTPPに関する反対派議員の演説の記録からの翻訳です。11月には160人を超える民主党議員、20数人の共和党議員が、TPP交渉の秘密性を批判し、協定締結の権限が議会にあることを強調してTPA(貿易促進権限法)に反対する書簡を大統領に送ったのに続き、今度は議会の一般演説で多くの議員が重ねて反対する演説を続けました。

米国議員によるTPP反対連続演説「この協定の透明性の欠如は類をみない」

米国下院でのTPPに関する反対派議員の演説の記録からの翻訳です。11月には160人を超える民主党議員、20数人の共和党議員が、TPP交渉の秘密性を批判し、協定締結の権限が議会にあることを強調してTPA(貿易促進権限法)に反対する書簡を大統領に送ったのに続き、今度は議会の一般演説で多くの議員が重ねて反対する演説を続けました。日本の議員の皆さんの奮闘を期待するものです。

米国下院:一般(自由)演説
2013年12月4日(水)
TPPに関する討論:マーク・ポーカン議員(ウィスコンシン州、民主党)ロサ・デローロ議員(コネチカット州、民主党)、ジャレド・ポリス議員(コロラド州、民主党)

マーク・ポーカン議員(ウィスコンシン州、民主党)
「…アメリカの労働者に関する議員進歩派の特別許可演説(注:下院の自由発言時間)でとりあげたい2つ目の課題は、早ければこの年末にも決定されようとしている貿易協定、環太平洋連携協定についてだ。我々は本日、重労働に対して適正な賃金を保証する必要性について多く語ってきた。一方、我が国の労働者が不当な扱いを受ける可能性についても憂慮している。アメリカの産業に打撃を与え、雇用が海外に流出してしまう不公正な貿易協定に関するものだ。不幸にも、巨大な、秘密に包まれた、非常に有害な不公正貿易協定が身近に迫っているように思える。環太平洋連携協定、TPPであり、アメリカと他の11カ国間で協議されている、NAFTA(北米自由貿易協定)型の協定だ。大部分が秘密裏に交渉されており、過去の過ちをなぞらえるばかりでなく、もっと悪いものになりそうな協定である。

来週、TPP交渉官はシンガポールで再び会合を行い、1ヶ月にも満たない年末までに協定を妥結する計画を立てている。つまり、内容を我々がまったく知らない協定が妥結される、30日足らずしか残されていないことを意味する。協定の内容を知ることはできないが、一方で我々に対して今までなされた約束については十分承知している。ほとんどが、全米、そして我がウィスコンシン州の人々に対して今までの大規模貿易協定―NAFTAからCAFTA(中央アメリカ自由貿易協定)、米韓自由貿易協定に至るまで―で約束されてきたことだ。自由貿易はアメリカに雇用拡大をもたらし、貿易赤字を縮小させ、輸出を拡大し、ひいては世界中の人権および労働基準の改善をもたらすだろう、というものだ。残念ながら、これらの約束は1つも満たされていない。ウィスコンシン州では、 NAFTAのような自由貿易協定によって地元の製造業および雇用が破滅的な影響を受けるのを目にしている。

実際、労働統計局によれば、NAFTAの成立以来500万人のアメリカ人が製造業での雇用を失った。また最近の報告からは、アメリカからメキシコに流出した純雇用の数は70万人にのぼることが判明している。小さな会社を経営する私自身、従来アメリカ国内で利用したり、作られたりしていた多くのアメリカ製品の数が減少しているのを見ている。

貿易黒字の数字も同様に痛手を受けている。NAFTAが発効する前年、メキシコとの物品貿易は16億6千万ドルの黒字だった。ところが昨年になると、我が国は62億ドルの赤字を計上した。米韓FTAが発効したわずか1年後の2012年3月、韓国との物品貿易における赤字は550億ドルまで増加し、46%上昇した。またその間、メキシコからコロンビアそして(ここで彼が述べた国名は聞き取れず・・・バーレーンか? 16:55現在)に及ぶ国々では、労働条件の改善が約束されていたものの、ヒューマンライツウォッチ、アムネスティーインターナショナル、そして米国務省の報告にあるような、しばしば悪化の方向に進んでいるという言葉に置き換わってしまった。

