2014年4月20日日曜日
2014年4月12日土曜日
2014年4月8日火曜日
「置賜自給圏構想を考える会」設立趣意書(案)
【転載】
地域資源を基礎にした「置賜自給圏構想を考える会」設立趣意書(案)
1.置賜自給圏構想を考える背景と趣旨について
地域の活力低下が叫ばれて久しい。どの自治体も、地域活性化、振興に向けて様々な取り組みを行ってきた。しかし、根本的な解決には至らず、その状況はむしろ厳しさを増している。背景には、国境を越えた企業の利益追求と資源強奪型の経済活動、そして富の一極集中を後押しするグローバルな国際金融システムがあり、結果として国内の中小零細企業、家族農業、地域経済は先細りの一途をたどっている。
このような現状を打開するために、ここ、置賜を一つの地域ととらえた「自給圏」(注1)をつくることを提案する。これは、圏外への依存度を減らし、圏内にある豊富な地域資源を利用、代替していくことによって、地域に産業を興し、雇用を生み、一方的な富の流出を防ぎ、地域経済を好転・持続させようとする、いわゆる「地域循環型社会」構築のための取り組みである。
2.自給圏構想の柱 -エネルギーと食の地産地消を進める-
(1)地産地消に基づく地域自給と圏内流通の推進
① エネルギーについては、国の固定価格買い取り制度(FIT)の後押しもあり、再生可能エネルギーの導入が全国的に進められている。ここ、山形県でも、豊富な水、豊かな森林資源を活かした取り組みが進行中であるが、置賜地域においても、自然資源の有効活用という観点から再生可能エネルギーの地産地消をさらに加速化させる。
② 食については、地域で生産された農畜産物をできるだけ地域で消費する取り組みを通じて、生産者と消費者の距離を縮め、顔の見える関係、すなわち、住民の台所、幼児・学校給食、医療施設、旅館業、飲食業、加工食品業界など圏内消費(者)層と農業団体など圏内生産団体とを有機的につなぐシステムを構築する。これにより圏内農業者の安定経営と、農畜産物の安定供給を確保し、もって住民の食の安全を守る。
③ 流通については、地元スーパー等に圏内生産物の取り扱いを積極的に働きかけ、地元産の占有率を高めることを目標とする。そのためには、まず、学校、幼稚園、病院、農協、生協、商工業者、飲食業組合、旅館業組合、市民団体、NPO、官公庁などが率先して地元産生産物を利用することが肝要で、そのための働きかけを積極的に行っていく。
(2)自然と共生する安全、安心の農と食の構築
一般的に農業問題を語るとき、規模やコスト、つまり効率の問題として議論されることが多く、そこには社会資本としての農村、つまり自然環境や文化伝統、人材育成といった視点が欠如している。地域社会における農業の役割は、単なる食料生産にとどまらず、水源の涵養、景観の保持など、多様な役割を担っている。農業があるからこそ農村が存続する。これら農村の役割は、効率性や経済性では決して図ることのできない外部経済効果である。
また、高畠町のある置賜は全国に先駆けて取り組んできた有機農業(注2)の先進地である。有機農業は、いのちの源である土と共生する農業であり、人にも環境にも負荷が少ない、持続可能な循環型農業である。この取り組みにより、安全、安心の置賜の食を実現する。
(3)教育の場での実践
① 米沢市に平成26年度から山形県立米沢栄養大学が開校し(注3)、圏内には地域の人材を輩出してきた置賜農業高校などの高い教育力をもつ学校が数多くある。県・市町村の施策と教育現場の力を連携する仕組みをつくる。
② 学校田、畑、地域の農地を活用し、幼児より高校生まで、土に親しみ、作物をつくり、調理を学ぶ教育の場として実践するとともに、人が生き、自立し、暮らしていく基礎としてこれらを学ぶ。
(4)医療費削減の世界モデルへの挑戦
農家以外の人でも、土や農に関わることができる道を拓き、生きがいづくり、健康づくり、食への理解促進につなげ、健康長寿による医療費削減の世界モデルを構築する。
3.自給圏が生み出す宝
(1)経済力
・地場ものの生産・加工・流通、再生エネルギーの地域での創出などを通し、地域資源が圏内で循環するとともに、新しい雇用を生み出す。
・地域内消費を主力としつつも、その余力は「自給圏ブランド」として圏外にも供給し交流を図り、付加価値を還流させる。
(2)健康力
健康な土から生まれる栄養豊かで安心な食べ物を摂取することにより、圏内住民の健康を守ると同時に、農的暮らしの実践による健康長寿を実現する。
(3)教育力
農業体験を通じて子どもたちの「生きる力」や感受性を育む。
(4)福祉力
小規模農家や高齢農家が農業を続け、生活を維持することで、村(コミュニティ)が再生でき、コミュニティの助け合いが維持、強化される。そのことを通して地域の持つ福祉力が向上する。
