2009年6月18日木曜日

フランス有機農業が急拡大 だが2012年までに3倍増の目標ははるかにかなた

農業情報研究所(WAPIC)
09.6.13

ヨーロッパの有機農業最後進国・フランスの有機農業が急拡大を始めたようだ。

 有機農業への転換について09年5月25日時点でまとめたフランス農水省の6月12日付けの発表によると、2009年には、有機農業への転換を約束した面積が35%の大幅上昇を示した08年を上回る転換が進む。

 09年の転換中面積は6万3000㌶で08年の5倍になる。その半分は穀物等の大規模耕種農業だ。09年に転換を始める経営数は、過去2年の数を上回る。全体で、経営数では15%、面積では10%の増加である。

 09年の国とEUからの転換援助額は5800万€(約80億円)にのぼる。これは、08年の2.5倍、07年の5倍に相当する。5年間の転換過程で各生産者が受け取る転換援助は、年・ヘクタールあたり200€(約2万8000円)となる。

 Le plan pour le développement de l'agriculture biologique lancé par Michel Barnier porte ses fruits,Ministère de l’agriculture et de la pêche,6.12
 http://agriculture.gouv.fr/sections/presse/communiques/plan-pour-developpement

2009年6月6日土曜日

在来種「さわのはな」のふるさと
山形県新庄「田んぼの草取りツアー」2009

新庄の田んぼ ネットワーク農縁は、約15年の間有機農業運動をすすめてきました。
水田トラストや大豆畑トラストだけでなく、新庄でも独自プロジェクトをやっています。
 その基準は、「その土地とそこで生育する植物や動物、生産者にとって持続可能なものであるかどうか」ということでした。そして「おコメや大豆、味噌や醤油などの先にあるもの」、「食物の歴史や文化」を大切にしてきました。
除草効果のある米ぬか散布 毎年行われる現地ツアーは、そうした歴史や文化を、会員さん自身の五感すべてを開いて、ひとつの「物」の背後にあるものを存分に「感じて」ほしいという願いをもって行われてきました。

 最近、有機農業が見直される事によって、東京周辺でも農に関わる体験の機会が増えました。
 しかし、新庄の農縁のおコメ、水田トラストのおコメは新庄の歴史や文化を体現したものです。遠くて、費用もかかりますが共に汗を流し、共に食する時間をご一緒いたしましょう。

◆新庄市(山形県)ってどんなとこ?

最上川が流れ、神室山系に囲まれた自然豊かなまち。
この地には、無農薬・無化学肥料で米・大豆作りに取り組むネットワーク農縁のお百姓さん達がいます。
首都圏の消費者と支え合いながら、水田トラスト・大豆畑トラストにも取り組んでいます。


■開催概要
日 時 :
2009年6月27日(土)~28日(日)
集合時間 :
6月27日午前8時50分集合 つばさ 9時24分発
集合場所 :
東京駅東北新幹線乗り場 つばさ109号(新庄行き)17車号車前
乗車券 :
東京~新庄 往復18,000円(※土日きっぷ) 各自買ってください。
※通常価格は往復24,160円ですので、「土日きっぷ」がお得です。
※土日きっぷは、前日まで発売しています。座席指定もできます。
参加費 :
5,000円(27日夕食、宿泊、28日朝食、昼食代含む)
※〆切り日:準備等がありますので6月21日までにお申し込みください。定員15名に達し次第〆切りです。

■スケジュール

6/27(土) 

昼食 車中で各自すませます。
新庄着 12時39分着 農家の車が迎えにきます。
着替えて草取りに入ります(作業衣、帽子、タオルなどご用意ください)
夕方 温泉で疲れを取り、夕食を共にした後、宿泊先の青年センターに移って 交流会を行います。

6/28(日)