したがって、我々の背後にあるこうしたすべての実例や、我が国経済が金融危機から緩やかな回復を続けているという事実に照らしてみれば、アメリカの産業を促進させ、アメリカの労働者を保護し、すべての中産階級家庭の経済的利益を改善させることこそ、透明性ある貿易政策の遂行によって我が国が最優先すべき事項なのである。しかしすでに述べたように、TPPは過去の協定よりも決して良いものとは言えず、さらに悪くさえなりそうなものだ。ここで私は、コネチカット州選出の私の仲間に時間を譲りたい。政策運営委員会の共同議長であり、労働、保健、人的サービスおよび教育の歳出に関する分科会の上級委員であり、長年にわたる国会議員であり、また下院議会における私の尊敬する人、ロサ・デローロ議員です。」

ロサ・デローロ議員 (コネチカット州、民主党)
「…このような努力を払っている中での(ポーカン議員による)TPPの特徴はきわめて的確だ。この協定に関して言えば、ご存じのとおり12カ国の通商担当閣僚が来週シンガポールで会合を行うことになっている。アメリカの交渉団はこの連携協定すなわちTPP協定を引き続き推進し、なんとか事態を動かしたいとしていることから、我々は今年の末までに何かをなさなければならない。(ポーカン議員が)すでにその要点を指摘してきた。
この協定は新しい機会となりうるものだった。繁栄を共有しつつ、経済的発展を推進する新たな、持続可能な規範となる何かを生み出すための努力の表われだった。しかしご存じのとおり、残念ながら協議は以前の貿易協定と同様の道筋に帰着している。製品輸出の拡大ではなく、さらなる雇用の流出、安全でない輸入品、公衆衛生への不安などだ。(ポーカン議員が)そのことを明らかにしてくれた。我が国は、北米自由協定(NAFTA)以来、500万人以上の製造業の雇用と多数のサービス部門の雇用を失った。NAFTAおよび世界貿易機関(WTO)に反対票を投じたことを私は誇りにしているとここで申し上げたい。しかし、それらはともに発効し、500万人以上の雇用喪失を現実に見たのである。

一方、再度言うが、ポーカン議員の指摘のとおり、アメリカの賃金は低下し、経済的不平等は拡大した。経済的な不平等である。そのことに関しては本日多くが語られた。これは抽象的な概念ではない。公共施策の結果アメリカ国内の経済的不平等が助長された。そして、過去の協定の結果としてさらに拡大した。

最近の韓国との貿易協定は、我々がこれ以上同じことを続けることがいかに許されないかを確信させるものだ。初年度、韓国からの輸入が増加したのに反して、アメリカからの韓国への輸出は10%も落ち込んだ。韓国との貿易赤字はわずか1年で37%にまで激増し、およそ4万人以上のアメリカの雇用の純喪失に相当するものとなった。
国民にとって非常に困難な今日の経済情勢下、雇用喪失、賃金低下、アメリカの家庭にとっての更なる経済的不安定と危険を助長するような公共政策を、なぜアメリカは進めるのだろうか。これは間違った考えである。

環太平洋連携協定は、かつてないほど広い分野に及んでおり、アメリカの労働者やその他の国民にとって不当な協定にはならないと信じるに足る理由がない。
この協定は従来の貿易関連分野に含まれるよりはるかに広い領域に及ぶ規則を確立するものであると、大統領自身が述べている。ここで次の言葉を引用したい。「将来重要になりうる新たな貿易問題に関わる全分野が含まれる。すなわち技術革新、規制の整合性、我々はインターネットおよび知的財産権についてどう考えるか」

この協定は次のようなものを含む多数の分野に関して、将来も議会を拘束する政策になるだろう。その分野とは、労働、特許および著作権、土地利用、食品、農業および製品の基準、天然資源、環境、国有企業、政府調達政策、また同様に、金融、医療、エネルギー、電気通信およびその他サービス分野の規制である。到底、関税問題だけにはとどまらない。私が強調したとおり、範囲は信じがたいほど広い。またこの協定の透明性の欠如は類をみない。産業界はすでに(協定の)経緯や交渉内容について熟知しているが、上下両院の議員はこの協定に関して同様の情報を入手するということが出来ないでいる。私たちには、国会議員として貿易協定を承認するという憲法の権限がある。これ以上、局外に置かれる訳にはいかない。我々はこんなことを黙って見過ごさないだろう。

