2011年9月11日日曜日

非は否ではない、豊かさの幻想を突き抜ける非電化生活―非電化工房訪問記Ⅱ―

阿部文子

「20世紀は分業で経済を大きくしていくために、消費者と生産者という役割分担をした。
みんなで支出も収入も大きくしていった。そういうときには、仲間作りなんていうのは甘 ったれた話しとして切り捨てられた。
でも、経済成長が巨大な壁にぶつかったんだから・・・・生産と消費という考え方そのも のを変えていく必要がある。大事なのは、消費者と生産者が限りなくくっついていくこと です」(「テクテクノロジー革命」)

非は否ではない、電化という豊かさの幻想を突き抜ける非電化生活。日本全国の家庭に必ず1台はある吸引式電気掃除機。「元々は毛足の長いカーペットに、靴のまま上がるアメリカの習慣から発明され、発達したもの・・・でも、フローリングの家が多くなった今でも、私達は電気掃除機を手放すことが出来ず、わざわざ沢山の電気を使って、ゴミを吸い取っている。(「ビッグイシュー・ジャパン」)

そのエネルギー効率たるや「1世帯のゴミを掃除するのに、24万世帯のゴミを移動できるほどのエネルギーを使って吸い取っている」(「ビッグイシュー・ジャパン」)

「非電化掃除機の仕組みは簡単。手で掃除機を転がすと、中心部のブラシがタイヤの6倍の速度で回転し、紙くずやほこり、毛などあらゆるゴミをかきこんでくれる。・・・イメージはほうきと電気掃除機の中間。工作の得意な人なら自分でも制作できるし・・・・掃除が楽しくなる掃除機というのがポイントです」(「ビッグイシュー・ジャパン」)

一事が万事こうしたのりで藤村さんは、イオン式空気清浄機、非電化冷蔵庫、非電化除湿
機、卓上浄水器、パラボラ型ソーラークッカー、コーヒー焙煎器、ソーラーオーブン、乾
物製造装置、飲料器殺菌装置等、150種類を超えるまでに次々と発明していく。

見学中にぐっと来たのは籾殻ハウス。壁、床、屋根の全ての断熱に籾殻を使用し、自然の
空気の流れを促す換気(天窓換気扇、床下の換気口、屋根部屋の通気層など)によって、
室温調整を行うパッシブデザインの家。断熱性が高く、冬でも小型のだるまストーブで十
分だそうな。

藤村さんのところの見本は、金属製の支柱を用いた簡易基礎になっていたけれど、住居製
を考えて、ストローベイルハウスの作り方と合体させて、8畳くらいの部屋を二つ作る。
台所と風呂、トイレ棟を併設すると立派な居住空間になる。移住した若者が空き地を借り
て住むには適している。

費用は部屋の部分2棟で50万円、台所棟が50万円、その他50万円(地ならしなど)
計150万円で可能ではないか。こうして具体的に実現可能な創造力を広げてくれる非電
化生活。東京電力に依存しなくても生活していけそうで、うれし~い!
 

0 件のコメント: