2014年5月28日水曜日

【あべふみこのあっちこち】クロ


あべふみこ

僕はクロ。黒柴の雑種で雄。目の上に茶色のまあるい毛の部分があり、それが目のようで”四つ目”と呼ばれている。
本当の目はまん丸で、真っ黒の体毛の中に沈み込んでいる。

僕の大好きは散歩。

鎖につながれてご主人と小便をしながら歩く・・・そんな散歩を僕は拒否している。
どこまでも続く棚田。ここ鴨川の大山地区は段々棚田のオンパレード。

山の斜面を切り開いて耕した幾重にも重なる棚田。山を背負って、暖かい陽だまりの中腹に、人は住居を構えている。
そういう地形が僕のグランド。藪あり、道あり、田んぼあり、閉められた空家、その角に苔の生えたお墓、こうした空間を駆ける。

林の中にも走りこむ。畑の中にも走りこむ。気持ちいい、爽快。鼻はぬれ光り、目は輝き、全身が喜びで一杯。
僕は犬に生まれてよかった!

”クロ帰るよ”。帰るという言葉はクロが理解している数少ない言葉の一つである。
クロという名前が、自分のことなんだと、一番に理解した言葉で、”散歩”という言葉も大好きのようである。

朝早くと、夕方5時ごろになると散歩を催促する。おなかがすいているとたべものをほしがるが、満腹すると、もうほしがらない。
25cmほどの小さなクロが、我が家に来てから10年がたった。立派に成人し、庭先で番犬の役割を勤めている。

私たちを散歩に連れ出し、一日のメリハリをつけざるを得ないようにしてくれる。動物と人間の関係は、やはり家族なのであろう。

2014年5月18日日曜日

【TPP】反発強める米国議会

【転載】


 4月初めから事務レベルで協議が続き、再三にわたって閣僚間での
協議も行われたことから、今回の日米首脳会談では何らかの大筋合意があるのではないかと事態が緊迫していたTPP(環太平洋連携協定)交渉。

結果は合意事項はなく、日米共同声明には「両国は2国間の重要な課題について前進する道筋を特定した」と記し、また「まだなされるべき作業が残されている」と両国の主張に開きがあることも示した。

ただ、かりに何らかの合意に到ったとしても、米国議会はオバマ大統領に通商交渉の一括権限を与えておらず、議会を通らない可能性もある。

その議会からは政府宛に「関税ゼロ以下のTPPには反対する」との乱暴な書簡も出されている。日本でも麻生財務大臣が25日の記者会見で「かりにフロマンと甘利でまとまったとしても、それが米国の議会で通る保証もない」と話した。

 大統領の訪日前の4月21日に来日した米国でTPP反対運動を広げている市民団体のロリー・ワラック氏も「そもそも日米会談でオバマ大統領が約束しても何ら法的意味を持つものではない」と話していた。結局は通商交渉に関しては無権代理人として来日、アジアを歴訪しているともいえる。ワラック氏の話などから米国の状況とTPP交渉の今後を考えてみる。

【TPP】TPP日米協議は「ヤマを越えた」?

【転載】
農業情報研究所>グローバリゼーション>二国間関係・地域協力>
ニュース:2014年5月2日

TPP日米協議は「ヤマを越えた」? 米有力議員 交渉は「確実に失敗する」、議会は承認しない

 日本のマスメディアは、 米議会の公聴会におけるフロマン通商代表の発言をTPPに関する日米協議は「重要な一線を越えた」、「重要なヤマを越えた」などと紹介している。人によっては、特にTPPによって存続が脅かされると恐れている農家は、交渉が妥結に向かって着実に前進していると悲観的に受けとめかねない報道の仕方である。

 「TPP、日米ヤマ越えた」USTR代表 日本経済新聞 14.5.2
 日米協議「重要な一線越えた」 米側、進展を強調 朝日新聞 14.5.2

 しかし、そう悲観的になることはない。これらの報道は、公聴会におけるフロマン代表の発言を伝えるのみ、TPP交渉に批判的な議員たちの発言にはまったく触れようとしていないからだ。TPPの成否を決するのは、何度も言ってきたことだが、米政府ではなく、憲法で通商交渉権限を与えられた議会にほかならない。

