【転載】
━ No.539 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
有機農業ニュースクリップ
2012.08.12
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≪ 今日の目次 ≫
■全国各地で試験栽培されるGM作物
■岩手県:全国初の雑穀ジーンバンクを整備
■広島県:ジーンバンク厳選「広島お宝野菜」
■有機種苗の現状を知るために
≪ 遺伝子組み換え ≫
■全国各地で試験栽培されるGM作物
まだ、日本国内での遺伝子組み換え作物は商業栽培されてはいないものの、全国各地で遺伝子組み換え作物の試験栽培が行われている。
2012年度、隔離圃場での遺伝子組み換え作物の試験栽培は9施設、延べ28品種。モンサントなど遺伝子組み換え企業4社の隔離ほ場と、国内3大学、2つ農水省系の研究所で実施されている。
しかし、試験栽培を実施しているのは宮城県、栃木県、茨城県、静岡県、福岡県、宮崎県の5県だけであり、北海道、新潟県など遺伝子組み換え作物の栽培規制条例を制定した道県では行われていない。
マップ: http://twitpic.com/ahyd9p
●日本モンサント
茨城県河内町の同社隔離ほ場で、遺伝子組み換えダイズ、ワタ、ナタネ、トウモロコシ各1品種を、栃木県那須塩原市の畜産草地研究所隔離ほ場で低リグニンGMアルファルファを試験栽培。
マップ: http://twitpic.com/ahyep4
●デュポン
宇都宮市清原工業団地の同社宇都宮事業所隔離ほ場で、遺伝子組み換えトウモロコシ4品種、GMナタネ2品種を栽培。
マップ: http://twitpic.com/ahyf87
●シンジェンタジャパン
静岡県島田市神座の同社中央研究所神座サイト隔離ほ場で、除草剤耐性遺伝子組み換え大豆2品種を試験栽培。
マップ: http://twitpic.com/ahyf2b
●ダウ・ケミカル
福岡県小郡市の同社小郡開発センター隔離ほ場で除草剤耐性遺伝子組み換えダイズ2品種とGMワタ1品種を栽培。
マップ: http://twitpic.com/ahyexo
●バイエルクロップサイエンス
宮崎県宮崎市の宮崎大学・遺伝子組換え植物隔離ほ場で遺伝子組み換えGMワタ2品種を試験栽培。5月31日までの予定で終了。
マップ: http://twitpic.com/ahyfdp
宮崎大学: http://isofield.brc.miyazaki-u.ac.jp/index.php
●農業生物資源研究所
茨城県つくば市の同研究所隔離ほ場で、遺伝子組み換え複合病害抵抗性イネ6品種と、遺伝子組み換えスギ花粉症緩和米1品種を試験栽培。
マップ: http://twitpic.com/ahye5f
●筑波大学
茨城県つくば市の同大学試験ほ場で、遺伝子組み換えの耐冷性ユーカリを試験栽培。
マップ: http://twitpic.com/ahyeay
●東北大学
宮城県大崎市鳴子温泉の同大学隔離圃場で、遺伝子組み換えの紫外線抵抗性イネと紫外線感受性イネ2品種を試験栽培。
マップ: http://twitpic.com/ahyegx
こうした隔離圃場の周辺には、どのような説明がなされているのか。
周辺でのアブラナ科の野菜やトウモロコシの自家採種は確認したほうがよいだろう。
農水省による隔離距離の設定は、「第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針」に規定されている。しかし、北海道などの栽培試験では、その隔離距離を超えての交雑が確認されている。このため、北海道の栽培規制条例では、北海道独自の隔離距離の設定している。京都府の栽培指針では、農水省の隔離距離に安全率2をかけて、農水省の倍の隔離距 離を設定している。また、2008年の指針の改正では、花粉の風による拡散対策として「開花期の平均風速が毎秒3mを超えない場所を選定して行うものとする」「台風等の特段の強風が想定される場合には、防風ネットによる抑風又は除雄を行うものとする」との交雑防止措置が追加されている。
農水省による隔離距離 ( )内は北海道の条例規制距離
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トウモロコシ 600m(1200m)
ナタネ 600m(1200m)
ダイズ 10m(20m)
イネ 30m(300m)
テンサイ 1000m(2000m)
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※第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/action/pdf/sisin.pdf
≪ 種苗 ≫
■岩手県:全国初の雑穀ジーンバンクを整備
岩手県は8月9日、県内の農家が守り続けてきたヒエ、アワ、キビ、モロコシ(タカキビ)の在来系統の雑穀約230種の種子の保存するとともに、栽培や特性等のデータを「岩手県雑穀遺伝資源データベース」として整備したと発表した。データの公開は県内研究機関と関連機関に限定されている。
・岩手県, 2012-8-9
「全国で初めての雑穀遺伝資源のデータベースを作成」
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?nd=2974&of=1&ik=1&pnp=2974&cd=40658
■広島県:ジーンバンク厳選「広島お宝野菜」
広島県の(財)広島県農林振興センターの運営する農業ジーンバンクでは、保存している約5千品種の中から、味や食べ方で選んだ品種を「広島お宝野菜」として生産者に種子を提供している。提供先は県内の行政関係や生産者団体などに限定しているが、一部がカタログとして公開され、流通業者などへも紹介している。
・(財)広島県農林振興センター
「広島お宝野菜」
http://www.kosya.org/genebank/index.html
「お宝野菜カタログ」 お宝菜15種、候補156種
http://www.kosya.org/genebank/catalog/index.html
■有機種苗の現状を知るために
日本の有機農業のアキレス腱の一つが有機のタネの入手の困難さ。
サカタのタネやタキイ種苗をはじめとして、種苗メーカーによる供給は拒絶されているのが現状である。一部には、日本有機農業研究会・種苗ネットワークが会員向けの自家採種の種の頒布や、自然農法研究開発センターによる自家採種を前提とした少量パックの頒布も行われている。また、輸入の有機種子もあるが、少量であったり、原産国がイスラエルであったりと、問題は大きい。
こうした状況の中、この8月24日にIFOAM JAPANが主催の「有機種苗セミナー」(主催:、憲政記念館講堂)が開催される。種子の現状、有機種子・有機種苗の重要性、自家採種のメリット・デメリットなどをテーマとして、有機種苗の現状を知るための講演とパネルディスカッションが予定されている。締切すぎているが、問合せを。
・全有協 「IFOAM JAPAN有機種苗セミナーのご案内」
http://www.zenyukyo.or.jp/info/224.html
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