2011年8月29日月曜日

【原発アクション】知ろう福島 変えよう私たちの生き方 樋口健二さん・長谷川健一さん講演会(東京)

知ろう福島 変えよう私たちの生き方
<樋口健二さん・長谷川健一さん講演会>

樋口健二さん
長野県出身 報道写真家。原子力発電所における被曝労働等の取材で知られる。
2001年 核のない未来賞 教育部門賞受賞。著書『原発被曝列島』など。

長谷川健一さん
福島県飯舘村の酪農家。飯舘村前田地区区長。
福島県酪農業協同組合理事。大多数の住民が避難した今も村に残り、見回りを続けている。
事故後に購入したビデオカメラで村の現状を記録、各地で自らの体験を語り始めた。

*皆さんとの討論会の時間も準備しています。

日時:9月4日(日)
13時会場 13:30~16:30

会場:中央区立日本橋公会堂 第3第4会議室(2F)
   (中央区日本橋蛎殻町一丁目31番1号日本橋区民センター内)

最寄駅(東京メトロ)
・半蔵門線「水天宮前」駅 6番出口より徒歩約2分 ・日比谷線「人形町」駅 A2出口より徒歩約5分
・東西線「茅場町」駅 4a出口より徒歩約7分
  (都営地下鉄) 浅草線「人形町」駅 A3出口より徒歩約7分

地図:www.usknet.com/seminar/nihonbashi_kokaido.htm
参加費:500円(資料代)
問い合わせ:佐々木ssk3630z@vesta.ocn.jp
090-6487-5588

主催:知ろう福島変えよう私たちの生き方9・4集会実行委員会

2011年8月28日日曜日

「母国語」の前にある「母語」の存在 ー子どもの深い悲しみー

あべ文子

水田トラスト運動の最初から、10口参加して、協力を惜しみなく与えてくださったお告げのフランシスコ姉妹会のシスターが手紙を下さいました。聖フランシスコ子ども寮のシスター・Kさんです。

子ども寮は、久が原の本部修道院の一画にあり、ほとんどが本人に責任のないことで起こっている父または母の虐待(なんと悲しみを深くする言葉でしょう)を受けて、社会的に保護され、ここにたどり着いた子ども達が生活しています。

諸事情で親と一緒に育てていくことが出来ない子をシスター達は愛いっぱいで育てていらっしゃいます。

私が訪問した時、よちよち歩きで幼児表現としての言葉もままならない幼児が、私の手をしっかり握り、広い寮内の自分の過ごす部屋、食堂、遊び部屋などを案内してくれるのです。 胸いっぱいで手を引かれて歩んだのを忘れることが出来ません。

成長して大学に行きたいという希望もかなえられるシステムも整えられました。そこでのシスターKさんの悩み。

「子ども寮で35年過ごし、どうしてもわからなかったことがあります。わからないというよりも、どうしていいのかわかりませんでした。それは「言葉」です。
子ども達に言葉を入れるにはどうしていいのか悩み続けていました。

いろいろな方法をとってきました。小さい時から絵本を読むこともそのひとつですが、絵本を読む以前の問題があるように感じていました。

最近読んだ本、井上ひさし著「日本語教室」の中で、母国語と母語とは全く質が違うもので、生まれた時から脳が育っていく時に、お母さんや愛情を持って世話をしてくれる人達から聞いた言葉、それが母語です。

赤ちゃんは自分を一番愛してくれる人の言葉を吸い取って、学びながら、粘土みたいな脳を細工していくわけです。言葉は道具ではないのです。第二言語、第三言語は道具ですが、母語=第一言語は道具ではありません。母語は精神そのものであることがわかってきました。

赤ちゃんの時からもマイナスの言葉をいつも聞いてきた赤ちゃんが、虐待のことばでこころを形成していれば、私が長年悩んできた理由がわかったように思いました。時間のかかることであっても、日常生活の中で子ども達に、プラスの言葉と経験がどれだけ出来ていくことかにかかってくると思いました。

虐待を受けた児童が年々増加していく中で、これからの養護施設での処遇にかかわる私達も、母語を持っているとすれば、お互いが優しく支えあい、お互いの母語を大きくしていくことも必要かと思います。(6月14日シスターKさんの手紙)