(5)地域財政力
上記の地域経済の創出により市町の税増収が図られるとともに、健全な食や生きがいづくりなどによる住民の健康や福祉の向上を通して、医療・福祉・介護などに対する支出が抑制され、財政健全化に貢献する。
(6)地域の魅力
自らの地域に自信と誇りを持つことによって地域の魅力は飛躍的に向上する。魅力
ある地域には訪れる人も増えることから、交流人口の増加が図られる。
江戸時代屈指の名君として知られる米沢藩第9代藩主上杉鷹山は、産業振興、特に農業の発展に尽力し、破綻寸前の藩の財政を再建させた。時代は変わり、第一次産業が経済の中心とはもはや言えない現代社会ではあるが、食こそが人間活動の源であり、最も大切な営みであることは、どのような時代でも変わらない。今こそ鷹山公の精神に学び、農業を通して地域再生の在り方を真剣に考えるときである。
規制緩和と自由競争のもとで地域が生き残るためには、住民が主体的にこの地域を考え、行動するところから始まる。一人一人が地域資源に目を向け、その重要性と価値を認識し、付加価値を生み出すための行動をとることで、多様性に満ちた地域の食をはじめとする文化を再認識、継承するとともに、地域を基礎とした新しい人間社会のモデルを築き、広く世界、未来に示していきたい。このことで人々は、置賜が真の「東洋のアルカディア」として地域に誇りと愛着を持つことになることを信じたい。
ここに「置賜地域自給圏を考える会」への参加を呼びかけ、ともに、置賜の地域資源(土、水、山)の上に人と資源と経済が循環する仕組みをつくることを提案する。
(注1)自給という観点でみれば、江戸時代の藩は生活と経済の単位として意味がある。多様な藩(地域)が集まって日本を形成しているが、この地域の多様性、独自性こそ、豊かな未来を築く上での重要な資源であり可能性でもある。
(注2)山形県では、「山形県有機農業推進計画」を策定し、有機農業に取り組む農家数:450戸、栽培面積:800ヘクタール(平成28年度)を目標に、生産者への支援強化に取り組んでいる。
(注3)米沢市の山形県立米沢女子短期大学は、平成26年度から四年生の山形県立米沢栄養大学に改組され、健康栄養学部健康栄養学科が設けられる。
地域資源を基礎にした「置賜自給圏構想を考える会」設立趣意書(案)
1.置賜自給圏構想を考える背景と趣旨について
地域の活力低下が叫ばれて久しい。どの自治体も、地域活性化、振興に向けて様々な取り組みを行ってきた。しかし、根本的な解決には至らず、その状況はむしろ厳しさを増している。背景には、国境を越えた企業の利益追求と資源強奪型の経済活動、そして富の一極集中を後押しするグローバルな国際金融システムがあり、結果として国内の中小零細企業、家族農業、地域経済は先細りの一途をたどっている。
このような現状を打開するために、ここ、置賜を一つの地域ととらえた「自給圏」(注1)をつくることを提案する。これは、圏外への依存度を減らし、圏内にある豊富な地域資源を利用、代替していくことによって、地域に産業を興し、雇用を生み、一方的な富の流出を防ぎ、地域経済を好転・持続させようとする、いわゆる「地域循環型社会」構築のための取り組みである。
2.自給圏構想の柱 -エネルギーと食の地産地消を進める-
(1)地産地消に基づく地域自給と圏内流通の推進
① エネルギーについては、国の固定価格買い取り制度(FIT)の後押しもあり、再生可能エネルギーの導入が全国的に進められている。ここ、山形県でも、豊富な水、豊かな森林資源を活かした取り組みが進行中であるが、置賜地域においても、自然資源の有効活用という観点から再生可能エネルギーの地産地消をさらに加速化させる。
② 食については、地域で生産された農畜産物をできるだけ地域で消費する取り組みを通じて、生産者と消費者の距離を縮め、顔の見える関係、すなわち、住民の台所、幼児・学校給食、医療施設、旅館業、飲食業、加工食品業界など圏内消費(者)層と農業団体など圏内生産団体とを有機的につなぐシステムを構築する。これにより圏内農業者の安定経営と、農畜産物の安定供給を確保し、もって住民の食の安全を守る。
③ 流通については、地元スーパー等に圏内生産物の取り扱いを積極的に働きかけ、地元産の占有率を高めることを目標とする。そのためには、まず、学校、幼稚園、病院、農協、生協、商工業者、飲食業組合、旅館業組合、市民団体、NPO、官公庁などが率先して地元産生産物を利用することが肝要で、そのための働きかけを積極的に行っていく。
(2)自然と共生する安全、安心の農と食の構築