朝食のあと 午前中 草取りをしたい方はそのまま残って草取り。
もっと新庄の歴史などを知りたい方は、

1) 新庄ふるさと歴史センターをたっぷり見学
2) 新庄城、バイオマスセンター、土舞台とかの風景を楽しむ
3) 最上川くだり
4) その他 お百姓さんに聞く

解散



■お申し込み方法 

下記の参加申し込みフォームにご記入いただき、E-mailまたは電話、FAX で水田トラスト事務局までお申し込みください。
E-mail: abetrust@sirius.ocn.ne.jp
FAX:04-7098-0350
E-mailの場合、件名に
【新庄草取りツアー2009参加申し込み】
とご記入ください。
お申し込みを確認次第、ご連絡させていただきます。

---------------記入事項----------------

【新庄草取りツアー2009参加申し込み】

○お名前(ふりがな):
○所属(学校、職場等):
○住所:〒
○緊急連絡先(ご家族の連絡先):
○電話番号:
○携帯電話番号:
○E-mail(PC/携帯):      /
○参加の動機、ツアーで知りたいことなど:

--------------------------------------

■個人情報について

ご提供いただいた個人情報は、当ツアーおよびその後のネットワーク農縁のイベントに関する案内・手配・連絡等に使用します。それ以外の無断転用はいたしません。
取扱いに関して疑問・質問などございましたらネットワーク農縁/水田トラスト事務局にお問い合わせください。

■ お問い合わせ

水田トラスト/ネットワーク農縁 事務局


2009年5月10日日曜日

米国に自然食品ブーム

田中正治


ジャンクフードの元祖アメリカで自然食品ブームが起こっているようですね。
昨年アメリカに留学していた友人からはなしには聞いていたのですが・・・。でっかいスーパーマーケット丸ごと有機食品というような店が随分増えているとのこと。
最も、ロハス志向の多い人たちの居住地域に多いようです。

まあ、朝昼晩とハンバーグを食べさせようとしているジャンクフード業界のコマーシャルによって超メタボ人間があふれている社会に対する細胞の反逆なのでしょうね・・・きっと。

日経エコノミーのホームページにレポートが出ていますが、アメリカらしく冷凍食品のオーガニックも結構ありそうですが・・・・。

「オーガニック食品の売上高は毎年約20%と、食品部門で最も成長している分野となり、 2008年の調査によると、「オーガニック食品を少なくともたまには購入する」米国人は69%を占めるという。」んですって。

>米国の自然食品ブームは本物か(日経エコノミー 09/05/01)


インフルエンザA型:農工業のインフルエンザ!―問われる農工業モデル―

インフルエンザに関してAttacフランスと農民連盟が出した声明(翻訳:Attac Japan星野さん)が出されています。問題の本質を突いた声明だと思います。(田中正治)
(以下、Attacフランス、農民連盟より転載)

原文:http://www.france.attac.org/spip.php?article9914



インフルエンザA型:農工業のインフルエンザ!
2009年5月6日
Attacフランス、農民連盟

問われる農工業モデル

インフルエンザA(H1N1)型という名称によって着手される取組みは、過熱する報道の中で、このウイルスの出現と拡大の真の原因を覆い隠すおそれがある。それにもかかわらず、しだいに多くのNGO、研究者、北米のジャーナリスト、そしてメキシコの住民の証言が、多国籍企業によって主導され、新自由主義的グローバリゼーションによってもたらされた農工業モデルを問題にしつつある。

ウイルスの正確な起源に関する確証はないが、ヒト型、鳥型、豚型の混合とされている。しかし、あらゆることから、ウイルスの伝播は農工業と深く結びついていると考えられる。何年も前から多くの科学者が、畜産の工業化や非常に集約的な畜産によってウイルスの伝播や再結合が助長されることを警告してきた[1]

重大な手がかりとして、豚肉の生産・加工で世界最大規模の多国籍企業、スミスフィールド・フーズ社が挙げられている。同社はメキシコのラ・グロリアという町にグランハス・キャロルという子会社を持っている。数カ月前から、住民は呼吸器官の病気や変死が発生していることを訴えてきたが、これらはすぐに、この多国籍企業の凄まじい衛生状態(たとえば、屋外に放置された豚の腐った死骸)と関連づけられた[2]。まさにこの地で、国内初の豚インフルエンザの事例が確認されたのだった。

