━ No.599 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
有機農業ニュースクリップ
2014.01.11
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≪ 今日の目次 ≫
■食品安全委員会:新年早々GMに“お墨付き”を連発
■生食用GMスイートコーン市販の可能性
≪ 遺伝子組み換え ≫
■食品安全委員会:新年早々GMに“お墨付き”を連発
1月7日に開かれた食品安全委員会は、モンサントの除草剤耐性・害虫抵抗性の遺伝子組み換えスイートコーン2品種について「安全」との評価を決め意見募集を始めた。やはりモンサントの複合除草剤耐性GMダイズも問題なしとの評価を決定した。また、昨年より持ち越した遺伝子組み換え微生物を利用した食品・添加物に関し、一定の条件付きでメーカーの自主判断と管理を可能とする厚労省の規制緩和を容認した。こちらは意見募集はない。
●生食用GMスイートコーン「問題なし」
食品安全委員会は、「ヒトの健康を損なうおそれはない」とする健康影響評価を決定したモンサントのGMスイートコーン2品種について、8日から意見募集を始めた。
このうちの一つMON88017系統(スイートコーン)は、除草剤グリホサート耐性・害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシであり、、もう一つのMON89034系統(スイートコーン)は、害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシである。どちらも同系統のGMデントコーンと従来品種のスイート種を掛け合わせた品種である。どちらも「ヒトの健康を損なうおそれはないと判断した」としている。
今回の2品種は生食用として開発され、米国では2011年に承認され、米国やカナダで一般に流通が明らかになっている。日本でも2011年に承認されたハワイ産GMパパイヤのように、生鮮品として流通する可能性がある。
※別記事「生食用GMスイートコーン市販の可能性」参照
●GM微生物の大幅な規制緩和を認める
7日の食品安全委員会はまた、昨年より持ち越した遺伝子組み換え微生物を利用した食品・添加物に関し、一定の条件付きでメーカーの自主判断と管理を可能とする厚労省の規制緩和を容認した。この件での意見募集は行われない。
・食品安全委員会, 2014-1
組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続(平成12年厚生省告示第233号)等の改正に関する審議結果について
http://www.fsc.go.jp/fsciis/at tachedFile/download?retrievalI d=kai20140107sfc&fileId=310
●掛け合わせGMダイズも実質審査なし
7日の食品安全委員会はまた、モンサントの除草剤ジカンバ耐性遺伝子組み換えダイズと、ラウンドアップ耐性GMダイズの掛け合わせ品種について、親品種がどちらも承認済みであることから、改めて安全性の確認は不要とした。
こうした親品種が承認されている遺伝子組み換え作物については、今後こうした形式的な食品安全委員会での“審査”も不要となる規制緩和が進められている。食品安全委員会は昨年暮、この規制緩和を認める審議結果を厚労省に送った。昨年の年初来、GM関連の規制緩和が一挙に進んでいる。
■生食用GMスイートコーン市販の可能性
食品安全委員会は1月7日、モンサントの2品種の遺伝子組み換えスイートコーンについて、「ヒトの健康を損なうおそれはない」とする健康影響評価を決定し、8日から意見募集を始めた。
このうちの一つMON88017系統(スイートコーン)は、除草剤グリホサート耐性・害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシであり、もう一つのMON89034系統(スイートコーン)は、害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシである。どちらも同系統のGMデントコーンと従来品種のスイート種を掛け合わせた品種である。この2品種は後代交配種ではあるが「亜種レベル以上での交配でないが、摂取量・食用部位・加工法等に変更がある場合」に該当するとして健康影響評価を行い、どちらも「ヒトの健康を損なうおそれはないと判断した」とした。