 マレーシア国営通信(Bernama)が中国新華社通信の報道として伝えるところによると、この公聴会で上院財務委員会の共和党トップ、Orrin Hatchは、議会が与える貿易促進権限(TPA)なしで高度 な基準の協定が結べると信じない、政府の貿易アジェンダは確実に失敗すると述べたそうである。民主党トップのCharles Schumerも、貿易協定に為替操作条項(つまり円安誘導禁止)が含 まれなければ、TPP協定は議会の承認を得られないだろうと警告したそうである。

 US Senators Voice Concerns Over Prospects Of TPP Trade Talks,Bernama,14.5.2
 http://www.bernama.com/bernama/v7/bm/wn/newsworld.php?id=1035175

 TPPの行方を見極めようとするなら、フロマンではない、議員の言動にこそ注意を向けねばならない。

2014年5月9日金曜日

【遺伝子組み換え】仏、遺伝子組み換えトウモロコシの栽培禁止を法制化

転載:(c)AFP
【5月6日 AFP】フランス上院は5日、遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの栽培を禁止する法案を可決した。また同日には行政裁判の最上級審も栽培禁止を支持する判断を下し、これによって同国ではGMトウモロコシの栽培が全面的に禁止された。
 法案は米バイオテクノロジー大手モンサント(Monsanto)が開発したGMトウモロコシ「MON810」を禁止する内容で、与党・社会党(PS)やヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)、フランス共産党(PCF)の左派政党が賛成した。同法案は先に国民議会(下院)でも、右派議員の反対を抑えて可決されていた。
 トウモロコシ生産者協会(AGPM)の申立人らは、GMトウモロコシの栽培禁止命令によって厳しい経営危機に陥るとしてMON810の栽培禁止命令の撤回を求めていたが、フランスの行政裁判の最上級裁判所である国務院は同日、フランス国内でGM種子から栽培されるトウモロコシの量は非常に少ないとして、この訴えを退けた。
 AGPMは、同国では既に2011年と2013年の2度にわたってGMトウモロコシ栽培の一時的な禁止命令が出されていたことから、今回の判断に「驚いてはいない」としている。
 農業省は今年3月、欧州連合(EU)で唯一栽培が許可されている害虫抵抗性のあるGMトウモロコシ、MON810の栽培禁止を決定した。その決定の正当性については現在EUが、GM作物の使用に関する幅広い議論の一環として検討している。しかしEUの決定はどうあれ、加盟各国は独自に栽培を禁止する権限が認められている。
 これに関しフランスは、今後GM作物の栽培をめぐる決定を各国の政府だけで行えるよう、EUの関与を排除していこうとする働き掛けを行っている。(c)AFP

2014年5月2日金曜日

【遺伝子組み換え】ロシア、GMOと有機農業の地政学

転載
Ulson Gunnar
2014年5月2日
New Eastern Outlook

ロシアのRTは、“ロシアはGMO産品は輸入しない - メドベージェフ首相”と題する記事で、“ロシアはGMO産品を輸入しないと、ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相は語り、ロシアには自然食品を生産す るのに十分な面積と資源があるとも述べた”と報じたが、記事は、ロシア首相が、具体的に、“もしアメリカ人がGMO産品を食べたいのであれば、彼等はそれを食べれば良い。我々はそうする必要はない。我が国には、自然食品を生産するのに十分な土地と機会がある”と述べたことも引用した。

記事は、そうした慣行に大衆の反対が着実に高まりつつあるのに、遺伝子組み換え製品に対する表示が不要なアメリカの法律とは対照的に、ロシアでは、0.9%以上の遺伝子組み換え原料を含む製品は、内容を表示しなければならないことも書いている。
GMOに対するロシアの姿勢は、つい最近モンサントのGMトウモロコシが禁止されたフランス、アメリカGMトウモロコシ輸入が禁止された中国を含 め、他でも見ることができる。益々情報に通じつつある国民の間での、健康上と環境上の正しい懸念ゆえに、GMOに対する逆風がかなり広がっている。しか し、ロシアや中国等の国々が、GMOに強く抵抗する動機には、地政学的な要因もある。

軍隊は胃に向けて行進する

それによって遺伝子組み換え生物が生み出されているバイオテクノロジーは、現在欧米を中心とする一握りの極めて強力な多国籍企業によって独占されて いる。この独占形態は(部分的に)欧米の覇権権力の基盤だ。アフガニスタンで見られる様に、モンサントの様な巨大アグリ独占企業は、南アジア国家の大企業 による植民地化を企む上で、極めて重要な役割を演じた。企業権益とテクノロジーは、欧米の支援機関とあいまって、またNATOの軍事力に裏付けられて、伝 統的作物を組織的に汚染し、遺伝子組み換え大豆で置き換え(それまで、アフガニスタン農業や料理に無縁だった作物)アフガニスタンの農業風景を変えること を支援してきた。

