米国政府は20日、オバマ大統領の覚書を発表し、ミツバチなど花粉媒介生物(ポリネーター)の健康に関する特別委員会(Pollinator Health Task Force)を立ち上げ、180日以内に全米レベルの花粉媒介生物に関する戦略を策定するとしている。この中には、ネオニコチノイドの評価と、実行可能な花粉媒介生物の生息地確保の計画を立てるとしている。
2013年11月に掲載を撤回されたセラリーニ博士(フランス・カーン大学)らの論文が24日、別の専門誌Environmental Sciences Europe によって再掲載された。再掲載された論文は全文が公開されている。
この論文は、モンサントの除草剤ラウンドアップ耐性遺伝子組み換えコーン(NK603)を長期にわたって与えられたラットが、早い時期に死亡したり腫瘍が多発し、腫瘍も外から見てわかるような大きなものであったというもので、初の長期給餌試験であった。それまでモンサントなどのGM企業は、特許権を理由として、中立的な試験にまで餌となるGM作物の提供を拒んできた。セラリーニ博士らの研究は、こうしたGM企業の“妨害”に対して秘密裏に行われたもので、2012年9月、Food and Chemical
Toxicology誌に掲載された。
今回、Environmental Sciences Europe 誌が再掲載に至った経緯は明らかになっていない。しかし、GM企業や推進派、各国政府の規制機関の否定にもかかわらず、セラリーニ論文が十分な論拠と内容を持っていた、ということだろう。
・論文:Environmental Sciences Europe, 2014年6月
Republished study: long-term toxicity of a Roundup
herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize http://www.enveurope.com/content/26/1/14
遺伝子組み換え作物の健康影響評価は、通常は90日の急性試験で済まされている。フランスのカン大学の研究者らのグループは、モンサントのラウンドアッ
プ耐性GMコーン(NK603)とラウンドアップについて、ラットに対する2年間の長期給餌試験をおこない、その結果を9月19日に公表した。研究結果は
『Food and Chemical Toxicology』誌に掲載された。
試験は、GMコーンを含むエサをを与えるグループ、通常のエサとラウンドアップを加えた水を与えるグループ、GMコーンとラウンドアップを加えた水を与えるグループについて行われた。各グループ、オス、メスが10匹づつの合計200匹で行われた。
その結果、対照群に比べて試験群では、早い時期に死亡したり、腫瘍が多発した。腫瘍も外から見てわかるような大きなものであった。
2010年1月に米国の農家や消費者団体などの地域ネットワーク Western Organization of Resource Councils が公表したレポートでは、米国でGM小麦が商業化された場合、EUや日本が輸入禁止にするとともに、40%以上の価格低下を招くとの分析している。昨年5月に米国で発覚したモンサントのGM小麦の自生問題では、日本や韓国は一時的に輸入禁止に踏み切っている。09年に引き続いて米加豪3各国が連合してGM小麦商業化を再確認した背景には、輸入禁止できない状況を作り出し、価格低下の防止といった生産者側の対応も見て取れるだろう。