一般的に農業問題を語るとき、規模やコスト、つまり効率の問題として議論されることが多く、そこには社会資本としての農村、つまり自然環境や文化伝統、人材育成といった視点が欠如している。地域社会における農業の役割は、単なる食料生産にとどまらず、水源の涵養、景観の保持など、多様な役割を担っている。農業があるからこそ農村が存続する。これら農村の役割は、効率性や経済性では決して図ることのできない外部経済効果である。
また、高畠町のある置賜は全国に先駆けて取り組んできた有機農業(注2)の先進地である。有機農業は、いのちの源である土と共生する農業であり、人にも環境にも負荷が少ない、持続可能な循環型農業である。この取り組みにより、安全、安心の置賜の食を実現する。
(3)教育の場での実践
① 米沢市に平成26年度から山形県立米沢栄養大学が開校し(注3)、圏内には地域の人材を輩出してきた置賜農業高校などの高い教育力をもつ学校が数多くある。県・市町村の施策と教育現場の力を連携する仕組みをつくる。
② 学校田、畑、地域の農地を活用し、幼児より高校生まで、土に親しみ、作物をつくり、調理を学ぶ教育の場として実践するとともに、人が生き、自立し、暮らしていく基礎としてこれらを学ぶ。
(4)医療費削減の世界モデルへの挑戦
農家以外の人でも、土や農に関わることができる道を拓き、生きがいづくり、健康づくり、食への理解促進につなげ、健康長寿による医療費削減の世界モデルを構築する。
3.自給圏が生み出す宝
(1)経済力
・地場ものの生産・加工・流通、再生エネルギーの地域での創出などを通し、地域資源が圏内で循環するとともに、新しい雇用を生み出す。
・地域内消費を主力としつつも、その余力は「自給圏ブランド」として圏外にも供給し交流を図り、付加価値を還流させる。
(2)健康力
健康な土から生まれる栄養豊かで安心な食べ物を摂取することにより、圏内住民の健康を守ると同時に、農的暮らしの実践による健康長寿を実現する。
(3)教育力
農業体験を通じて子どもたちの「生きる力」や感受性を育む。
(4)福祉力
小規模農家や高齢農家が農業を続け、生活を維持することで、村(コミュニティ)が再生でき、コミュニティの助け合いが維持、強化される。そのことを通して地域の持つ福祉力が向上する。
(5)地域財政力
上記の地域経済の創出により市町の税増収が図られるとともに、健全な食や生きがいづくりなどによる住民の健康や福祉の向上を通して、医療・福祉・介護などに対する支出が抑制され、財政健全化に貢献する。
(6)地域の魅力
自らの地域に自信と誇りを持つことによって地域の魅力は飛躍的に向上する。魅力
ある地域には訪れる人も増えることから、交流人口の増加が図られる。
江戸時代屈指の名君として知られる米沢藩第9代藩主上杉鷹山は、産業振興、特に農業の発展に尽力し、破綻寸前の藩の財政を再建させた。時代は変わり、第一次産業が経済の中心とはもはや言えない現代社会ではあるが、食こそが人間活動の源であり、最も大切な営みであることは、どのような時代でも変わらない。今こそ鷹山公の精神に学び、農業を通して地域再生の在り方を真剣に考えるときである。規制緩和と自由競争のもとで地域が生き残るためには、住民が主体的にこの地域を考え、行動するところから始まる。一人一人が地域資源に目を向け、その重要性と価値を認識し、付加価値を生み出すための行動をとることで、多様性に満ちた地域の食をはじめとする文化を再認識、継承するとともに、地域を基礎とした新しい人間社会のモデルを築き、広く世界、未来に示していきたい。このことで人々は、置賜が真の「東洋のアルカディア」として地域に誇りと愛着を持つことになることを信じたい。
ここに「置賜地域自給圏を考える会」への参加を呼びかけ、ともに、置賜の地域資源(土、水、山)の上に人と資源と経済が循環する仕組みをつくることを提案する。
(注1)自給という観点でみれば、江戸時代の藩は生活と経済の単位として意味がある。多様な藩(地域)が集まって日本を形成しているが、この地域の多様性、独自性こそ、豊かな未来を築く上での重要な資源であり可能性でもある。
(注2)山形県では、「山形県有機農業推進計画」を策定し、有機農業に取り組む農家数:450戸、栽培面積:800ヘクタール(平成28年度)を目標に、生産者への支援強化に取り組んでいる。
(注3)米沢市の山形県立米沢女子短期大学は、平成26年度から四年生の山形県立米沢栄養大学に改組され、健康栄養学部健康栄養学科が設けられる。
2014年3月26日水曜日
2014年3月21日金曜日
【種子】「いのちの種を未来に」野口種苗研究所講演会(動画)
いのちの種を未来に(48分)
