2011年5月10日火曜日

【原発関連】じわじわと拡がる放射能汚染

 

【転載】
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 有機農業ニュースクリップ

                         2011.05.07
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≪ 今日の目次 ≫
 ■じわじわと拡がる放射能汚染
 ■まずは浜岡原発の停止を
 ■ツイッターから


■じわじわと拡がる放射能汚染
 文科省は5月6日、米国エネルギー省と共同で行った航空機によるモニタリング地図を公表した。地図は、空間線量[μSv/h]、セシウム134とセシウム137による土壌汚染、セシウム134だけの土壌汚染、セシウム137だけの土壌汚染の4種類である。公表された地図によれば、セシウム134とセシウム137は、ほぼ同じような分布となっている。

・文科省, 2011-5-6
 「文部科学省及び米国エネルギー省航空機による航空機モニタリングの測定結果について」
  http://p.tl/rX3h (PDF)

 今回公表された地図によれば、東京電力福島第一原発から北西方向、飯舘村全域に及ぶ高い汚染地域がはっきりと表れている。また、伊達市から福島市、郡山市を経て須賀川市に至る浜通りには、飯舘村ほどではないにしても高い汚染地域が現れている。

 事故を起こした原発から北西部の汚染が高いことは、すでに3月末に飯舘村周辺放射能汚染調査チーム(代表・今中哲二氏)による飯舘村内の調査結果でも明らかになっていたが、今回の文科省の調査によっても同等の結果となっている。

・飯舘村周辺放射能汚染調査チーム, 2011-4-4
 「3月28日と29日にかけて飯舘村周辺において実施した放射線サーベイ活動の暫定報告」
  http://p.tl/RN_n (PDF)


●チェルノブイリの退避・移住レベルの土壌汚染

  チェルノブイリ原発事故の後、ソ連政府はセシウム137の汚染により、表1のような区分により住民を強制退避や移住させた。この区分を文科省が公表した地図の色分けと対比させると表1のようになる。チェルノブイリの区分に従えば、浪江町、舘岩村は全域が「強制退避」ないしは「移住の義務」ゾーンに該当する。また、福島市や郡山市などの浜通り一帯は「移住の義務」ないしは「希望すれば移住」のゾーンに含まれるレベルの汚染度である。この浜通り一帯では、このような汚染にも関わらず、児童や生徒に対して、年間20ミリシーベルトまでを許容する通達が文科省より出されている。国際的な反対と撤回要求の拡がりにもかかわらず、いまだに撤回されていない。なんら有効な措置が取られない現状に、「チェルノブイリ以下」などとの言説がむなしくなる。



 原発から放出された放射性物質は、200キロ圏を超えて広がりつつある。5月6日には前橋市や埼玉県東秩父村の牧草のセシウム137による汚染が相次いで公表された。千葉市にある日本分析センターの公表している同社敷地内の放射性物質は、チェルノブイリの「希望すれば以上」ゾーンの下限値である 185KBq/m2 の半分ほどにまで達している。原発からの放射性物質の放出は、今も続いている。ライブカメラには、判別がつかないものの、相変わらず蒸気か煙のようなものが映し出されている。考えたくはないが、じわじわと汚染が拡大していることは間違いないだろう。

・時事通信, 20011-5-6
 「群馬の牧草からも放射性物質=セシウム最大2.5倍-県調査」
  http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011050600653

・日本分析センター, 2011-4-21
 「日本分析センター敷地内における放射性核種の蓄積量」
  http://www.jcac.or.jp/lib/senryo_lib/tikuseki.pdf


■まずは浜岡原発の停止を
 全国に設置された原発は、休止中も含めて北海道から鹿児島まで合わせて54基。各地の原発ごとに半径200キロの円を描いてみると、北海道東部と沖縄を除き、ほとんどカバーされてしまう。わずかに紀伊半島南部が残るくらいである。どこにも逃げ場がないほど“上手に分散させた”と思うような立地である。

・日本原発地図(ニュースクリップ作成)


 このような状況で東海地震が発生した場合、予想域の真ん中に位置する浜岡原発がどこまで耐えられるのかが問題となる。国や電力会社の言う「安全」は軽々しく信用できるものではない。それが如何にもろいものかは、福島原発の事故が立証してしまった。

 菅首相は5月6日、突如「浜岡原発停止」を中部電力に要請した。中部電力は7日現在、この要請を受けてはいないが、最終的には受けざるを得ないだろう。同社は、7日の臨時取締役会での結論を「継続審議」として先延ばすことで、国の燃料費補助などの支援策を最大限上積みさせる“条件闘争”に入ったとみてよいだろう。すでに原発停止により、火力で代替した場合のと発電コストが1日7億円、年間約2500億円増える、と中部電力の見通しが流れされている。まずはきっちりと停止させ、核燃料を浜岡原発の敷地内からより安全な場所へ移動させることだ。


■ツイッターから
【水産物汚染】水産庁は6日、「水産物の放射性物質検査に関する基本方針」を公表。福島県の南部以南と北部以北にわけ、生息域を広くカバーできるよう主要魚種を選定し、原則週1回のサンプリングを行う。基準超えで操業自粛。連続3回基準以下で操業再開。
http://p.tl/41uH

【国産ビール麦】1900年に東京・練馬区の農家が自然交雑で作出した
国産初のビール麦「金子ゴールデン」を復活させた「練馬金子ゴールデンビール」。9日から練馬区内のJA東京あおばの直営販売所で限定販売。瓶の中で二次発酵。1万2千本限り。 http://p.tl/IDpC

【農地収奪】「もはや農地の強奪を“責任ある”ものとする時ではなく、禁止すべき時である」。農地問題についての国際会議に向けたビア・カンペシーナ、GRAINなどの4月17日の声明。“責任ある農業投資”(RAI)批判。(日本語)
http://p.tl/XojH


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