私達の社会には、3・11の震災で親を失った子ども達、震災や人災で幼い子ども達の心身に打ち込まれた悲しみがあります。水田トラスト会員の皆様、どうぞこの子ども寮の子ども達のも暖かい関心をお示しくださいませ。」

本部修道院連絡先:03-3751-1230


2011年8月23日火曜日

【原発アクション】脱原発のジャンヌ・ダルク

“脱原発のジャンヌ・ダルク”と呼ばれて注目を集めている藤波心さん。知らなかった!
田中正治


反原発14才アイドル 山本太郎批判に「叩き潰すのよくない」
http://www.news-postseven.com/archives/20110819_28339.html
脱原発を堂々と表明する芸能人が増えている!
http://www.tokyo-sports.co.jp/writer.php?itemid=14984

2011年8月21日日曜日

【原発アクション】東北コットンプロジェクト

田中正治

「天衣無縫」というオーガニック系コットン原料とした衣服の会社の藤沢社長が、実は新庄水田トラストの会員なのです。

この天衣無縫も参加している「東北コットンプロジェクト」が立ち上がっています。

こういう支援の方法もあるんだ!と感激です。詳しくは以下のURLでご覧ください。

http://www.tohokucotton.com/


仙台東部地域綿の花生産組合 組合長 赤坂芳則
東日本大震災による大津波で、家も作業場も機械も道具も全て流失、仙台東部地域の農業施設も崩壊。田んぼや畑も、瓦礫や塩害で作付け不可能になってしまいました。
しかし、「この広大な農地をこのまま荒廃させてしまう訳にはいかない。一時も早くこの地を農業地帯として復興させたい」という想いから、その第一歩として、塩害に強いといわれる「綿花」の生産という自分達にとって全く考えても見なかった未知の農業へ挑戦する事になりました。

この地に「綿の花」という希望の花を咲かせ、全てを失い悲痛な思いで生活をしている被災者の心に明るい火を灯すとともに、一大産地化による新たな雇用の場の創出や地域の復興につなげたい。その為にも、アパレルのブランド、メーカー等、多くの関係者と力を合わせ、このプロジェクトを成功させたいと思います。

村上春樹氏がスペイン・カタルーニア国際賞受賞

3・11と東日本大震災と原発事故についてのメッセージです。
8月9日に東京新聞でも全文掲載されましたが、動画でも見ることが出来ます。
とても教えられることが多いものでした。(田中正治)










2011年8月13日土曜日

【福島原発】原子力安全委員会「泊原発」再稼働審議の実態

転載:福島原発事故緊急会議 情報共同デスク

安全性の「二重チェック」を担保するとして、昨日2011年8月11日午後に開かれた原子力安全委員会。その実態は、わずか15分の形式的審議によって、泊原発3号機の再稼働(営業運転)を追認するものでした。

傍聴した市民による怒りの叫びによって、茶番劇は途中休演に追い込まれました。



Video streaming by Ustream

◇原子力安全委員会で傍聴していた反原発団体などが一斉に反発
班目委員長が一時休会宣言(8/11、FNN動画ニュース)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00205246.html

◇泊原発3号機運転再開を了承 安全委 傍聴者から怒号も
(8/11、47news動画)
http://www.47news.jp/movie/general_politics_economy/post_4807


【シンポジウム】大震災・原発事故をのり超える有機農業

転載

日本有機農業研究会 40周年記念シンポジウム
大震災・原発事故をのり超える有機農業
http://www.joaa.net/moyoosi/mys-101-0628.html

 1971年10月に創立した日本有機農業研究会は、今年40周年を超えました。その節目の年に日本は大変な難関に遭遇しています。 これまでに培ってた有機農業の成果を、これからどのように活かしていくのか。とりわけ、あって はならない原発事故が起きた中で、どう対処し、どのように脱原発社会へ向かうのか。みんなで話し合っていきたいと思います。是非お集まりください。.