GM作物の安全性審査について食品安全委員会は2005年、「遺伝子組換え植物の掛け合わせについての安全性評価の考え方」を決定している。それまで、一般的にこうしたGM品種と非GMの通常品種の交配種については3条件(新たに獲得した性質が変化していないこと。亜種間での交配でないこと。摂取量・食用部位・加工法等の変更がないこと)を満たせば「安全性審査済み」とみなしていたが、「亜種のレベル以上での交配でないが、摂取量・食用部位・加工法等に変更がある場合には、当面の間、安全性の確認を必要とする」としている。
・食品安全委員会, 2014-1
遺伝子組換え食品等評価書 除草剤グリホサート耐性及びコウ
チュウ目害虫抵抗性トウモロコシMON88017系統(スイート コーン)
http://www.fsc.go.jp/fsciis/at tachedFile/download?retrievalI d=kai20140107sfc&fileId=320
・食品安全委員会, 2014-1
チョウ目害虫抵抗性トウモロコシMON89034系統(スイート コーン)
http://www.fsc.go.jp/fsciis/at tachedFile/download?retrievalI d=kai20140107sfc&fileId=330
●米国、カナダではすでに流通
デントコーンは、主に飼料やコーンスターチの原料として用いられるのに対して、今回の2品種は生食用として開発されたもので、米国では2011年に市場流通が認められている。すでに米国やカナダでは、一般のスーパーや小売店ばかりか、ファーマーズマーケットでも販売されていることが、環境団体などの調査で明らかになっている。
カナダのGM反対運動団体CBAN(Canadian Biotechnology Action Network)が昨年10月公表した調査結果では、市販のスイートコーンの買い上げ試験で35%からGM品種が見つかったとしている。
米国でも、2.4%と少ないものの、市場流通を確認したとFriends of the Earth U.S. が公表している。
・Canadian Biotechnology Action Network, 2013-10-2
Tests Discover Unlabelled GM Sweet Corn in Canadian
Grocery Stores and Farmers' Markets
http://www.cban.ca/Press/Press -Releases/Tests-Discover-Unlab elled-GM-Sweet-Corn-in-Canadia n-Grocery-Stores-and-Farmers- Markets
・Friends of the Earth U.S. 2013-11-14
New study: GMO sweet corn rare in U.S. supermarkets
http://www.foe.org/news/news-r eleases/2013-11-new-study-gmo- sweet-corn-rare-in-us-supermar kets
●GM表示義務の拡大が必要
日本では、この生鮮GMスイートコーンの流通事例はまだ確認されていないようだ。しかし、2011年にハワイ産のGMパパイヤが生鮮GM食品として承認されている。流通に当たっては、直接消費者に向けて販売されることから、その1個1個にGMパパイヤのラベルが貼付が条件とされた。現在、表示が義務付けられているGMトウモロコシには「冷凍トウモロコシ」はあるものの、生鮮品の区分がない。おそらくこのスイートコーンの生鮮品が生食用として流通する場合には、新たに区分が追加され、GMパパイヤ同様のラベル貼付が条件となるのではないか。
しかし、レストランなどにおける遺伝子組み換え食品に関する義務的表示な表示はまだ制度化されていない。したがって、こうしたGMスイートコーンが外食産業などで使われた場合、知らないうちに食べてしまう可能性がある。レストランなどの外食産業はもとより、対面販売用の食品にも、厳密な表示義務を課すことが必要だ。しかし、これとて食品偽装を防ぐ最低限の歯止めでしかない。自分が何を食べるのかを選択する権利、何を食べているかを知る権利、こうした権利は基本的な権利のはずだ。
(参考)遺伝子組み換え表示対象食品:トウモロコシ
16.コーンスナック菓子
17.コーンスターチ
18.ポップコーン
19.冷凍とうもろこし
20.とうもろこし缶詰及びとうもろこし瓶詰
21.コーンフラワーを主な原材料とするもの
22.コーングリッツを主な原材料とするもの
(コーンフレークを除く)
23.とうもろこし(調理用)を主な原材料とするもの
