2025年10月11日土曜日

農業者への直接戸別補償制度について

田中正治

  1. なぜヨーロッパ並みの農業者への直接的戸別所得補償制度が必要なのか

理由その1 農村、農業、農民の現状

1,    農業者の老齢化―リスト1

2,   農業者(家族農業)の急速な減少―リスト2

3,   家族農業後継者の急速な減少―リスト3

4,   中山間地での耕作放棄地の激増―リスト4

5,   農山村コミュニティーの空洞化と崩壊現象

6,   大規模企業化農業は増大するも、撤退も多いーリスト5

 

理由その2 国際情勢の変化

1 気候変動・温暖化―世界全体でも、コメ、小麦、大豆などの主要穀物の平均収量が減少。干ばつや洪水といった異常気象が飢餓を増加させるリスクを高めている。-リスト6

2 戦争の長期化によるインフレーションー食料輸入の困難。ロシアとベラルーシは敵対国に小麦、トウモロコシの輸出禁止による世界的な食糧危機。日本の食料供給の脆弱性を浮き彫りにした。―リスト7、リスト7

3 食料争奪戦の激化―日本の経済力低下による買い負け現象。日本の食料システムは国際情勢の変動に非常に弱い状態。―リスト8

4 日本の食料自給率38%。食糧危機に対して極端に脆弱。食料危機対策のために―リスト9

 

理由その3 農業と工業との根本的相異

1 農業は、気候、土壌、地形に左右されると同時に水、太陽、土壌成分、気温、小動物や微生物、種子、季節のリズムなど自然環境そのものに依存しており、人間がコントロール・効率化しうる部分は極めて少ない。

   従って、今日の経済の下では、商品としての農産物全体の市場価値は少なくならざるを得ない。

2 それに対して工業は、自然から原料を収奪・切り離されれば、非自然的空間(工場)で加工し、生産の効率化、:生産手段の高度化や自動化により、効率的な大量生産が可能であり、今日の経済の下では、商品としての工業製品全体は、農業生産物に比べると市場価値は断トツに多くなりうる。

3 従って、食べ物なしに生きていけない人間は、市場経済では圧倒的に不利なこの農業に対して、飢えないためには人々全体が、社会全体(国家)が、農業と農業者たちの生活が成り立つための支援をすることは不可欠であり、食糧危機が迫る現在、この支援は、実は消費者が生きていくために絶対的に必要不可欠なこととなっている。

 

B農業者への直接的戸別所得補償制度実現へのVISION

  1. 農業者への直接的戸別所得補償制度の復活(EU,スイスモデル)と米価水準と市場価格との差額を農業者に全額補償(米国モデル)の実現
  1. 鈴木亘弘氏が提起している防衛費から農業予算へのシフトを含めた「食料安全保障確立助成金」創設を支持する。
  2. その戸別補償直接支払に関する見解は以下。(「食の属国日本)p200
    1. 農地が維持されることによる安全保障や多面的機能の発揮への基礎支払
    2. 農家所得を維持して消費者価格も抑制する追加支払い
    3. 政府買入れによる備蓄と国内外援助で、自給の最終調整弁を国が持つ。
  3. 農業者への直接支払いに関しては以下。
  1. 農地維持基礎支払 10a3万円 432ha1.3兆円。

2 農業経営安定・消費者価格抑制追加支払い 

  米60kg 3000円(10a 3万円で3500億円

  牛乳1kg10円(110万円)で750億円

3要穀物及び乳製品の備蓄・援助買い入れ

60kg 1,2万円 500トンで1兆円

総計 約27兆円

農林水産関係予算額は、令和6年度当初予算で、22,686円(2024年度)これに上記のの直接的戸別所得補償を単純に加算すると約5兆円になる。以前の水準に復帰。

4 これらの直接所得補償によって、新規農業希望者が都市から農山村の大規模に移住し、特に中山間地コミュニティー再生に大きな役割を果たしうるだろう。 

5 これらの直接所得補償制度は、農民を元気にし、各地の農業、農村を活性化かさせることしよって、各地域の自給率を引き上げ、その結果国家全体の自給率を50%以上に引き上げることを期待される。