モンサントがアフガニスタンに下ろした根は、深く永続的となろう。特許権を有する遺伝子組み換え大豆に依存する農民は、モンサントや他の欧米のバイ オテク/巨大アグリ企業に永久に依存することになり、日々の暮らしで、そうした農民に依存する人々も同じことになる。独立国家としてのアフガニスタンは、 主権そのものが、最も基本的、根源的なレベルで浸食され、国の食料安全保障は、今や外国人の手中に握られている。

だから、ロシアや中国の様な国々や他の国は、GMO産品による健康や環境上の影響に関して、国民の間で増しつつある懸念だけでなく、この独占技術が、それぞれの国家の食糧供給に対し、結果的にその主権に与える脅威に、対応しているのは明らかだ。

隣国ウクライナにおける政権転覆を強化することを欧米が目指す中での最近のロシアを狙った経済制裁は、欧米巨大アグリ企業への絶対的依存が、どれほ ど潜在的危険となりうるかを完璧に表している。ロシア農業が、欧米のGMOにより依存していたならば、そして欧米の経済制裁が、イランのような国に対する ように、より広範な、あるいは全面的なものであれば、ロシア国民の生存可能性が危険にさらされていた可能性があり、ロシア政府を脅迫することが可能な外国 に支援された政治的不安定も容易に実現されていたろう。

それぞれの国が城砦

対イラン経済制裁は、食料生産、技術研究・開発や、武器開発を含む広範な社会経済活動において、自足自給となるようイランに強いた。欧米のイラン経 済制裁は、国家レベルで行われる現代式の攻囲戦として、国家を弱体化させ、究極的に国家の崩壊に貢献するよう機能するよう設計されているが、彼等はそうで はなく、イランを一層回復力に富む国にした。

イランは、包囲をどこかの場所で破ってしのぎ、他の国境内の場所における、自給自足経済活動によって、包囲を弱体化させる、ことわざの“城砦”に似 たものと化した。ロシアや中国のような国々は、欧米が特定の同盟と戦略(それぞれ、NATOと“アジアへの回帰”)とによって、あからさまに企んでいる包 囲に直接直面しており、同様に、独立と、食料安全保障の様な基本的な必需品を最優先にして、広範な社会経済活動にわたる自給自足を確保しなければならない。

メドベージェフ首相が示唆したような、現代テクノロジーによって強化された有機農業は、ロシアの食料安全保障を、現在そして将来にわたって確保する 力がある。より健康な、GMO成分を含まない食品に対する需要が世界的に増えつつあり、有機農業に傾斜した国家政策は、最終的に、ロシア国境を越え、経済 上の優位性にもなり得よう。世界中の他の国々、コミュニティーや、実際、個人も、自国の食糧供給を確保するこの基本的第一歩を良く見て、国家、地方、個人 の主権にとって、また経済見通しを良くする手段としても、それが、どれほど重要か理解すべきなのだ。

欧米の巨大農業独占企業は、世界中で、国全体の食糧供給に潜入、侵略しようとしており、地政学的に、影響力を与えたり、支配したりすることを狙って いる相手国に対し、打撃の大きい経済制裁を狙っている。欧米超巨大農業独占企業に依存させられるようになった国家は、万一既存の政治秩序を弱体化し、打倒 する為の、経済制裁や、他の手段の標的にされた場合、攻撃にきわめて脆弱になるだろう。だから、有機農業を進めることは、国の国民の健康を維持し、一層生 産的にするだけの手段ではなく、国家主権を守る根本的な手段でもある。

超巨大農業独占企業からの見返りという近視眼的な利点では、世界中の政府にとって、今日は、そそられるものかもしれないが、明日には、そうした政府 の有用性が尽きたと欧米が感じて、新指導部か必要だと思った際には、欧米が、その政府を絶滅させるのに利用する「てこ」になりかねない。GMOの利点を信 じる国々では、外国による食糧供給がもたらす外国による支配の様々な危険に機先を制して、国民は、そのようなテクノロジーは、国家独自に開発され、導入さ れ、規制され、監視されるよう要求すべきだ。
Ulson Gunnarは、ニューヨークを本拠とする地政学専門家で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”ライターである。

記事原文のurl:journal-neo.org/2014/05/02/russia-gmo-and-the-geopolitics-of-organic/