24.16から20を主な原材料とするもの
・消費者庁, 2011-11
ハワイ州産の遺伝子組換え及び非遺伝子組換えパパイヤ
確保のための流通マニュアル
http://www.caa.go.jp/foods/pdf /syokuhin735.pdf
・消費者庁, 2010-3
食品表示に関する共通Q&A(第3集:遺伝子組換え食品に
関する表示について)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf /syokuhin244.pdf#page=14
■食品安全委員会:新年早々GMに“お墨付き”を連発
■生食用GMスイートコーン市販の可能性
≪ 遺伝子組み換え ≫
■食品安全委員会:新年早々GMに“お墨付き”を連発
1月7日に開かれた食品安全委員会は、モンサントの除草剤耐性・害虫抵抗性の遺伝子組み換えスイートコーン2品種について「安全」との評価を決め意見募集を始めた。やはりモンサントの複合除草剤耐性GMダイズも問題なしとの評価を決定した。また、昨年より持ち越した遺伝子組み換え微生物を利用した食品・添加物に関し、一定の条件付きでメーカーの自主判断と管理を可能とする厚労省の規制緩和を容認した。こちらは意見募集はない。
●生食用GMスイートコーン「問題なし」
食品安全委員会は、「ヒトの健康を損なうおそれはない」とする健康影響評価を決定したモンサントのGMスイートコーン2品種について、8日から意見募集を始めた。
このうちの一つMON88017系統(スイートコーン)は、除草剤グリホサート耐性・害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシであり、、もう一つのMON89034系統(スイートコーン)は、害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシである。どちらも同系統のGMデントコーンと従来品種のスイート種を掛け合わせた品種である。どちらも「ヒトの健康を損なうおそれはないと判断した」としている。
今回の2品種は生食用として開発され、米国では2011年に承認され、米国やカナダで一般に流通が明らかになっている。日本でも2011年に承認されたハワイ産GMパパイヤのように、生鮮品として流通する可能性がある。
※別記事「生食用GMスイートコーン市販の可能性」参照
●GM微生物の大幅な規制緩和を認める
7日の食品安全委員会はまた、昨年より持ち越した遺伝子組み換え微生物を利用した食品・添加物に関し、一定の条件付きでメーカーの自主判断と管理を可能とする厚労省の規制緩和を容認した。この件での意見募集は行われない。
・食品安全委員会, 2014-1
組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続(平成12年厚生省告示第233号)等の改正に関する審議結果について
http://www.fsc.go.jp/fsciis/at
●掛け合わせGMダイズも実質審査なし
7日の食品安全委員会はまた、モンサントの除草剤ジカンバ耐性遺伝子組み換えダイズと、ラウンドアップ耐性GMダイズの掛け合わせ品種について、親品種がどちらも承認済みであることから、改めて安全性の確認は不要とした。
こうした親品種が承認されている遺伝子組み換え作物については、今後こうした形式的な食品安全委員会での“審査”も不要となる規制緩和が進められている。食品安全委員会は昨年暮、この規制緩和を認める審議結果を厚労省に送った。昨年の年初来、GM関連の規制緩和が一挙に進んでいる。
■生食用GMスイートコーン市販の可能性
食品安全委員会は1月7日、モンサントの2品種の遺伝子組み換えスイートコーンについて、「ヒトの健康を損なうおそれはない」とする健康影響評価を決定し、8日から意見募集を始めた。
このうちの一つMON88017系統(スイートコーン)は、除草剤グリホサート耐性・害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシであり、もう一つのMON89034系統(スイートコーン)は、害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシである。どちらも同系統のGMデントコーンと従来品種のスイート種を掛け合わせた品種である。この2品種は後代交配種ではあるが「亜種レベル以上での交配でないが、摂取量・食用部位・加工法等に変更がある場合」に該当するとして健康影響評価を行い、どちらも「ヒトの健康を損なうおそれはないと判断した」とした。