2014年1月に行われた野口種苗研究所の野口さんの「いのちの種を未来に」講演会の記録です。
固有種・固定種がいかに味が良く、家庭菜園向きか、がよくわかり ます。
また現在主流のF1種(一代雑種)の主流技術の雄性不稔は、ミト コンドリア
の異常によって、現れる奇形のため、これを食べ続けることのあや うさを
簡潔にお話してくださっています。(ただし野口さんの仮説です)
野口種苗研究所
〒357-0067 埼玉県飯能市小瀬戸192-1
tanet@noguchiseed.com
> TANET/野口のタネ
<http://noguchiseed.com> ホームページ担当者/野口 勲
2014年1月に行われた野口種苗研究所の野口さんの「いのちの種を未来に」講演会の記録です。
固有種・固定種がいかに味が良く、家庭菜園向きか、がよくわかり
また現在主流のF1種(一代雑種)の主流技術の雄性不稔は、ミト
の異常によって、現れる奇形のため、これを食べ続けることのあや
簡潔にお話してくださっています。(ただし野口さんの仮説です)
野口種苗研究所
〒357-0067 埼玉県飯能市小瀬戸192-1
<http://noguchiseed.com> ホームページ担当者/野口 勲
【遺伝子組み換え】中国の輸入拒否に 右往左往する米国のGM栽培
【転載】
━ No.618 ━━━━━━━━━━━━━━━
有機農業ニュースクリップ 2014.03.18
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━ No.618 ━━━━━━━━━━━━━━━
有機農業ニュースクリップ 2014.03.18
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
≪ 今日の目次 ≫
■中国の輸入拒否に 右往左往する米国のGM栽培
≪ 遺伝子組み換え ≫
■中国のGM輸入拒否に右往左往する米国のGM栽培
昨年11月以来、中国は未承認GM品種の混入を理由として、89万トンの米国産トウモロコシの輸入を拒否している。これを受けて、栽培間近のシンジェンタの新品種について、米国のトウモロコシ生産者団体の栽培回避勧告や、穀物メジャーの取扱い拒否の動きが起きている。中国のトウモロコシ輸入量は450万トンと、日本の3分の1程度であるが、100万トン近い輸入拒否に、米国は輸出国として看過できない状況に直面し、右往左往している。
シンジェンタは今年、新しい害虫抵抗性のGMトウモロコシ5307系統を“Duracade”という商品名でリリースを予定していた。この新品種は、米国、カナダ、日本などでは承認されているものの、中国やEUではまだ承認されていない。栽培された場合、中国が未承認として拒否したMIR162のような混入と輸入拒否が起きうる可能性がある。
穀物メジャーのカーギルは2月、中国の事態を受けて、この新品種5307系統の受け入れを拒否する声明を発表した。カーギルに続いて多くの穀物メジャーが、5307系統の取扱い拒否を明らかにした。これに対してシンジェンタは、全米3位の穀物メジャーであるガビロン(Gavilon)を受け入れ先として、5307系統のリリースを強行すると発表した。
この事態に全米穀物飼料協会(NGFA)と北米輸出穀物協会(NAEGA)はすぐさま、シンジェンタにリリースの中止を求めるとともに、農家に対して、リリースに備え注意するようにという共同声明を公表している。
・Reuters, 2014-2-14
Cargill to reject for export crops with new GMO
Syngenta corn trait
http://agri.eu/cargill-to-reject-for-export-crops-with-new-gmo-syngenta-corn-trait-news5613.html
・NGFA, 2014-1-22
NGFA, NAEGA Issue Joint Statement Urging Syngenta to
Suspend Commercialization of Agrisure Viptera and
Duracade Biotech Corn
http://www.ngfa.org/2014/01/24/ngfa-naega-issue-joint-statement-urging-syngenta-to-suspend-commercialization-of-agrisure-viptera-and-duracade-biotech-corn/
・Syngenta, 2014-2-20
