阿部文子
1)遺伝子組み換え作物は 大豆、トウモロコシ、綿、ナタネの4種類である。
2)「除草剤耐性」と「殺虫性耐性」の2種類で 前者は「除草剤を撒いた際に作物だけが生き残るため、省力化・コストダウンになる」というモンサントの売り文句であった。
殺虫性作物は 「作物自体に殺虫毒素ができるため、害虫が死ぬ」ということである。
3) しかし 最近では その殺虫毒素によって死なない害虫が大量に発生。
また 除草剤耐性に抵抗力をもった雑草も大量に発生して有効性を失いつつあり、農薬が増加し費用がかさむという悪循環に陥っている。
4)遺伝子組み替え技術が商業化して 約10年。わずか10年でこれまでの遺伝子組み替え技術は自然のしっぺかえしに遭遇し、いきずまったのである。
5)しかし バイテク企業は 自然のしっぺかえしから教訓を学ぶのではなく 私たちの食料の「生命操作」というべき後戻りのできない大胆な事態へと突き進んだのである。
6)それは バイテク企業モンサント社と、ダウ・アグロサイエンスによる「スマート・スタック」と呼ばれるトウモロコシの品種の開発である。
7)この品種は これまで開発した除草剤耐性と殺虫剤耐性作物に用いられるメインの遺伝子を同時に8個も導入したもので複数の除草剤に耐性をもち地上・地下の複数の害虫を殺す毒素をもつとされている。
8)人工的に取り出した遺伝子を 大量に同時に入れることによって生命体の中で どのような変化が起きるかわからない。
9)昨年7月 カナダで承認され 今年から米国で商業栽培される予定で日本への輸入も不可避となるにちがいない。
10)私たちは 食料の質的危機とも言うべき こうした事態にどのように対処したらいいのであろうか。
11)私たちの生きる姿勢が問われていると思えてならない。
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