2014年8月21日木曜日

【遺伝子組み換え】有機農業ニュースクリップ No.626

【転載】
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        有機農業ニュースクリップ

                   2014.08.21
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≪ 今日の目次 ≫
 ■中国:遠のくGMイネ商業栽培 栽培許可を延長せず

≪ 遺伝子組み換え ≫
■中国:遠のくGMイネ商業栽培 栽培許可を延長せず

  中国農業省はこのほど、8月17日で期限切れとなる害虫抵抗性Bt遺伝子組み換えイネとGMトウモロコシの栽培許可の延長を行わないと決定したと、20日付けの米国科学振興協会(電子版)が伝えた。

  中国は2009年8月、華中農業大学(湖北省武漢市)で開発された2種類のBtイネの栽培を承認し、商業栽培も間近と報じられていた。

  今回の試験栽培の延長中止の理由は明らかではないが、一般市民のGM食品への懸念が理由の一つと考えられるという。別の理由として、米の自給を確立した中国が、もはやBtイネを必要としていないとの見方もあるとしている。

 ・American Association for the Advancement of Science,
  2014-8-20
  China pulls plug on genetically modified rice and corn
  http://news.sciencemag.org/asiapacific/2014/08/china-pulls-plug-genetically-modified-rice-and-corn

  中国政府がGM食品から距離を置きつつあることが、今回の決定の背景にあると思われる。中国政府はこの数年、GM開発費を急減させている。中国は、2008年に260億元(4400億円)の資金投入を決定したGM開発12カ年計画にに基づき、2010年には20億元(340億円)を投入しているが、2013年には4億元(70億円)と8割も急減している、とロイターが報じている。また、いくつかの政府機関や解放軍関係の調達する食品からGM由来食品の排除も行われている模様だ。

  今回の決定により、中国でのGMイネの商業栽培は、ほとんどその可能性がなくなったように思われる。


 ● 農業省:公式に違法GM米の流通を認める

  中国の国営テレビ局の中央電子台(CCTV)は7月26日、未承認の違法な遺伝子組み換えの米が、湖南、安徽、福建の市場に出回っているが回収は困難、とする上海のある食品加工企業役員の証言を放送した。最近、武漢で調べられた米5袋中3袋が違法なGM米であった、と報じられている。

  EUは昨年、中国からの輸出米より未承認GM米の検出が25回と通報している。この数年、日本では見つかっていないものの、2006年から09年にかけて、約600トンの未承認GMの米粉やビーフンが見つかっている。

  こうした違法GM米の流通に対して中国農業省は7月29日、違法GM米に対する「許容度ゼロ」の方針堅持を表明した。規則を無視してGM米を栽培したり販売する、いかなる企業や個人も罰するとの声明を出した。

 ・XINHUA.JP(新華経済), 2014-7-28
  中国で遺伝子組み換えのコメが流通・・
  「回収は困難」―中国メディア
  http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economy/390411/

 ・新華社, 2014-7-29
  China strictly regulates GM rice
  http://www.globaltimes.cn/content/873155.shtml


 ● Bt米が白血病多発の原因か?

  Btイネを開発した華中農業大学では、Bt米による白血病多発疑惑が出ている。同大で試験栽培されたBt米を学食で食べるように要求された学生の中から、通常の3倍となる白血病患者が出ていると報じられている。通常10万人に2,3人の発症率であるにもかかわらず4年で10人が発症。発症率は約3倍であるという。

 ・Sustinable Pulse, 2014-8-14
  Alleged Illegal GM Rice Trial on Chinese Students
  Leads to Leukemia Boom
  http://sustainablepulse.com/2014/08/14/illegal-gm-rice-trial-chinese-students-leads-leukemia-boom/


  本当にBt米を食べたことが白血病多発の原因であるかは、これ以外の情報がなく断定できないが、原因を明らかにすることは当然のことだ。日本の農業生物資源研究所も害虫抵抗性のGMイネの開発に注力しているが、花粉症緩和GMイネも含めて、このような問題を避けたり曖昧にできないはずだ。


 【関連記事】
  No.617 急減するGMO開発費 中国はGM食品に距離か?
  http://organic-newsclip.info/log/2014/14030617-1.html


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