この協定によって、たとえばベトナムやマレーシアからのエビやその他魚介類の輸入が増加するだろう。これは私の仲間がよく知っていると思うが、他の人にも知ってもらいたいので申し上げると、2012年にベトナムから輸入された海産物は206回も汚染問題で搬入を拒否された。一方、マレーシアの輸出業者は、 FDA(米国食品医薬局)の警告と反ダンピング義務の双方を逃れる目的で、中国産のエビを移送するような行動をとってきた。こうしたことはを何故防いできたのか?不潔な産品、汚染された産品、抗生物質漬けの産品だからだ。アメリカに住む人々の健康を危険に晒す。そして、加盟国の食品安全法制が改善されるのではなく、この協定によって、FDAのような機関が確実に他国と協議してこうした問題を解決できるようにするため、その資源を枯渇させる羽目になるかもしれない。この協定は重要なアメリカの食品安全規制を脅かしさえするのだ。

また、最近漏洩した条文から、“最近漏洩した”とあえて言うが、それは「われわれは情報に接することができない」と繰り返し言っているとおりのことである。われわれは条文を入手することも、誰かに示してもらうこともできない。我が国の通商交渉団による提案内容を含む漏洩文書には、貿易相手国にとって、安全でより安価な薬品の入手が妨げられる不公正な知的財産権条項が示されている。このことは、海外の医薬品価格を上昇させ、多くの国民が必要な医療を受けることを妨げるばかりか、国際的な成長のためそして国内での更なる雇用を生み出すために必要なアメリカ企業の輸出の可能性も制約するものだ。
信じがたいことだが、政府は予算上、商標のある生物学的医薬製剤の独占(競合品の取扱制限条項)の期間を12年から7年に修正する案によって、ここアメリカの消費者のためには薬品価格の低下を提案さえしているのに、貿易相手国に対しては、その臨床データに関する独占を12年と要求しており、その国の人々がより安価な薬品を入手する権利を否定しているのだ。

こんなことでアメリカはこの分野にいられるのか? 道義的に受け入れがたい。命を救う薬品、それが海外の人々にとって一層入手しにくくなるのだ。これは国民としてのわれわれのあるべき姿ではない。われわれが価値をおくべき姿でもない。これらの、またその他の重要分野が、十分な議会審議なしに交渉されている。憲法で、議会―行政府にはない―は「外国との通商を統制する」ための独占的な憲法上の権能を有し、そして国の法律を立案するところだ、と言っているにもかかわらず、である。この数十年、大統領はファスト・トラック権限(大統領貿易促進権限・早期一括採決権限)という仕組みを利用して、これら権能の双方の行使力を強めてきた。まさにその行為は、先ほど述べたとおり、関税に留まらない分野を包含する自由貿易協定の中身を決めるという、議会の機能を侵食するものである。この貿易協定の内容決定に関して、ファスト・トラック権限を与えるということであれば、その時は、ウィスコンシン州選出の私の仲間がよく知っているが、議会は修正案を出す能力を持たないという現実を意味することになる。ただ集まり、黙って承認印を押すだけとなってしまう。

それはもう許されない、許されるものではない。
2007年に期限切れとなったが、ファスト・トラック権限が繰り返される間も、アメリカの通商交渉に当たっては事前および最中にさまざまな段階で議会審議が求められてきた。しかし、環太平洋連携協定に関しては、それにふさわしい最低限の議会審議さえ行われていない。それこそが、私自身、そしてウィスコンシン州選出のポーカン議員を含むその他多くの仲間、そして上下両院がともに、次のことを訴えてきた理由である。つまり、20世紀に行われたファスト・トラック権限と、協定の形成過程で議会から意義ある関与の欠落は、もはや環太平洋連携協定のような21世紀の貿易協定にとって適切なものではないということである。

