消費者、そっぽを向く
2008年8月6日食品安全センター(Center for Food Safety)および他の消費者団体と生産者グループはモンサント社が遺伝子組み換え牛成長ホルモンのrBST(recombinant bovine growth hormone)事業の売却を進めると発表したことに対し勝利宣言をした。
モンサント社の最初のバイテク製品であるrBST(商品名ポジラック)は売り上げが減退、というのは消費者がrBSTのミルクを避ける選択をし、乳業メーカーも市場もその要望にこたえ、このホルモン使用のミルクを買わなくなったため。
不使用表示をやめさせようとあがくモンサント社
1993年米国食品医薬品局(FDA)はrBSTを認可したが、また「rBST不使用」表示することも容認した。昨年モンサントはFDAと連邦取引委員会(FTC)にこのような表示は消費者に誤解を与えると宣言するよう求めた。2007年8月、FTCはFDAとともに、食品企業が不使用表示をすることを認めると回答。
モンサントは連邦レベルでの不使用表示削除に失敗し、ペンシルベニアやオハイオのような州が不使用表示を禁止するよう動いた。モンサントによる州レベルでの不使用表示を禁止しようとする企ては、地元の消費者や運動グループ、農家や乳業メーカーの強い抵抗に直面した。今年の夏、圧倒的な市民の反発を受けてペンシルベニア州知事は不使用表示を削除する命令を撤回させられた。オハイオ州では裁判闘争中だ。
rBGHミルクの長期摂取によって、インシュリン様成長ホルモンのレベルを高めることが懸念された。27カ国が家畜の健康に悪影響があるとして禁止している。このホルモンを打たれた牛には、不妊や歩行困難、そして抗生物質処理による乳房感染のリスクが増加する。モンサントの牛成長ホルモンビジネスは2002年から減少に転じた。2002年米国牛の22.3%がホルモンを注射していたのが、2007年には17.2%に落ち込んだ。2008年にはたくさんの乳業メーカーが不使用を宣言している。
(2008/10/28)
「食生活センタービジョン21」より転載
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