農業者の老齢化―リスト1


農業者(家族農業)の急速な減少―リスト2


家族農業後継者の急速な減少―リスト3


中山間地での耕作放棄地の激増―リスト4


大規模企業化農業は増大するも、撤退も多いーリスト5

 

気候変動・温暖化―リスト6


戦争の長期化によるインフレーションーリスト7

ロシアによるウクライナ侵攻以来の食料システムリスク

食料争奪戦の激化―リスト8

世界の農産物の買い負け(日本3位)米国―中国

日本の食料自給率38%―リスト9

種と飼料の海外依存度を考慮した日本の2020年と2035年の食料自給率

東京大学鈴木亘弘研究室

立憲民主党の食料確保・農地維持支払制度

なお、上記立憲民主党の直接支払額(1兆②000億円)と鈴木亘弘氏の直接支払額・農地維持基礎支払 10a3万円 432ha1.3兆円。はほぼ同じで、知人によれば、立憲民主党は鈴木氏と討論したとのことです。リアルな額だと思います。

■世界食料デー オンラインミーティング「私が食べるものは 私が決める」(10/14)

 転載です

田中正治

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★食の安全関連の企画のご案内

食品表示ネットの企画にご参加の方にご案内しています。ぜひご参加ください。

■世界食料デー オンラインミーティング「私が食べるものは 私が決める」(10/14)
https://nishoren.net/event-information/21878
「世界食料デー」にあたって、多国籍企業による食料支配に反対して食料を守る運動として、毎年実施されている「たべきめキャンペーン」。今年は14日にオンラインリレートークを開催します。
〇日時:20251014日 14:0015:30
〇会場:オンライン
〇内容:天笠啓祐さんの講演の後、全国からリレートーク
〇参加費:無料(要申し込み)
〇申込み: 
https://nishoren20251914.peatix.com/
〇主催:日本消費者連盟/遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン

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磯野よう子

2025年9月19日金曜日

2025年7月20日日曜日

農水省遺伝子組み換え植物実態調査(2024年度)

農林水産省から、令和6年度遺伝子組換え植物実態調査の結果が公開されました。

 

令和6年度遺伝子組換え植物実態調査の結果について

 

遺伝子組換え植物実態調査結果 PDF

 

なお、環境省の調査結果は2022年(令和4年)までしか公開されていません。

転載【日消連だより】8月8日開催イベントのご案内

転載
【日消連だより】8月8日開催イベントのご案内
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◆日消連だより~すこやかないのちを未来につなぐ
◇2025年7月10日発行「8月8日開催イベントのご案内」
◆発行者:特定非営利活動法人 日本消費者連盟
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お世話になっております。日本消費者連盟の纐纈(こうけつ)です。

このたびは日本消費者連盟と主婦連合会によるイベントのご案内です(チラシ添付)。

第2次世界大戦終結から80年。大国が自国ファーストをむき出しにする新たな軍事支配が強まっています。各国は軒並み軍事費を増強し、日本も倍増の勢いで武器製造、自衛隊基地増強に邁進しています。

私たちは、「武力より対話」を合言葉に、日本政府に軍事大国の道をやめ、独自の外交路線で平和を築くよう訴えます。とりわけ「台湾有事」など新たな火種が喧伝されるアジアの市民と協働で平和を望む世論を大きくしていきます。

2024年8月に主婦連合会と日本消費者連盟、韓国のドゥレ消費者生活協同組合連合会が呼びかけた「アジア平和共同声明」には国内外の26団体から賛同が寄せられました。各国のピープルパワーを取材し、世界に誇る日本国憲法9条の碑を国内外で広めている国際ジャーナリストの伊藤千尋さんに、市民がつながるための元気の出るお話をしていただきます。

【日時】2025年8月8日(金)14時~16時

【会場】主婦会館プラザエフ3F主婦連会議室/オンライン併催
(住所:東京都千代田区六番町15/アクセス:JR四ツ谷駅徒歩1分)
会場の地図→https://plaza-f.or.jp/access

★参加申込みフォーム(Peatix)→https://nishoren20250808.peatix.com
上記Peatixから申し込めない場合は、下記の「問合せ先」で申し込みを受け付けます。メールでお申込みいただく場合は、「お名前」「電話番号」「メールアドレス(オンライン参加の場合)」をお書きください。