もはやファスト・トラック権限は考慮に値しない。
我々の仕事は21世紀の仕組みを作り、より多くのアメリカ人の利益を保証し、賃金を低下させず、最低賃金を低下させず、国民とその家族を支えるために彼らに機会を与えるような貿易協定について協議することである。われわれは、環太平洋経済連携協定を認めることはできない。この協定は、これまでに失敗した貿易モデルと同じであり、勤労家庭に長期間痛みを与え、国内および海外の人々の健康を危うくし、そして我々が作成過程で何の関与もできないまま、将来に渡って議会における政策を拘束することになる協定なのである。

もし我々が有権者の信任を確保しようとするなら、彼らのために、我が国経済のために、そして我が国のために、もっとましな方法をとらなければならない。そしてTPPの内容とその進め方は、我が有権者またはアメリカの偉大な国民が進めようとするより良い方向とは合致しないのである。

この協定は、最初からやり直すべきものだ。このまま進めて年末までに終了するのではなく、われわれは再度努力を傾け、議会の関与を促し、われわれが奉仕する国民の生活を向上させられるようなものにする必要がある。
私はこの問題に焦点を当てるため、特別演説の機会を与えてくれたポーカン議員に感謝している。また彼も私も、われわれの思いや、国民とその家族の利益につながらないこの法律の内容について国民に明らかにする努力を続けたいと思う。これこそ、あなたも私も努力していることだ。私に関して言えば、この闘いを続けていきたいし、年末までに協定を終結させはしない。まだ非常に多くの障害がありそうだ。今晩の機会に私が参加させてもらえたことに感謝したい。

ポーカン(議員
デローロ議員は長い間、アメリカの労働者のためそして自由貿易のみならず公正な貿易のために闘ってきた方で、この国に流入する食料の問題についても本当に説得力のある説明をしてくれている。デローロ議員に感謝を申し上げたい。

デローロ議員
食料は何よりも重要な問題だが、普段は見過ごされがちだ。いまわれわれは、この問題を前面に押し出している。

ポーカン議員
そして、医薬品や、もちろん労働基準についても。ベトナムでは時給が28セントで、すでに非常に低下しているアメリカの現行最低賃金の4%にすぎない。それを考えると、我々は28セントの最低賃金の国との公正な貿易を如何にして行うことができるのかと思う。しかもそれすら保障されず、ベトナムの労働者は、安全要件について検査を受けた10回のうち8回違反しているような工場で働いている。1か月に最低4日の休暇も規定通りにとることができない。少なくともアメリカの労働者の状況を引き上げようとする貿易協定における貿易パートナーではない。単に状況を引き下げるだけだ。

ロサ・デローロ議員と私のもう1つの懸念材料は、政府調達についてであり、この協定における政府調達とは一体どういうものかということである。私はウィスコンシン州の州議会議員時代、州の米国製品優先購入法(Buy American laws)を起草し、税金が確実にアメリカ労働者に資する製品に使われるようにした。しかしこれらの貿易協定にまさに含まれている文言は、アメリカ製品を購入しようとする権能を取り上げることになるかもしれない。我々はそれを変える必要がある。改めてあなたのその努力に大いに感謝したい。われわれはファスト・トラック権限を打ち破るために、党派を超えて多くの同僚たちと活動していくつもりだ。

デローロ議員
その通り。議会を関与させる方向に変わらないのなら、この貿易協定反対への超党派の支持、およびファスト・トラック権限反対への超党派の支持があることは重要だと思う。苦しんでいる人々は党派にこだわらないからだ。最低賃金の低下は、民主党員、共和党員など党派にかかわらず影響を及ぼし、どこにいようが、誰であろうが、人々の生活、家族の生活に影響する。改めて(ポーカン議員に)感謝し、今後も共に頑張っていきたい。

ポーカン議員
長年にわたりアメリカの労働者のために声をあげ、アメリカの労働者を代弁すべく、力強く、熱心な活動を続けられているデローロ議員に感謝を申し上げたい。ありがとうございます。
われわれが議論を進める中で問題になることの1つは、条項が数多くあるということで、労働条件、環境、調達、食品安全、知的財産権などなど、実に20を超える章が存在している。貿易取引のなかで対象となる様々な分野が含まれており、議会がファスト・トラック合意により発言の機会を失うかもしれないという事実は実にひどい間違いである。われわれは国民に選ばれ。自分たちの有権者を代表しており、自分の地域の労働者を確実に守らなければならない。もし議会の声が取り上げられないなら、民主党議員、共和党議員に関わらず、我々は発言の機会を持たなければならない。