メキシコ当局は明らかに問題をもみ消そうとした。それにもかかわらず、スミスフィールド・フーズ社はすでに、公衆衛生を危険にさらすその畜産慣行の犠牲者である住民によって告発されている。しかし、農産物加工に携わる他の多国籍企業の場合と同様に、当局の無能力や放任のおかげで、自由な投資の法則が幅を利かせることになったのである。

もうひとつの潜在的な発生地は、ノースカロライナ州で米国人研究者らによって特定される可能性がある。同州は、養豚業の集約化と工業化が国内で最も進んでいるからである[3]。また他の発生地が特定される可能性もある。

重要なのは、少数の多国籍企業の畜産の過度な工業化が公衆衛生にもたらす大きな危険を注視することである。このような工業化は、非常に多くの研究者や機関の警告にもかかわらずおこなわれてきた。この40年間で、米国の1畜産農場あたりの豚の平均数は50頭から1,000頭に増加した。スミスフィールド・フーズ社の畜産では、巨大な飼育場にそれぞれ数万ないし数十万頭の豚が集約的に閉じ込められる。そこは糞便の池と化しており、汚染をもたらす大量の排泄物と、耐性を高める抗生物質にまみれているのだ。農民や家族による牧畜とはまったくかけ離れているのである。

根本的な原因:自由貿易と多国籍企業による独占支配今回のインフルエンザが最初にメキシコと北米で特定されたことは、明らかに偶然ではない。1994年に米国、カナダ、メキシコの間で締結されたNAFTA(北米自由貿易協定)によって自由貿易圏が創設され、特に予防原則を無視して自由市場が定着したのである。保護される可能性を失ったメキシコの農業は、超低価格の大量の農作物によって壊滅させられたのだ。米国の農産物加工の多国籍企業は、米国で課される規制を逃れるためにメキシコに大量に投資し、大挙して根を下ろすことができた。

さらに、メキシコは1980年代以降、IMFと世界銀行の構造調整計画に従っていることも忘れてはならない。これらの計画は、とりわけ国内向けの食糧生産や家族農業を犠牲にして、農業を輸出志向にしむけるものである。その条件は、環境・社会・公衆衛生に関する規制のない、工業化され、汚染を引き起こすような農業へと向かう偏流をもたらすものであった。

また、このインフルエンザの拡大によって、防止システム、とりわけ世界保健機関のシステム、および北米の公衆衛生システムがうまく機能しないことも明らかになった。これらのシステムは民営化され、財源が乏しく、適切に調整された迅速な対応が取れないのである。さらに、南の国々は、ロッシュ社のタミフルと同様に不可欠な抗ウイルス剤をジェネリック薬品として公然と生産しようとしたが、製薬業界は、この動きを阻止するためにあらゆる手を尽くした[4]

鳥インフルエンザの場合と同様に、根本的な原因は自由貿易と多国籍企業による独占支配にある。緊急に、ウイルスの起源、特に北米における畜産の工業化と公衆衛生システムの破綻がもたらす影響について独自に評価をおこなう必要がある。これは容易なことではないだろう。鳥インフルエンザの場合と同様に、養豚業界は、あらゆる手段を使って調査を妨げる可能性が高いからである。

より長期的には、農工業モデルおよびそれをもたらした自由貿易協定と市場の自由化を再び問題にしなければならない。世界貿易は、食糧主権そして各人が自らの農業を特に多国籍企業から守る権利において、連帯的かつ協調的なものとならなければならない[5]。さもなければ、公衆衛生に関わるさらに甚大な惨事を覚悟しなければならない。

Attacフランス
農民連盟

2009年5月6日

原注

[1]NGO「Grain」のウェブサイトを参照(http://www.grain.org/article/?id=50);Bernice Wuethrich、「気まぐれな豚インフルエンザの追跡」、『サイエンス』誌、2003年第299巻;「専門家パネルは工業的畜産が公衆衛生に及ぼす深刻な脅威を強調」も参照。これは、2008年11月に議会においてなされた、集約的養豚がもたらす衛生上の大きな危険に関する専門家パネルの警鐘に言及している(http://www.pewtrust.org/news_room)。

