2012年6月1日金曜日

【映画】相馬看花 第一部 奪われた土地の記憶

転載 http://a-shibuya.jp/archives/3006

土地を奪われた怒り、哀しみ――でも、それだけじゃない。ここで出逢った想いを、言葉を、伝えたいと思った。
■上映スケジュール
5月26日(土)ー 6月15日(金)
10:30 18:55
■(5.26修正)監督舞台挨拶スケジュール
5月26日(土)10:30の回上映後、18:55の回上映後、5月27日(日)10:30の回上映後、18:55の回上映前
上記各回、松林要樹監督による舞台挨拶を行います
6月16日(土)以降時間調整中
■料金
特別鑑賞券1300円 劇場窓口にて5月25日(金)まで販売中
当日券 一般=1700円/大学・専門学校生=1400円/シニア=1200円/高校生=800円/中学生以下=500円
■作品紹介

(C)松林要樹
相馬看花 -第一部 奪われた土地の記憶-
2011年│日本│HD│109分
山形国際ドキュメンタリー映画祭2011 Cinema with Us正式招待作品
第36回香港国際映画祭正式招待作品
http://somakanka.com
監督:松林要樹 製作:3JoMa Film 配給:東風 (C)松林要樹 イントロダクション
福島第一原子力発電所から20キロ圏内にある南相馬市原町区江井地区。津波と放射能汚染と強制退去で様変わりしたこの地域へ、松林要樹は救援物資を携えて 向かった。市議会議員田中京子さんとの偶然の出会いから、松林の取材生活が始まる。ときに避難所で寝泊まりしながら、被災の後に流れる特異な時間を現地の 人々と共に生き、その表情と肉声を間近から捉える。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2011で本作が上映されると、会場は笑いと涙につつまれた。逆境に立ち向かう者同士が交わすユーモア。いつの世もかわら ぬ男女の機微。土地を、自由を奪われた人々の背景で咲き誇る桜の花。いくつもの美しい映画的な瞬間を湛えながら『相馬看花』は、原発事故によって奪われた 土地の記憶へと迫っていく。
映画『相馬看花』タイトルの由来
タイトルは、中国の故事「走馬看花」からとられた。本来は「走る馬から花を見る」、つまり物事の本質でなくうわべだけを見てまわることの意。しかし、イラ ク取材中に亡くなったジャーナリスト・橋田信介さんは、あえて「走っている馬の上からでも、花という大事なものは見落とさない」と解釈し、よきジャーナリ ストの象徴のような言葉に読みかえていた。橋田さんを私淑する松林は「走馬」を「相馬」と置き換え本作のタイトルとした。
■コメント

(C)松林要樹
日常の全てを奪われてもなお
福島の人々のなんと優しいこと。
カメラはその優しさと一緒に飲み込まれた想いをそのままに
映し出し、怒りよりもいっそう愛しく胸に響いてくる。
鎌仲ひとみ――映像作家/『ミツバチの羽音と地球の回転』
ついにできた福島の「映画」。
ここに流れる有限の時間、その中で咲く喜怒哀楽のかたちを、
同じ時間の中で捉えきった松林監督に喝采。
三浦哲哉――映画批評家/Image.Fukushima代表
被写体である南相馬のおじいちゃんが親しみをもって自分のカメラで監督の写真を撮る。
そんな一連のさまを自らのカメラにおさめられる監督が一体どれだけいるだろうか。
ただただ静かなこのワンシーンが、松林監督の稀有な視点と誠実さとを伝えている。
寺尾紗穂――シンガーソングライター/エッセイスト
松林君、オレの映画なんかの助監督やりたいなんて言わず、
ドキュメンタリーの現場をあと10年駆けずり回りなさい。
長谷川和彦――映画監督
■監督プロフィール

(C)松林要樹
松林要樹(まつばやし・ようじゅ)
1979年福岡県生まれ。福岡大学中退後、経文みたいなものを求めて天竺めがけて一人旅。日本映画学校(現・日本映画大学)に入学し、原一男、安岡卓治が 担任するゼミに参加。卒業後、東京の三畳一間とバンコクの安宿を拠点にアジア各地の映像取材をして糊口をしのぐ。2009年に戦後、タイ、ビルマ国境付近 に残った未帰還兵を追ったドキュメンタリー映画『花と兵隊』を発表。第一回田原総一朗ノンフィクション賞を受賞。2011年、森達也、綿井健陽、安岡卓治 とともにドキュメンタリー映画『311』を共同監督。著書に「ぼくと『未帰還兵』との2年8カ月」(同時代社)、共著に「311を撮る」(岩波書店)。

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