Syngenta and Gavilon bring advanced seed technology and
grain marketing confidence to corn farmers for 2014
http://www.syngentacropprotection.com/News_releases/news.aspx?id=179900
●輸入諸国の承認が必要なGM作物栽培
輸入国での未承認の品種を栽培することは、中国が示したような「混入」による輸入拒否を招きかねないリスクを負うことでもある。世界的には、FAO(国連食糧農業機関)が3月13日に公表したように、発覚する輸入食品・飼料の遺伝子組み換え作物による“低レベルの汚染”が増加傾向にある。調査に回答した国の約7割が未承認GM作物に対する許容度がゼロだとしている一方で、約半数がGM検出能力がないとも回答している。今後、こうした国がGM検出能力を持ってくれば、未承認品種の混入や、GM品種の混入による輸入拒否が常態化してくる可能性も予想される。
未承認品種の混入による輸入拒否、積み戻しは、日本でも起きている。2005年から2006年にかけて、輸入された米国産トウモロコシの中から、未承認のGMトウモロコシBt10の混入が見つかり、4万2千トンが輸入拒否、積み戻しとなっている。
農水省は2003年、条件付きではあるが輸入飼料への未承認GM品種の混入を1%まで認める省令の改正を行っている。輸入を認める場合の条件は、「我が国と同等又はそれ以上の水準の安全性に関する審査の制度を有すると農林水産大臣が認める外国政府の審査により安全性が確認されている飼料」として、米国で承認されていれば実質的にフリーパスとなるようなものであった。この省令にもかかわらず、米国でも未承認であったBt10は、結局、全量積み戻し処分とされた。
2007年、日本やEUではまだ承認されていなかった、シンジェンタの害虫抵抗性GMトウモロコシMIR604の栽培が米国で強行された。米国の生産者団体や輸出業界からは、Bt10積み戻しの再現を恐れて懸念の声が上がった。この事態に日本の食品安全委員会は2007年8月、収穫を前にしてMIR604は「安全」とする評価を急いでまとめている。
商品作物であるトウモロコシのグローバル化した取引は、年間1億トンを超える規模にまで大きくなっている。米国では、栽培されるトウモロコシの9割がGM品種であり、約4千万トンが輸出され、輸入国の承認が必須条件となっている。1%まで未承認品種の混入容認しながら、GM新品種の承認作業を急ぐ日本政府の姿勢の裏には、こうした事情も大きく影響していると言えるだろう。確認はできないものの、商業栽培が始まる前に全ての関連する承認作業を完了させる、といった日米政府間の合意の存在すら疑わせる。そう思わせるような、ベルトコンベアに乗ったかの作業が続いている。人々の健康よりも“円滑な貿易”が優先されているとしか思えない状況だ。
・農水省, 2003-4-1
飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の一部を
改正する省令等の施行について
http://www.famic.go.jp/ffis/feed/tuti/15_8598.html
【関連記事】
No.615 氷山の一角 増加傾向の低レベルGM汚染
FAO調査
http://organic-newsclip.info/log/2014/14030615-1.html
◆日本における5307系統の承認状況
----------------------------------------
食品安全委員会 食品 2013-1-28
飼料 2013-2-4
厚労省 食品 2013-2-16
農水省 生物多様性 2013-5-23
肥料 2013
----------------------------------------
・食品安全委員会, 2013-1
遺伝子組換え食品等評価書コウチュウ目害虫抵抗性
トウモロコシEvent5307 系統
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20130128sfc&fileId=442
●シンジェンタと組んだガビロンは丸紅子会社
シンジェンタと組んで、新品種5307系統の受け入れを公表した米国穀物メジャーのガビロン社は、大手商社の丸紅が2012年5月に買収した100%出資の子会社。丸紅が子会社化した際の公表資料によれば、ガビロンは全米に140以上の集荷拠点を持ち、保管能力はAMD、カーギルに次ぐ米国第3位の830万トン。丸紅自身の分も加えれば、カーギルを超えて全米第2位となる規模だ。北米以外でも、オーストラリア、ウクライナ、ブラジルなどでも集荷事業を行っているとしている。ここにも多国籍企業化した日本の商社の姿を見ることができる。