■日 時:2011年8月27日(土)
受付け9:30~/シンポジウム10:00~17:00/記念懇親会18:00~20:30

■プログラム
シンポジウム 3階 国際ホール
開会挨拶、来賓挨拶 10:00~10:20

テーマ (1)有機農業の生産現場と放射能汚染 10:20~12:45
司会 相原 成行さん(日有研理事・相原農場)
報告 
野中 昌法さん(新潟大学農学部教授)
大内 信一さん(福島県・二本松有機農業研究会)
魚住 道郎さん(日有研副理事長・魚住農園)
舘野 廣幸さん (日有研理事・有機稲作)
討議

テーマ (2)放射能汚染と食生活 13:30~14:50
司会 安田 節子さん(日有研理事・食政策センター・ビジョン21)
報告 大石 光伸さん(常総生協副理事長)
若島 礼子さん(安全な食べ物をつくって食べる会)
討議

テーマ (3)有機農業がめざす脱原発と自給・共生の社会 15:00~17:00
司会 並木 芳雄さん(日有研理事・並木農園)
報告 槌田 劭さん(京都・使い捨て時代を考える会)
星 寛治さん(山形県高畠町・有機農家)
討議
記念懇親会 4階 富士の間  18:00~20:30


■会 場:日本青年館 国際ホール(東京都新宿区)
■交 通:
・JR中央線・総武線 千駄ヶ谷駅・信濃町駅下車 徒歩9分
・東京メトロ銀座線 外苑前駅下車 徒歩7分
・都営大江戸線 国立競技場駅下車 徒歩7分

■参加費:
・シンポジウム;1500円(定員300名)
・懇親会;6000円

■お申し込み:事前に電話・FAX・メールのいずれかで下記の申込み先にお申込みの上、当日受付にて参加費をお支払い下さい。
※申込時には、住所・氏名(ふりがな)・連絡先(電話)をお知らせください。
※記念懇親会は、必ず事前に申し込んで下さい。
※なお、シンポジウムについては、当日受け付けもできます。

【申込み先】
日本有機農業研究会事務局
〒113-0033 東京都文京区本郷3-17-12 水島マンション501
Tel:03-3818-3078 Fax:03-3818-3417 E-mail info@joaa.net

【原発アクション】9・11再稼働反対・脱原発! 全国アクション

【転載】

◇再稼働に反対! 運転中の原発も止めよう! 来春の全原発停止を実現しよう!
◇安全委員会、保安院に安全審査の資格なし! ストレステストはいんちきだ!
◇福島の人々とともに、放射能から子どもたちと労働者を守ろう!
◇電力は足りている! エネルギー浪費をやめて、自然エネルギーへの転換を!

【呼びかけ】
9月11日は、福島原発震災の発生から半年。

今なお大地や大気や海への放射能の放出は続き、人や動物や自然を傷つけています。特に、子どもたちや原発労働者の被ばくは深刻です。

原発の再稼働を止めれば、来春5月にはすべての原発が止まります。
原発現地と連けいし、全国、全世界の人々とともに、
9月11日に再稼働反対・脱原発の一斉アクションを呼びかけます。

9月11日は声をあげましょう!
原発なしでも大丈夫! 再稼働を止めて、脱原発へ!

【呼びかけの経緯】
 再稼働を止めれば来春にはすべての原発が止まる! 脱原発の最短コースが見えてきました。「6・11脱原発100万人アクション」の成果を引き継ぐ形で、福島原発震災の発生から半年となる9月11日に、「再稼働反対・脱原発!」を掲げた一斉アクションを呼びかけようということになりました。

 原発を監視するはずの保安院の「やらせ指示」もマスコミに暴露された今、安全委員会や保安院に安全審査の資格はまったくないことは明らかです。

 実行委員会には、東京で「6・11アクション」を担った福島原発事故緊急会議、eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)、エネルギーシフトパレード、芝公園などのデモの主催関係者などが関わっています。

 原発現地での再稼働反対などのアクションと、そこへの各地からの結集、さらに、都市部・各地での連帯アクションが呼応するような形を目指しています。なお、「さようなら原発1000万人アクション」が呼びかける9月18~19日の脱原発アクション(5万人行動など)とも連けいして取り組みます。ぜひ各地でも取り組みをご検討ください。

※アクションは、デモやパレード、申し入れ、講演会、上映会、広場、チラシまきなど多様な形を歓迎します。また、9月11日(日)を基本としますが、その前後、例えば9月10日(土)のアクションでも構いません。
※今後の詳細は「9・11-19脱原発アクションウィーク」ウェブサイトにて発信していきます。 アクションの登録もどしどしお願いします。
  ↓ ↓ ↓
 http://nonukes.jp/

