2010年6月3日木曜日

地域自給組合あわのわ


田中正治


何もかもお金で買わなければ生活していけないこの社会に対抗して、自分たちで出来そうなことは何でも自分たちで自給してしまおう!というグループが立ち上がっている。

「地域自給組合あわのわ」。

「あわ」は安房の国のあわ。「わ」は輪の意味だ。
千葉の鴨川ではここ数年、30歳代の子連れ夫婦の移住が多い。その人達はサバイバルと自分らしい生き方、生活をする場を求めて移住してくる。「地域通貨・あわマネー」のネットワークにひきつけられて仲間の輪の中に入ってきている。

>>地域自給組合あわのわ





その若者たちが、2010年の初めに立ち上げたのが、「地域自給組合あわのわ」。
そのコンセプトは3つ。1)「地域自給の輪」、2)「持続可能な輪」、3)「多様性の輪」だ。


1)「地域自給の輪」の目的は、「同じ地域に住む組合の賛同者が、ゆるやかな共同体として結ばれ、お互いの顔の見えるところで生産し消費する。
可能な限りお金やモノの移動を小さくすることによって、われわれが労働から得たものが、地域の外へ流出しることを食い止め、輪の中で循環する仕組みを築き、それぞれの生活が豊かに幸せになることを目指す。

2)「持続可能な輪」の目的は、食品、農産物においては出来るだけ無農薬、無化学肥料、無添加を目指し、楽しく働く場を作ることによって、資源の浪費や自分たちの心身を過剰に疲労させることのない人と人、人と自然のつながりを基礎とした持続可能な生活、社会を目指す。

3)「多様性の輪」の目的は、組合員の生産したいもの、労働したいことを他の組合員に呼びかけ、その中で生産方法、販売方法(円、地域通貨、物々交換などの選択)、生産にかかる資金の調達、労働の方法などを各プロジェクトチームごとに運営し、よりよい方法を組合全体に還元していく。
各自、各チームが1つの輪(生命)として存在し、そして他の輪とのつながり、組合全体の輪を形成し、中央集権的なトップダウンではなく、フラットな組織を目指す。

「現代社会の消費生活、賃金労働、商品経済などを問い直し、転換の実践の場として「地域自給組合あわのわ」を一緒に創って生きましょう」と呼びかけている。

言いだしっぺがプロジェクトリーダーとなる。すでに立ち上がり、行動しているプロジェクトは・・・・。

1)「塩づくりの輪」プロジェクト。(酒を飲みながらみんなで1日かけて塩づくり)
2)「穀物プロジェクト」(麦、小豆、そば)(開墾、麦の種まき、草刈・・)
3)「手仕事の輪」プロジェクト(竹ほうき作りをし、アースデー東京で販売)
4)『地域通貨で生活をする輪』プロジェクト(地域自給組合内地域通貨の実験)
5)「家作りの輪」プロジェクト(大工さんが先生で、木組みの基礎から勉強)
6)「種とりプロジェクト」(アブラナ科の種採り実体験実施)
7)「雑穀プロジェクト」(キビ、もちアワ、もちキビを栽培)
8)「音の輪」プロジェクト(グループを結成し、あわのわマーケットで出演)


例えば、「雑穀プロジェクト」のよびかけは・・・・

大地のエネルギーが小さな粒にギュッと詰まった生命力あふれる雑穀。

ヒエやアワは縄文時代から主食として食べられ、「古事記」でも、稲・粟(アワ)・麦・小豆・大豆が“五穀”と記されています。
お料理だけでなく、農耕儀礼やハレの日の供物や、地酒の原料としても使われ、古来から日本人の食文化、そしてその精神性とも深く結びついていました。
そして、実はつい最近(戦後まもなく)まで、日本各地で栽培され、日常的に食べられていたものなのです。

しかし、食習慣の変化とともに、日本の雑穀栽培面積は、100年前に比べて1000分の1に減少してしまいました。
今、また少しずつ雑穀が注目され、一般に流通しつつありますが、通常売られているのはほとんどが輸入ものです。

雑穀は、農薬も必要とせず、痩せた土地でも育てることができるので、不耕作地の復活にも利用できます。ただ、収穫後の調整(脱ぷ・精穀など)に、とても手間ひまがかかります。

そこで、仲間と集まって一緒に作業することで、楽しく雑穀を育てて活用していければと考えて、プロジェクトを立ち上げました。
できれば安房で受け継がれてきた種を探して、それをつないでいくことにも力を入れたいと思います。
さらに、将来的には、収穫した雑穀を使って加工品なども作っていきたい!という夢もあります。
まずは今年(2010年)、釜沼(+金束)の畑で、高キビ、もちアワ、もちキビを栽培する予定でいます。

立ち上げメンバーもみな栽培は素人です。一緒に勉強会などもしつつ、試行錯誤しながら、少しずつ経験を積み重ねて、雑穀の自給を目指して行きましょう!

天と地の調和を表すアワという言葉。
ここ安房(アワ)の地で、粟(アワ)を作ることに、意味を感じています。

興味のある方、まずは一緒に大地に種をおろすところから始めましょう。



また、「音の輪」プロジェクトのよびかけを見てみると・・・・。

私達の生活に活力を与えるもの、それは魂の栄養であり、アートです

「音のわ」はその中でも音楽の即興・生演奏を楽しむ集まり楽器の演奏あり、歌あり、踊りあり、詩の朗読あり...

「音のわ」に参加するために音楽の知識やスキルは必要ありません条件はただ一つ、「自分の表現(存在)に自信をもつこと」

その場、その瞬間に生まれる音を一緒に楽しく作っていきましょうそして音のもつ魔法にすべてをゆだねましょう

『音楽を聴くにはいろいろな方法がある技術の側面ではテクニックを向上させより良い音楽を楽しむようになった者はレベルの低い音楽に不快感を感じる

しかし、スピリチュアルな道があるそれはテクニックとはなんら関係ない

ただ自分を音楽にチューニングするだけだよってスピリチュアルな人は音楽のレベルを気にかけない』



最近、「雑穀プロジェクト」の女性3人が、みんなの生産したり扱っている農産物や加工品
が販売できる小さなお店「あわのば(awanova)を立ち上げた。
http://awanova।jugem.jp/





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