・丸紅, 2012-5-30
Gavilon社買収について
http://www.marubeni.co.jp/ir/event/business/data/20120530_Gavilon_doc.pdf#search=%27Gavilon%27
=====================================
有機農業ニュースクリップ
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遺伝子組み換え関連情報:
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=====================================
■中国の輸入拒否に 右往左往する米国のGM栽培
≪ 遺伝子組み換え ≫
■中国のGM輸入拒否に右往左往する米国のGM栽培
昨年11月以来、中国は未承認GM品種の混入を理由として、89万トンの米国産トウモロコシの輸入を拒否している。これを受けて、栽培間近のシンジェンタの新品種について、米国のトウモロコシ生産者団体の栽培回避勧告や、穀物メジャーの取扱い拒否の動きが起きている。中国のトウモロコシ輸入量は450万トンと、日本の3分の1程度であるが、100万トン近い輸入拒否に、米国は輸出国として看過できない状況に直面し、右往左往している。
シンジェンタは今年、新しい害虫抵抗性のGMトウモロコシ5307系統を“Duracade”という商品名でリリースを予定していた。この新品種は、米国、カナダ、日本などでは承認されているものの、中国やEUではまだ承認されていない。栽培された場合、中国が未承認として拒否したMIR162のような混入と輸入拒否が起きうる可能性がある。
穀物メジャーのカーギルは2月、中国の事態を受けて、この新品種5307系統の受け入れを拒否する声明を発表した。カーギルに続いて多くの穀物メジャーが、5307系統の取扱い拒否を明らかにした。これに対してシンジェンタは、全米3位の穀物メジャーであるガビロン(Gavilon)を受け入れ先として、5307系統のリリースを強行すると発表した。
この事態に全米穀物飼料協会(NGFA)と北米輸出穀物協会(NAEGA)はすぐさま、シンジェンタにリリースの中止を求めるとともに、農家に対して、リリースに備え注意するようにという共同声明を公表している。
・Reuters, 2014-2-14
Cargill to reject for export crops with new GMO
Syngenta corn trait
http://agri.eu/cargill-to-reject-for-export-crops-with-new-gmo-syngenta-corn-trait-news5613.html
・NGFA, 2014-1-22
NGFA, NAEGA Issue Joint Statement Urging Syngenta to
Suspend Commercialization of Agrisure Viptera and
Duracade Biotech Corn
http://www.ngfa.org/2014/01/24/ngfa-naega-issue-joint-statement-urging-syngenta-to-suspend-commercialization-of-agrisure-viptera-and-duracade-biotech-corn/
・Syngenta, 2014-2-20
Syngenta and Gavilon bring advanced seed technology and
grain marketing confidence to corn farmers for 2014
http://www.syngentacropprotection.com/News_releases/news.aspx?id=179900
●輸入諸国の承認が必要なGM作物栽培
輸入国での未承認の品種を栽培することは、中国が示したような「混入」による輸入拒否を招きかねないリスクを負うことでもある。世界的には、FAO(国連食糧農業機関)が3月13日に公表したように、発覚する輸入食品・飼料の遺伝子組み換え作物による“低レベルの汚染”が増加傾向にある。調査に回答した国の約7割が未承認GM作物に対する許容度がゼロだとしている一方で、約半数がGM検出能力がないとも回答している。今後、こうした国がGM検出能力を持ってくれば、未承認品種の混入や、GM品種の混入による輸入拒否が常態化してくる可能性も予想される。