【経産省を人間の鎖で囲もう!1万人アクション】

東京では、9月11日(日)午後に、経済産業省を1万人の「人間の鎖」で包囲するアクションやデモなどを行います。ぜひご参加ください。
 13時    日比谷公園集合
 13時30分 デモ出発
 15時30分 経済産業省・1万人の「人間の鎖」行動スタート!
 (17時まで)

 【呼びかけ】
「9・11再稼働反対・脱原発!全国アクション」実行委員会
[連絡先] ピープルズ・プラン研究所
(TEL)03-6424-5748 (FAX)03-6424-5749

【福島原発】毎日放送「原発作業員の実態」(8/9放映)


20110809 原発下請け作業員の実態 投稿者 PMG5

テキスト書き起こし:http://www.mbs.jp/voice/special/201108/09_89.shtml


 地震と津波による「福島第1原発」の事故から11日で5か月が経ちます。

 原発で働く作業員なら誰でも持っている「放射線管理手帳」に、日々、被ばくした線量を事業主が記入していくことになっています。

 事故の後、この手帳の発行数が去年の3倍にもなったそうです。

 今回は、こうした危険な現場で日々復旧に汗を流す下請け作業員の実態に迫ります。



 原発作業員およそ1,000人が宿泊している福島県いわき市の温泉街。

 街は暗いうちから動き出し、朝5時ごろにはバスや車が現場へと出発していく。

 「協力会社」と呼ばれる下請の作業員たちだ。

 作業員らが「1F(いちえふ)」と呼ぶ「福島第1原発」。

 屋外では先週、人がほぼ確実に死亡する放射線量1万ミリシーベルトが計測された。

 未だ高い被曝リスクと隣り合わせの作業だが・・

 <原発作業員>
 「日給も安いし、保険も何も入ってないし」

 <原発作業員>
 「言い方は悪いけど、使い捨て」

 (Q.電力会社の存在っていうのは?)
 <原発作業員>
 「お殿様ですね。はっきり言って」

 多重の下請構造が続く原発労働の裾野で今、搾取の構図が見え隠れする。

 「福島第1原発」から南へ30キロ圏内に位置するいわき市。

 取材班は、ここで3人の作業員と出会った。

 3月11日に「福島第1原発」にいた中村さん(仮名)。

 今もあの日のすさまじい体験が頭から離れることはない。

 <福島第1原発で作業 中村さん・仮名>
 「扉が全部開いちゃったから。それが、どんどんあたって。そんであと、ほこりで真っ白になっちゃった。若い子はわかんないからね。『親方、こんなとこで死にたくない、死にたくない』ってすごい騒いでいた。そんでもねえ、階段をあがっていって、入り口がいっぱいでね。そこで、放管(放射線管理者)さんが出口でひとりひとり(検査を)やっていたから、いつもどおり。そんで後ろのほうで、『こんなことしていたら、津波でやられてしまうぞ』と、最後は『わー』とみんな出ちゃった。1人ひとりサーベイ(検査)受けていたら、絶対、あの津波に飲み込まれてたぶん死んでいると思う」

 高台の事務所に避難した直後、発電所は津波に襲われた。

 下請けで働く電気技師の中村さんは、これまで全国7か所の原発を渡り歩いてきた。

 <中村さん・仮名>
 「『Jビレッジ』が見えるから。あの屋根がそうだ」

 この日、取材班は中村さんと原発の前線基地「Jビレッジ」へと向かった。

 この先は原発20キロ圏内。

 警察官の姿がものものしい。

 中村さんは、少し離れた場所で最初に事故現場に戻ったときの被ばくの恐怖を語ってくれた。

 <中村さん・仮名>
 「ケガしたら内部被ばくだから。ガレキがうんとあるから、歩いていても足元を注意して歩かないと、鉄筋が立ってたりなんかしているから、そこをブスッとやったら、そっから内部被ばくだから。そういうのが一番怖かったね。仕事そのものより」