<プログラム>※当日までに変更になる可能性があります、ご了承ください。
14:00-14:05 あいさつ
14:05-14:55 伊藤千尋さん講演「ピープルパワーが社会を変える」
14:55-15:35 各地の取り組み紹介
      ・海北由希子さん(平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本、戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク)
      ・杉原浩司さん(武器取引反対ネットワーク【NAJAT】)
      ・谷口初枝さん(幕張メッセでの武器見本市に反対する会、安保関連法に反対するママの会)
      ・有地淑羽さん(コンシューマーズ京都)
      ・磯田朋子さん(岩手県消費者団体連絡協議会)
      ・加藤真代さん(主婦連合会会員)
      ・アジアの賛同団体からのメッセージ
15:35-15:50 意見交換
15:50-16:00 まとめと今後について

◎参加費無料(カンパ大歓迎:カンパ付チケットあります)
◎定員:会場50名、オンライン100名(いずれも要予約)
◎申込み締切:8月6日(水)17時
参加者には8月7日にZoomのリンク先を送ります。

<講師プロフィール>
伊藤千尋(いとう・ちひろ)
国際ジャーナリスト。朝日新聞の特派員として中南米、欧州、米国など84カ国を取材した。「九条の会」世話人。著書に『コスタリカ 「純粋な人生」と言いあう平和・環境・人権の先進国』『非戦の誓い』、『非戦の誓いⅡ』(2025年5月発行)ほか。

主催:武力より対話プロジェクト(主婦連合会、日本消費者連盟)

【問合せ先】
主婦連合会(TEL:03-3265-8121/メール:info@shufuren.net

<武力より対話プロジェクトについて>
主婦連合会と日本消費者連盟によるプロジェクト。
主婦連と日消連は2022年12月の安保3文書改定で憲法違反である敵基地攻撃能力の保有や防衛費という名の軍事費の倍増が現実化することへの危機感から、消費者団体共同声明「私たち消費者はいのちと暮らしを尊ぶ平和な社会を求め敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有と防衛費増大に反対します」を発表。96団体の賛同を集めました。

その後、アジアを再び戦場にしないため、2024年8月に韓国のドゥレ消費者生活協同組合連合会と3者で「アジア平和共同声明」を発表し、国内外の消費者団体・市民団体に賛同を呼びかけています。2025年6月現在、日本のほか、台湾、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、ニュージーランドから26団体が賛同。2025年4月に「武力より対話プロジェクト」を立ち上げ、アジア平和共同声明の呼びかけに加え、武器製造・輸出企業への抗議活動・不買運動なども行っています。
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■カンパのお願い
日本消費者連盟は企業や政党、団体からの援助、広告等は一切もらわず、会員からの会費、寄付、出版物の売り上げで活動しています。
日消連は、ゲノム編集表示の義務化を求める地方議会での意見書採択運動や、香害をなくすための運動を中心になって進めています。このような活動が今後も継続できるよう、事務局体制強化カンパへのご協力をお願いします。
カンパは下記のリンク(コングラント寄付決済ページに移動します)から可能です。
https://congrant.com/project/nishoren/17172?spt_route=iOMZA1tdEDWd0RJY
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■日本消費者連盟の会員になりませんか
日本消費者連盟では会員を募集しています。日消連に入会すると月1回「消費者リポート」が届きます。
「消費者リポート」はマスコミが書けないこともズバリ書き、自立した市民の活動を紹介しています。
ぜひ消費者リポートを読んで活動に役立ててください。ご一緒に消費者運動を盛り上げていきましょう。
<年会費>
普通会員:8,000円(「消費者リポート」購読料を含む)
維持会員:14,000円(「消費者リポート」購読料と新刊出版物含む)
入会のご連絡は下記入力フォームにご記入ください。
https://nishoren.net/join
「消費者リポート」については以下をご覧ください。
https://nishoren.net/shohisha_report_list

2025年7月18日金曜日

菅野芳秀さんインタビュー(日刊ゲンダイ 2025年6月27日)

<a href="https://network-nouen.net/wp-content/uploads/2025/06/9ee064d34375952cb826375cac21360b-1.pdf" target="_blank">PDFを読む</a>
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2025年7月1日火曜日