未承認品種の混入による輸入拒否、積み戻しは、日本でも起きている。2005年から2006年にかけて、輸入された米国産トウモロコシの中から、未承認のGMトウモロコシBt10の混入が見つかり、4万2千トンが輸入拒否、積み戻しとなっている。
農水省は2003年、条件付きではあるが輸入飼料への未承認GM品種の混入を1%まで認める省令の改正を行っている。輸入を認める場合の条件は、「我が国と同等又はそれ以上の水準の安全性に関する審査の制度を有すると農林水産大臣が認める外国政府の審査により安全性が確認されている飼料」として、米国で承認されていれば実質的にフリーパスとなるようなものであった。この省令にもかかわらず、米国でも未承認であったBt10は、結局、全量積み戻し処分とされた。
2007年、日本やEUではまだ承認されていなかった、シンジェンタの害虫抵抗性GMトウモロコシMIR604の栽培が米国で強行された。米国の生産者団体や輸出業界からは、Bt10積み戻しの再現を恐れて懸念の声が上がった。この事態に日本の食品安全委員会は2007年8月、収穫を前にしてMIR604は「安全」とする評価を急いでまとめている。
商品作物であるトウモロコシのグローバル化した取引は、年間1億トンを超える規模にまで大きくなっている。米国では、栽培されるトウモロコシの9割がGM品種であり、約4千万トンが輸出され、輸入国の承認が必須条件となっている。1%まで未承認品種の混入容認しながら、GM新品種の承認作業を急ぐ日本政府の姿勢の裏には、こうした事情も大きく影響していると言えるだろう。確認はできないものの、商業栽培が始まる前に全ての関連する承認作業を完了させる、といった日米政府間の合意の存在すら疑わせる。そう思わせるような、ベルトコンベアに乗ったかの作業が続いている。人々の健康よりも“円滑な貿易”が優先されているとしか思えない状況だ。
・農水省, 2003-4-1
飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の一部を
改正する省令等の施行について
http://www.famic.go.jp/ffis/feed/tuti/15_8598.html
【関連記事】
No.615 氷山の一角 増加傾向の低レベルGM汚染
FAO調査
http://organic-newsclip.info/log/2014/14030615-1.html
◆日本における5307系統の承認状況
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食品安全委員会 食品 2013-1-28
飼料 2013-2-4
厚労省 食品 2013-2-16
農水省 生物多様性 2013-5-23
肥料 2013
----------------------------------------
・食品安全委員会, 2013-1
遺伝子組換え食品等評価書コウチュウ目害虫抵抗性
トウモロコシEvent5307 系統
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20130128sfc&fileId=442
●シンジェンタと組んだガビロンは丸紅子会社
シンジェンタと組んで、新品種5307系統の受け入れを公表した米国穀物メジャーのガビロン社は、大手商社の丸紅が2012年5月に買収した100%出資の子会社。丸紅が子会社化した際の公表資料によれば、ガビロンは全米に140以上の集荷拠点を持ち、保管能力はAMD、カーギルに次ぐ米国第3位の830万トン。丸紅自身の分も加えれば、カーギルを超えて全米第2位となる規模だ。北米以外でも、オーストラリア、ウクライナ、ブラジルなどでも集荷事業を行っているとしている。ここにも多国籍企業化した日本の商社の姿を見ることができる。
・丸紅, 2012-5-30
Gavilon社買収について
http://www.marubeni.co.jp/ir/event/business/data/20120530_Gavilon_doc.pdf#search=%27Gavilon%27
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アルゼンチンの人たちがモンサント社の種子工場建設と種子特許に
怒りの抗議。
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