我々を反貿易的だという人もいるかもしれない。しかし実際は貿易を大変に支持している。ただそれが「公正な貿易」であって欲しい。注意深く、間違いなく起草されて欲しいのだ。そしてそれは可能だと信じている。しかし、過去の協定や、またいくつかの漏洩した原文からみられるTPPのような協定を考えると、またもやグローバル企業の利益をアメリカ労働者の利益より優先しているかに見える。場合によっては外国所有の企業がわれわれの主権を有する法廷よりも優越し、アメリカ製品優先購入政策が弱体化させられ、企業が生産を海外に移転する気にさせる事態が生まれ、労働者保護、賃金、権利の底辺への競争に引き込まれる可能性がある。そして、アメリカ人労働者が取り残される。そんなことは許されない。

我々は貿易協定、とりわけ環太平洋経済連携協定のような広範囲な協定に含まれる内容について、議会が可能なかぎり発言できることを確認する必要がある。我々はこれらの法規の内容を知る必要があるにも関わらず、知らされていない。皆さんはデローロ議員と私が「この問題を追いかけている」と言うのを聞いたはずだ。われわれはこの協定で何が交渉されているのかもまったく知らない。質問したいことは山ほどあるが、答えはほとんどない。この協定は為替操作に取り組もうとしているのか? 分からない。

協定には強制力のある環境や労働の基準が含まれているのか? 食品安全から金融規制、インターネットの自由まで、明らかに非貿易である事項について、どの程度扱っているのか? もう一度言うが、分からない、というのが答えだ。これだけ答えのない疑問があり、多くの議員が漏洩した文書の一部をかろうじて見たことしかない。この交渉が我が経済や労働者に永続的な影響を及ぶすにも拘わらず、再びファスト・トラックを試みて議会を通過させようとしているのでは、という噂がある。そんなことは決して受け入れられない。
環太平洋連携協定について、明らかになっていないすべての疑問を考えると、この法案を急いで通過させることは危険であり、無責任であると固く信じている。

ちょうど今年の始め、私は透明性について懸念を表明した書簡を35人の民主党新人議員と送付し、我々の有権者や労働者の最大の利益となる貿易交渉であることを確認しようとした。議長、議会における我々の仕事は、ここに送ってくれた人たちを代表することだ。自社の利益幅を拡大するために、できるだけ安い労働力を見つけたいとする外国企業や最高経営責任者の利益を代表するのは我々の仕事ではない。

そして、最悪の貿易協定が議会を通過するのを傍観していることも我々の仕事ではない。世界の労働者と対等な舞台で競争ができることを保障する責任を、アメリカ労働者に対して負っているのだ。対等な舞台で競争すれば、我々は必ず勝つだろう。我々には労働について倫理感があり、能力もある。しかし対等な機会が与えられないなら、アメリカの労働者が公正かつ持続可能な方法で処遇されることはないだろう。仕事が海外に移転したり、賃金が生活できないほど引き下げられれば、かれらは競争することも出来ない。我々は労働者にもっと貢献できるし、そうしなければならない。

ジャレド・ポリス議員(民主党・コロラド州)
TPPを巡る問題の1つは、交渉内容の秘密性だ。実は数ヶ月前、党派的な懸念ではないことを示すため、超党派の書簡をダレル・イッサ(Darrell Issa)議員と共に用意し、透明性を高めるよう要請した。私は事務所で3回ほどTPPのテキストを検証する機会があったが、私のスタッフは、そこにいることさえ許されなかった。アメリカ国民は、秘密裏に行なわれる交渉だという理由でわが国の経済にとても重要なことについて適切な監視を行うこともできない。私の発言はこの辺で。

ポーカン議員
コロラド州のポリス議員、ありがとうございました。彼はアメリカ労働者のために精力的活動してこられた。また、私もこれらの章を見たが、そのときも私のスタッフは見ることを許されなかった。しかしもっと困ったのは、これらの協定の文言をメモすることが許されなかったことだ。この協定を見るかぎり過去の協定と比べ、明らかましなものではなく、特に労働条件やアメリカ製品優先購入法を容認している政府調達については、悪化しているようだ。(翻訳:池上明・田中久雄/監修:廣内かおり)