[2]特にメキシコの日刊紙『ラ・ホルナダ』による。この地域では鶏の集約的・工業的な畜産も多数おこなわれており、最近、鳥インフルエンザが猛威をふるった。ウイルスの再結合の発生源という可能性もある。

[3]「米国動物愛護協会」の公衆衛生・畜産局長Michael Gregerの論文(http://sheepdrove.wordpress.com/200)。同様に、2004年の「フランス獣医学会会報」には次のように述べられている。「2000年代初頭から、フランスにおける豚のインフルエンザは、第一に、豚の密度がもっとも高いブルターニュ地方の畜産と関係している。これは同地域の畜産に大きな経済的影響を与えている。このインフルエンザの活動は、鳥起源(A/H1N1)または遺伝子再集合体(A/H1N2)のA/H型ウイルスの仕業である。インフルエンザウイルスは不安定なため、疫学的監視を有効におこなうためには検出手段を定期的に調整する必要がある。」

[4]http://www.guardian.co.uk/comments

[5]このテーマに関して、Attacヨーロッパ/ビア・カンペシーナ・ヨーロッパ共編『食糧主権:欧州は何をしているか?』(Paris, Syllepse,2009)が近刊予定である。


2009年5月3日日曜日

OIE 現在広がる豚インフルエンザの”北米インフルエンザ”への改名を提案

農業情報研究所(WAPIC)
09.4.29


 国際獣疫事務局(OIE)が28日、メキシコと米国に発して現在世界中に広がりつつあるインフルエンザを”豚インフルエンザ”と呼ぶのは不正確とし、”北米インフルエンザ”と呼ぶべきと提案した。



 OIE position on safety of international trade of pigs and products of pig origin(OIE Press Release),09.4.28
  http://www.oie.int/eng/press/en_090428.htm


 貿易最優先のOIEらしく、豚インフルエンザの呼び名が豚と豚由来製品の貿易に悪影響を及ぼすことを恐れたのが何よりの動機だが、現在広がっているウィルスは、人間・鳥・豚起源の遺伝的コンポーネントを含むもので注1)、”豚インフルエンザ”と呼ぶのは不正確、過去に起きたアジアのインフルエンザ、スペインのインフルエンザの発生のときに使用されたのと同様な命名法にならい、”北米インフルエンザ”と呼ぶことを提案する。


 そして、現在までに利用できる情報では、現在米国とメキシコで起きているインフルエンザの発生に先立つ豚インフルエンザの発生はなかった。人間の感染者が発見された地域内で感染動物が確認されていないのだから注2)、豚や豚製品の国際貿易措置を導入する必要はないし注3)、豚肉製品の消費者に感染リスクがあると考えることもないという。  




 人間と豚と鳥のインフルエンザウィルスを世界のすべての場所から寄せ集めた複雑怪奇な新型ウィルス、巨大養豚・養鶏工場が集積する北米でなければこのようなウィルスは誕生しなかったかもしれない。その意味では、確かに北米インフルエンザの名がふさわしい。(タイは既にメキシコインフルエンザと呼んでいるそうである)


 Swine flu: Is intensive farming to blame?,Guardian,4.28
 http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/apr/28/swine-flu-intensive-farming-caroline-lucas


  ただし、それが豚の監視の軽視につながるようなことがあってはならない。豚への感染は、鳥インフルエンザが人間から人間に移る型、つまり新型インフルエンザに変身するための最も有力な経路をなす。現に、神戸大学感染症センターは、インドネシアの4州で調査した402頭の豚のなかの1割を超える52頭の豚からH5N1鳥インフルエンザウィルスを検出した。52頭の豚から検出されたH5N1ウイルスを詳しく調べると、人への感染力を一部獲得したタイプが1株見つかったという。