 内部被ばくとは、口や傷口から体内に入った放射性物質が遺伝子などを傷つけ、やがてガンなどを発症させる要因となる。

 こうした放射能への予防教育は、通常ならば数日かけて何度も行われることになっている。

 しかし今回、素人同然の作業員が多くいたと国の専門官は指摘する。

 <厚生労働省労働衛生課 安井省侍郎専門官>
 「(東京電力は)3月中については十分な(放射線)教育をする時間はなかったと。4月に入っても、せいぜい出来ても15分とか30分とかそういった程度の教育しかなかなか出来ていない。内部被ばくの危険性が十分に伝わっていないというのはあると思う」

 末端の作業員は命を削って、対価をもらっていたことになる。

 だが、その対価までもが途中でピンハネされる実態があるという。

 <原発作業員>
 「当たり前だと思う。当たり前に普通にやられている」

 <元暴力団関係者>
 「そいつら、もうけることばっかり言っている。3万抜けるとか、4万抜けるとか」



 なぜこうしたピンハネが、まかり通っているのだろうか。

 事故からまもなく5か月、未だに高い被爆リスクと背中合わせの作業が続く「福島第1原発」。

 下請けで働く電気技師の中村さんは、4月に「福島第1原発」に戻り、仲間と危険手当の話になったときあることに気づいた。

 <中村さん・仮名>
 「おいらは(危険手当を)もらっていて、同じ仕事してる他の会社の人ね、『いくらもらった』と言ったら(相手が)『いやあ、もらってねえ』って。こうなっちゃったんだ」

 今は「福島第2原発」で働く別の下請け会社の作業員、原田さん(仮名)も日当や手当がピンはねされる実態についてこう証言する。

 <原田さん・仮名>
 「当たり前だと思う。当たり前に普通にやられていることだと思う」

 震災前のことだが、こんな体験も…

 <原田さん・仮名>
 「そのときは(日当)2万2,000円から、1日もらったのが1万2,000円ですから、1万円抜かれていた」

 なぜ、こうしたピンハネが横行するのだろうか。

 背景には、電力会社に共通する多重の下請け構造がある。

 「東京電力」を頂点とすると、そのすぐ下に電力御三家と呼ばれる3つの「子会社」と、ほぼ同格の扱いを受ける大手メーカーなどが、元請けとして存在する。そこから多数の下請け企業、末端には派遣会社などが連なっている。



 現在の「福島第1原発」の元請けは22社。

 1次から4次までの下請け、「協力会社」は、ざっと470数社にのぼる。

 全国の原発作業員のうち、実に9割は電力会社の社員ではなくいわば下請けの人たちだ。

 たとえば、ある元請け企業は、事故直後からおよそ1か月間に限って、「特別危険手当」を支給すると決めたのだが・・・。

 <3次下請けの 中村さん・仮名>
 「(最初の1か月)全面マスクかけて現場いった人は1日10万円という『危険手当』。ああいうふうに個人にくれるやつ、これははねちゃいけないやつ、はねちゃいけないんだよね。それをはねるから辞めていっちゃう。もうやってらんねえって」

 また、別の元請け会社では、こんな話が聞かれたという。

 <2次下請けの 原田さん・仮名>
 「1次請けの社長さんに聞いたんですけど、『こういう状態で危険手当がなかったら、誰も来ないよ』と言うと(元請けが)『金が先かと、そういう会社とは一切取引しないよ。おつきあいしないよ』と言われたと」

 こうして、作業員の手当がカットされていくようだ。

 その一方で興味深いデータがある。

 過去の総被ばく線量をみると、電力会社の社員より下請会社の作業員の被ばく量の方がはるかに多い。

 賃金のピンハネに被ばくの危険。

 こうした下請けへのしわ寄せ構造は、原発の「定期検査」の仕組みと深い関係にあった。

 この日、福井県の「高浜原発」で13か月に1度の定期検査が始まった。

 稼働中の原子炉は、1基あたり300~400人で運転しているが、定期検査となるとその数倍、1,000人以上が集中的に作業にあたる。

 原発関連の会社の元社長は、こう悩みを打ち明けた。

 <原発関連会社の元社長>
 「(定期検査で)谷あいが出来てくる。忙しいときと、暇になったりと。ひとつの大きな悩みの種が谷あいを埋めることばかりだったでしたね。寝ても覚めても…」