GM作物の安全性審査について食品安全委員会は2005年、「遺伝子組換え植物の掛け合わせについての安全性評価の考え方」を決定している。それまで、一般的にこうしたGM品種と非GMの通常品種の交配種については3条件(新たに獲得した性質が変化していないこと。亜種間での交配でないこと。摂取量・食用部位・加工法等の変更がないこと)を満たせば「安全性審査済み」とみなしていたが、「亜種のレベル以上での交配でないが、摂取量・食用部位・加工法等に変更がある場合には、当面の間、安全性の確認を必要とする」としている。
・食品安全委員会, 2014-1
遺伝子組換え食品等評価書 除草剤グリホサート耐性及びコウ
チュウ目害虫抵抗性トウモロコシMON88017系統(スイート
http://www.fsc.go.jp/fsciis/at
・食品安全委員会, 2014-1
チョウ目害虫抵抗性トウモロコシMON89034系統(スイート
http://www.fsc.go.jp/fsciis/at
●米国、カナダではすでに流通
デントコーンは、主に飼料やコーンスターチの原料として用いられるのに対して、今回の2品種は生食用として開発されたもので、米国では2011年に市場流通が認められている。すでに米国やカナダでは、一般のスーパーや小売店ばかりか、ファーマーズマーケットでも販売されていることが、環境団体などの調査で明らかになっている。
カナダのGM反対運動団体CBAN(Canadian Biotechnology Action Network)が昨年10月公表した調査結果では、市販のスイートコーンの買い上げ試験で35%からGM品種が見つかったとしている。
米国でも、2.4%と少ないものの、市場流通を確認したとFriends of the Earth U.S. が公表している。
・Canadian Biotechnology Action Network, 2013-10-2
Tests Discover Unlabelled GM Sweet Corn in Canadian
Grocery Stores and Farmers' Markets
http://www.cban.ca/Press/Press
・Friends of the Earth U.S. 2013-11-14
New study: GMO sweet corn rare in U.S. supermarkets
http://www.foe.org/news/news-r
●GM表示義務の拡大が必要
日本では、この生鮮GMスイートコーンの流通事例はまだ確認されていないようだ。しかし、2011年にハワイ産のGMパパイヤが生鮮GM食品として承認されている。流通に当たっては、直接消費者に向けて販売されることから、その1個1個にGMパパイヤのラベルが貼付が条件とされた。現在、表示が義務付けられているGMトウモロコシには「冷凍トウモロコシ」はあるものの、生鮮品の区分がない。おそらくこのスイートコーンの生鮮品が生食用として流通する場合には、新たに区分が追加され、GMパパイヤ同様のラベル貼付が条件となるのではないか。
しかし、レストランなどにおける遺伝子組み換え食品に関する義務的表示な表示はまだ制度化されていない。したがって、こうしたGMスイートコーンが外食産業などで使われた場合、知らないうちに食べてしまう可能性がある。レストランなどの外食産業はもとより、対面販売用の食品にも、厳密な表示義務を課すことが必要だ。しかし、これとて食品偽装を防ぐ最低限の歯止めでしかない。自分が何を食べるのかを選択する権利、何を食べているかを知る権利、こうした権利は基本的な権利のはずだ。
(参考)遺伝子組み換え表示対象食品:トウモロコシ
16.コーンスナック菓子
17.コーンスターチ
18.ポップコーン
19.冷凍とうもろこし
20.とうもろこし缶詰及びとうもろこし瓶詰
21.コーンフラワーを主な原材料とするもの
22.コーングリッツを主な原材料とするもの
(コーンフレークを除く)
23.とうもろこし(調理用)を主な原材料とするもの
24.16から20を主な原材料とするもの
・消費者庁, 2011-11
ハワイ州産の遺伝子組換え及び非遺伝子組換えパパイヤ
確保のための流通マニュアル
http://www.caa.go.jp/foods/pdf
・消費者庁, 2010-3
食品表示に関する共通Q&A(第3集:遺伝子組換え食品に
関する表示について)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf
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