 インドネシア豚から鳥インフル、体内で変化「新型」の恐れ YOMIURI ONLINE  4.29
  
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090429-OYT1T00073.htm


   強毒で知られるH5N1鳥インフルエンザの新型インフルエンザへの変身も近いのかもしれない。豚の監視は一層強める必要がある。 


 注1)このウィルスは、1998年に初めて同定された人間・豚・鳥インフルエンザウィルスを寄せ集めた既存のウィルスがユーラシアからの新たな二つのH3N2豚ウィルス遺伝子―それら自体は最近の人間起源―と結合した豚H1N1株という。


 Swine flu outbreak sweeps the globe,Nature News,4.27

 http://www.nature.com/news/2009/090427/full/news.2009.408.html


 注2)3000村民の6割が感染、2月以来死者も出ているメキシコ南東部・ベラクルス州ラグロリア村村民がこのインフルエンザの発生源ではないかと疑う養豚工場を関連会社に持つ世界最大の養豚・豚肉加工企業・スミスフィールドは、メキシコのジョイントベンチャーの豚や労働者に豚インフルエンザの症候は見られなかったと発表している。


 Smithfield Foods Says It Found No Evidence of Swine Influenza at Its Mexican
Joint Ventures,09.4.26
 http://investors.smithfieldfoods.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=379761

 なお当該村民に関する情報は、
 Four-year-old could hold key in search for source of swine flu
outbreak,Guardian,4.28
 http://www.guardian.co.uk/world/2009/apr/27/swine-flu-search-outbreak-source

 Mexico outbreak traced to 'manure lagoons' at pig farm,Times,4.28

 
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article6182789.ece


 注3)中国、ロシア、ウクライナは、メキシコ、米国の一部からの豚肉輸入を禁止した。



2009年4月23日木曜日

ドイツ モンサントのGMトウモロコシ・MON810の栽培を禁止 蝶やテントウムシに悪影響


農業情報研究所(WAPIC)

09.3.15


  4月14日、オーストリア、フランス、ギリシャ、ルクセンブルグに続き、ドイツがモンサント社の遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ・MON810の栽培を禁止した。MON810はEUで商業栽培が許された唯一のGM作物で、ドイツでは2008年に4000㌶で栽培され、2009年については3700㌶での栽培が許可されている。


 禁止の理由については、農相が環境への悪影響と説明している。特に、3月末にルクセンブルグを同様な決定に導いた二つの新たな研究で示された蝶やテントウムシなど標的害虫以外の生物への影響を挙げたという。



 A son tour, l'Allemagne
suspend le maïs transgénique de Monsanto
,Le Monde,4.14

 http://www.lemonde.fr/planete/article/2009/04/14/a-son-tour-l-allemagne-suspend-le-mais-transgenique-de-monsanto_1180614_3244.html#ens_id=1176302

  Germany bans GM maize,Nature News,4.14

 
http://www.nature.com/news/2009/090414/full/news.2009.364.html


 'There Was No Reason to Accept The Risks of GM Corn',Spiegel
International,4.15
 http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,619166,00.html


 Germany Bans Cultivation of GM Corn,Spiegel
Internatinal,4.14
 http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,618913,00.html


 Germany to ban cultivation of GMO maize: Minister,Reuters,4.14
 http://www.reuters.com/article/scienceNews/idUSTRE53D2CV20090414?sp=true



2009年4月22日水曜日

農水省 漸く蜜蜂不足の調査へ 蜜蜂保護の視点が欠如


農業情報研究所(WAPIC)

09.4.4


 4月3日の閣議後記者会見で、「ミツバチの不足の問題をどういうふうに認識されていて、また、今後どういう対応、作業等をしているのか」と問われた石破農林水産大臣が、「日本全国どういう状況にあるか、各都道府県において、どこがどういう状況なのかということを、正確に、詳細に把握をしたいということで、早急にその状況を取りまとめるように、という指示を出したところであります」と答えた。


 http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/090403.html


 欧米でも日本でも、大量死や巣ごとの失踪(蜂群崩壊症候群=CCD)などによる固体群激減という蜜蜂異変が報じられるようになって久しい。無反応だった農水省も、生産者の訴えで漸く動き出さざるをえなくなったようだ。ただ、大臣の関心は、専ら、蜜蜂不足に苦しむ生産者のための蜜蜂調達策にあるようだ。蜜蜂の保護策については、まったく話がない。これでは、食料どころか、蜜蜂までも輸入頼みということになりかねない。


