09.2.21
ニューヨーク・タイムズ紙によると、26人のトウモロコシ害虫専門研究者が、遺伝子組み換え(GM)作物の有効性と環境影響の完全な研究をバイテク企業が阻んでいる、「多くの決定的に重要な問題に関するいかなる独立研究も、合法的に行えない」と書いた声明を環境保護庁(EPA)に提出したそうである。
研究者の多くは、企業からの研究費削減を恐れて名前を明らかにしなかったが、何人かは名前を公表した上でのインタビューに応じたという。
研究者たちは、問題は、農業者やその他のGM種子のバイヤーは、栽培者が企業の特許と環境規制を尊重しなければならないとする協定に調印しなければならず、この協定が研究目的で作物を栽培することを禁じていることだと指摘する。
従って、大学研究者は、研究目的で農薬や非組み換え種子を自由に購入できるが、GM種子についてはこれができない。その代わりに、種子企業から許可を得なければならない。企業はときにはこの許可が拒否する。あるいはいかなる発見も、公表前に[企業が]審査すると言い張る。このような協定はずっと前から問題になっていたが、もはや堪忍袋の緒がきれたと、公表に踏みきったというのである。
研究者は、技術そのものには反対していない。企業の研究締め付けは、作物の最善の栽培方法に関する農業者への情報を供給できないことを意味すると主張する。また、政府規制者に供給されるデータも”不当に制限されている”。コーネル大学のElson
J. Shields昆虫学教授は、企業が「データ、EPAに提出される情報をロンダリングする可能性がある」と言う。
EPAの科学諮問委員会は来週、害虫が害虫抵抗性トウモロコシに対する耐性を持つようになるのを防ぐために農民が設けねばならない避難地(GM品種作付地中に設けるべき非GM品種の作付地)の面積を減らす新たな方法についてのパイオニア・ハイブレッド社の許可申請を審査する。
パーデュー大学のChristian Krupke助教授は、外部の科学者はパイオニアの戦略を研究できなかったから、あり得る問題(欠点)がきっちりと評価されたとは思わないと言う。彼は、声明起草者の一人だが、声明にサインしたかどうかは明かさなかった。
コーネル大学のShields教授は、農業研究への資金供給が公的部門から民間部門にシフトしてきた、これは多くの大学科学者が大種子企業からの資金や技術協力に依存することを意味すると指摘する。みんなブラックリストに載せられるのを恐れている、「トウモロコシ害虫の研究が我々の唯一の仕事だとしたら、最新のトウモロコシ品種が必要だが、企業がそれを与えないと決めたら、我々は仕事ができない」と言う。
Crop Scientists Say
Biotechnology Seed Companies Are Thwarting Research,The New York
Times,2.20
http://www.nytimes.com/2009/02/20/business/20crop.html?_r=1&ref=business
わが国でも多くのGM作物が承認されてきたが、こんな怪しげなデータと情報に基づいて承認されたということだ。
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