2012年9月11日火曜日

【あべ文子のあっちこち】バイオハザード


あべ文子

就学前の子どもを持つ若い友人が、緊急入院した。最初の意識不明の段階からは解放されたが、退院した現在、言葉や文字に対して不自由でリハビリ中という。

海のほとりに住み、家族と共に健康食品や化粧品を扱う素敵なお店を経営し、かたわら仲間と共にお米などを作っている。漁業権も持っていて、生ひじきや海藻など、海の幸には事欠かない。

空気のいい海の近くで、健康そのものの生活に、襲いかかった災い。私はバイオハザードを直感した。

古くは水俣病やスモン病,アメリカで昭和電工が引き起こした健康補助食品・トリプトファン事件など。最近では肺ガン用抗癌剤イレッサの問題がある。「肺ガンにかかった時、ガン細胞だけを狙い撃つ夢の新薬。入院の必要はない。好きな時に1日錠飲めばいい」と医者にすすめられた肺ガン用抗癌剤イレッサは,承認後わずか2年半で557人の命を奪った。アメリカでは2003年承認、2005年に投薬禁止、EUでは2005年に承認申請取り下げ、その後2009年に適応限定で承認、スイス、カナダ、オーストラリアでは、原則投与禁止。

日本ほどこのイレッサの使用を認めている国はない。2003年、遺族が製薬会社と国をあいてに訴訟を起こした。しかし、失われた命と健康は永久に償えない。

原子力委員会と全日本スパイス協会が推薦する放射線「照射食品」も問題になっている。大好きなカレーの材料のジャガイモが芽止めのために照射され、市場で見かけることもあった。身近な野菜では、ウコン、たまねぎ、人参、にんにく、ショウガ、ゆず、ニラ、ねぎ、ごま、セロリーなど、94種類もの野菜やスパイスが腐りにくくするために、照射の要請が出されている。放射線照射のベビーフード事件で、食品衛生法違反で、新聞に取り上げられたこともあった。



オーストラリアでは、固有の動植物を守るために、照射されたペットフードが輸入されたが、それが猫達に足の麻痺を引き起こし、2009年に照射禁止になっている。(「照射食品反対連絡会事務局」ホームページより)

いまや私達も身の回りは危険で一杯だ。もし、表示されないまま、照射食品が出回っているとしたら、どういう異変を私達にもたらしているのかわからない。原因不明の病気なら、これらの薬害を疑うこともできるけど、野菜の照射では、まさか野菜が原因とは本人も思わないし、まして医者に主張することも出来ない。


私達は流されて、大変な時代を招来してしまった。まずは、身の回りの食品や生活用品、生活習慣の点検から初めて、それを口コミしていく必要があるのだろう。一方で、原発廃止、遺伝子組み換え技術の中止を訴えていかねばならないだろう。あらゆる機会に、私達は子ども達を守らなければならない。

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