 大臣もいうとおり、「何でこんなことになったのだということは、いろいろ、低栄養であるとか、ストレスがあるとか、農薬とか、寄生虫とか、その他の病気とか、いろいろあるわけで、まだ原因特定には至っていない」。だからといって、蜜蜂保護策は後回しでいい、あるいはそうするほかないということにはならないはずだ。


 少なくとも、一部の大量死に、抵抗性発達や安全性問題から使用が制限されるようになった有機りん系やカーバメート系殺虫剤に代わって使用が近年増えているネオニコチノイド系殺虫剤が関係していることは、ほぼ確かである。ドイツでも、日本でも、大量死した蜜蜂から、その有効成分であるクロチアジニンが検出されている。このような殺虫剤の使用制限は、直ちに実行可能な蜜蜂保護策になるだろう。


 低栄養やストレスの原因と考えられる農業方法そのもの(モノカルチャー化、ハウス栽培)についても、疑いがある以上、改善の方向を探るべきだろう。CCDについては、日本では報告がないようだが、状況の把握もこれからというのでは、恐らく漏れているだけだろう。CCDに関しては、携帯基地局が発する電磁波で蜂が帰巣できなくなったというLandau
University(ドイツの) の Jochen Kuhn博士の研究もある。


 Are mobile phones wiping out our bees?,The Independent,07.4.15

 http://www.independent.co.uk/environment/nature/are-mobile-phones-wiping-out-our-bees-444768.html


  英国環境食料農村省(Defra)とウエールズ行政庁は先月はじめ、イングランドとウエールズの蜜蜂の健康を保護し、改善する「ヘルシー・ビーズ(Healthy
Bees)」10ヵ年計画を発表した。


 DefraのNews Releaseは次のように言う。


 Jane Kennedy launches plan to halt declining bee numbers,Defra,3.9

 http://www.defra.gov.uk/news/2009/090309a.htm


 計画は養蜂団体と協議して策定されたもので、有効な生物安全保障措置を確保する養蜂家の支援によって蜜蜂個体群(数)を維持することを目指す。.計画の第一段階では、蜂の健康問題についてナショナル・ビー・ユニット(NBU)に知らせる必要性があると啓発し、蜜蜂データベース(BeeBase,)への登録を促すために、恐らくは2万人にのぼるアマチュア養蜂家を確認し、彼らとの接触を試みる。これは、新たな、あるいは既存のあらゆる健康問題の確認に役立つ。


 過去2年、蜜蜂の数は10〜15%の減少を記録した。NBUと接触のない多くの養蜂家がいるから、実際にはもっと大きく減少している可能性がある。それが多種の病気や環境の脅威に曝されており、これらの脅威のあるものは、過去5年から10年の間に大きく増加した。


 計画は、養蜂家個人、養蜂家団体、その他の関係者が共同、次の5つの主要な目標の達成を目指す。


 1.害虫、病気、その他の危害を可能なかぎり低レベルに抑えること。


 2.害虫と病気のリスクを最小限にし・蜜蜂集団の維持に貢献する適正養蜂基準の促進―予防は治療に勝る。


 3.害虫、病気、望ましからざる種からのリスクを最小限にする有効な生物安全保障の奨励。


 4.健全な科学が蜂の保健政策とその実施を支えるように保証すること。


 5.蜂の健康に関してすべての人が協力すること。


 
日本の石破農林水産大臣は、「原因は特定をしなければいけないということがある。それは、今日、明日にすぐできるわけではございません」と言うが、原因は特定できなくても、「予防原則」に基づいてなすべき措置はいくらでもあるはずだ。もしそれができないというなら、生産者保護の観点ばかりが優先され、蜜蜂保護の観点がないがしろにされているからではないか。それは、結局は生産者をさらに苦しめることになるだろう。なにもかも英国に倣う必要はない。しかし、蜜蜂保護を重視する姿勢だけは、しっかりと学ぶ必要がある。