2014年12月7日日曜日

【収穫感謝祭】2014年12月14日ネットワーク農縁+新庄水田トラスト+新庄大豆畑トラスト合同の収穫感謝祭

会員のみなさん、こんにちは。
新庄水田トラスト事務局の根本です。

今年も収穫感謝祭を開催します。
会場は、川崎市の「もも保育園」です。
みなさんお誘い合わせの上、おなかを空かせてお越しください。
生産者一同、お待ちしております。
詳細:http://goo.gl/DpIjRS

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★開催日時:2014年12月14日(日)
開始:13:00 ~ 終了:16:00
(受付開始12:00)
★会場:もも保育園(川崎市)
★参加費 500円(中学生以下は無料)
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★新米味くらべ
さわのはな/こしひかり/あきたこまち/ひとめぼれ

★新庄の郷土料理
いも煮/漬物/はと麦茶

★プロジェクト紹介
有機農業生産者から・2014年の報告・農業を取り巻く環境・みなさんからのリクエスト等
都市と農村の交流から育まれる豊かな自然環境と美味しい農産物・結の心

★協賛・協力
社会福祉法人 こどものいえ もも保育園 東亜魔芋研究会

★企画・主催
ネットワーク農縁
新庄水田トラスト
新庄大豆畑トラスト

★会場案内
こどものいえ もも保育園
〒216-0035
神奈川県川崎市宮前区馬絹1899-5
TEL:044-860-2415

★問い合わせ
ネットワーク農縁事務局
阿部:0470-98-0350
飯島:090-1772-2271

2014年12月6日土曜日

【遺伝子組み換え】ニール・ヤング、遺伝子組み換え食品の規制に反対するスターバックス・コーヒーの不買を訴える


オーケストラと共演した新作『ストーリートーン』を12月24日(水)にリリースするニール・ヤングだが、大手農薬メーカーのモンサント社と手を組んで食品規制に異を唱えているスターバックス・コーヒーについて、商品をボイコットするべきだとファンに呼びかけている。

今年に入ってからアメリカのバーモント州では乳製品、食肉、アルコールとレストランの食事以外のすべての食品や飲料について2016年7月から遺伝子組み換え食材の使用の有無について表示しなければならないという州条例が成立している。しかし、モンサントはこの条例が不当だとして法廷に訴えていて、この訴えにスターバックスも加わっていることを、遺伝子操作などのバイオテクノロジーの危険性を訴えているNPO団体ジェネティック・リテラシー・プロジェクトがそのオフィシャル・サイトで伝えている。

これに対してニールは自身のオフィシャル・サイトで、スターバックスがモンサント社と手を切るまでスターバックスのボイコットをするべきだと呼びかけている。

「モンサントにとっては俺たちがなにを考えていたところでどうでもいい問題なんだろうけど、世間を相手にしているスターバックスみたいな会社は気にしないわけにはいかないんだよ。俺たちが充分に世の中の関心を集めることができれば、スターバックスにこの訴訟を支持するのをやめさせることもできるし、それからほかの会社も協力しないように圧力をかけていくことができるんだ」

「バーモント州は小さくて、ほとんど都会のない州で人口も60万しかないところだからね。そのバーモントとモンサントが取っ組み合うんだから、ほとんどダヴィデとゴリアテの戦いのようなもんだよ。これまでスターバックスがLGBTの雇用や労働条件について進歩的だったことを考えると、悪漢のなかでも一番最悪なモンサントと組んだりしてがっかりだよね」

また、ニールはシェール・ガス掘削のために使われるフラッキング技術(水圧破砕法)が水質や土壌の深刻な汚染をもたらすと問題にしていて、シェール・ガス採掘とひいてはフラッキングを奨励しているオバマ大統領を弾劾すべきだと語っている。時事問題をブラック・ユーモア的に扱うことで知られるテレビのトーク番組『ザ・コルベア・リポート』に出演したニールはイラクでの失策についてオバマ大統領は弾劾されるべきかという問いに次のように答えている。

「むしろフラッキングを助長していることで俺は弾劾すべきだと思うよ。アメリカ国民のためにはならないことなんだから……俺たちは自由社会に生きていて、オバマはその自由社会の指導者なんだからな!」

(c) NME.COM / IPC Media 2014

2014年12月3日水曜日

「異端者でいいじゃないか」菅原文太さんが国民に送ったエール 2014年12月2日 日刊ゲンダイ

(沖縄での最後のメッセージ)

「異端者でいいじゃないか」菅原文太さんが国民に送ったエール 2014年12月2日 日刊ゲンダイ
 【日刊ゲンダイ新春特別インタビュー「ポスト震災を生き抜く」2012年1月1日号より】

  あれだけの大震災と原発事故を経て、日本人の意識が違う流れに変わるかな、と期待したけど、変わらないな。何も変わらないと言っていいほど。戦後の日本はすべてがモノとカネに結びついてきた。そこが変わらないとな。

  農業もそうだ。本来、人の命を養うための営みが、利益や効率を追い求めて、いつの間にか商業や工業のようになってしまった。JA全農のガラス張りビルが経団連の隣にあるのが象徴だ。おかしな話だよな。

  俺は09年から有機栽培に取り組んできた。在来種を扱うタネ屋は数えるほどで、売られている野菜は「F1」といって一代限りで、タネを残せない一代交配種で作られている。農薬もハッキリ言って毒だよ。米軍がベトナム戦争で散布した枯れ葉剤のお仲間さ。極論すれば農薬と化学肥料とF1種で成り立っているのが、今の日本の農業じゃないのか。

  その構図は原発とイコールだ。日本は高度成長に入る頃から、アメリカに「農薬を買え」「化学肥料を入れろ」と突き上げられ、ハイハイと従ってきた。農協が「大丈夫、安全だ」と農民にどんどん売って、60年代には、ヨーロッパの6倍、アメリカの7倍の農薬を農地に投入してきた。今や日本の有機栽培率は、たったの0・16%。中国以下なんて情けないよな。

 ■農業も原発もアメリカの実験場だ

  農薬の怖さはそれこそ放射能とおんなじさ。人体への影響は目に見えない。農民は危ないから子どもたちを農地に入れないよ。儲からない上に危険だしじゃあ、後継者不足も当たり前だ。原発に農薬にと、日本はアメリカの実験場にされてきたんだ。

  農薬いっぱいの土壌からできたコメや野菜でいいのか。化学肥料と農薬を使わない本当の土壌にタネをまけば、よく根を張って力強くおいしい作物ができる。

 「農」が「商」だけになってはダメだ。「工」にもあらずだ。このトシになって、今さら夢はないけどな、農業を安全な本来の姿に戻したい。それが最後の望みだね。

  戦後の日本人は「世界一勤勉な国民だ」とシリを叩かれ、働いてきた。集団就職列車に乗って、大都会の東京や大阪の大企業や工場に送り込まれてきた。日本人総出で稼ぎに稼いで、豆粒みたいな島国が一時は世界一の金満国家になったけど、今じゃあ1000兆円もの借金大国だ。

  国はカネがない、増税しかないと言うけど、ぜひ聞いてみたい。日本人が汗水流して稼いだカネはどこへ消えたんですか、と。何兆円と稼いだカネが雲散霧消したのなら、この国にはどんなハイエナやハゲタカが群がっているんだ。

  近頃は「清潔さ」ばかりを求め、政界でも異端者やアウトロー、変わり者を受け入れない風潮がある。けど、スネに傷を持たない人間なんていないじゃないか。どこかで間違いのひとつやふたつ犯している。真っ白な無謬な人間なんていない。アナタ方はシャツの裏側まで清潔だって、言い切れるかい。

  今の世の中は人間をテレビ画面くらいの小さな枠に収めようとする。俺たちが生きてきた映画の枠は大きなスクリーンだったから、誰でも受け入れた。

  世の中の方がネジ曲がっているんだ。ヘンクツや異端者と呼ばれてもいいじゃないか。変わり者の生き方の方が面白いよ。昔は新聞記者も変わり種がいて、良い記事書いてたぞ。日刊現代の会長も相当な変わり者だぞ(笑い)。

  なにより2012年こそ被災地に生きる人々にとって良い一年になって欲しい。本当に祈っているよ。

 人々の幸せを祈った菅原文太さん/(C)日刊ゲンダイ