 定期検査には大勢の作業員が必要だが、検査が終わるととたんに仕事がなくなる。

 さらに、作業員の年間被ばく線量には上限があるため、会社にとっては入れ替えのきく非正規の作業員の方が都合がいいというわけだ。

 元暴力団関係者のこの男性は、最近まで日雇い労働者を原発に送り込む仕事をしていた。

 彼のもとには事故以来、福島への誘いが相次いでいるという。

 <元暴力団関係者の親方>
 「きょうも朝から2回かかってきたわ、『5人ほどほりこんでくれ』って。そいつらは儲けることばっかり言っている。ひとりなんぼになるとか言って。3万ぬけるとか、4万ぬけるとか」

 もしピンハネに抵抗すると…

 <元暴力団関係者の親方>
 「(作業員が)いちゃもんつけたら、あべこべにいちゃもん言われる。『帰るか、帰るまえに死んで帰るか、どうする』と言われるぐらい。言いよるよ、ヤクザからんだ会社やったら」

 福島県いわき市の「ハローワーク」では事故以来、原発関連の求人が増えている。

 しかし、いずれも賃金は安い。

 <いわき市「ハローワーク平」 古生一郎所長>
 「日当8,000円もあるし6,500円~7,000円とか、賃金的条件は(震災前と)変わってないところが多い」

 加藤さん(仮名)は、原発関連の会社を数年前、解雇された。

 だが、日当8,000円で再び4次下請けの会社に就職し、「福島第1原発」の仕事をしている。

 <加藤さん・仮名>
 「仕事のないときに拾ってもらったので、仕方ないかなというのがある。仕事が本当にないので、この仕事を続けていくしかない」

 ずっと雇用保険に入っておらず、健康保険証も持っていない。

 東京電力によると、事故直後から4月末までに「福島第1原発」で働いた作業員のうち、184人の所在がわからないという。

 身元がわからず、内部被ばくの検査もできていない。

 こうした下請けの構造について東電は・・・

 <東京電力の会見>
 「(契約先の)元請け企業が実際にどういった企業を使っているかについては、基本的に私どもとしては口出しする立場にはないので」

 しかし国も、ずさんな作業員管理を問題視している。

 <厚生労働省労働衛生課 安井省侍郎専門官>
 「それは本当に非常に問題で、我々としても初めて聞いたときは信じられなかったんですけど、そんないい加減な管理をしていたか、と。ただ実態としてそういうことをやっていたということですので、大変残念です」

 最前線で働いてきた作業員たちは、今どこで何をしているのだろうか。

 末端にしわ寄せがいく下請構造の中で、中村さんは仕事を続ける理由をこう語った。

 <中村さん>
 「あの原子力、俺たち作ったほうだから。誰かがやらなきゃならねえとなったら、おいらみたいな
携わっているヤツがやるのが一番なんだよね、たぶん」

 ただ、こうも付け加える。

 <中村さん>
 「若い子には言うんだ。なるべく放射能のあるところでは仕事すんなよって。だけどね、仕事しなかったらお金になんねえ、お金がなかったら生活できねえからね」

 日々「福島第1原発」の現場で働く大勢の下請け作業員たち。

 彼らはきょうも生活のため、声を上げられないまま黙々と作業にあたっている。

2011年8月12日金曜日

【あべ文子のあっちこち】クロの散歩2

新庄水田トラスト世話人:あべ文子

クロの散歩エリアは今、稲の花盛りである。稲の穂がいっせいに出揃い、花の香りを強烈に発散している。見渡す限りの棚田。棚田の向こうの丘の裾野に人家が点在。

農家の人とであった。

私:“すばらしい稲の香りですね~”

農家の人:“そ~か!鼻がいいんだね”

そうか、絶えず稲のお世話をしている人には感じられないのか。稲のお世話をしない人(私)の特権なんだ。

鼻のいいクロは、この香りを満喫しているに違いない。尻尾をなびかせて車の後を走るクロ。かわゆい。

3月11日以降、放射能は降り続ける。

そうした中で迎えた8月6日、原爆の日。

広島に5万人が集まったといわれる原爆の祭典。

そうした人々の悲しみを知らず、やさしい目をして人々の中にいるクロ。2011年8月6日。今日はawanova、鴨川地域の交流の日。


2011年8月8日月曜日

【原発アクション】シンポジウム 脱原発社会は可能だ


http://www.parc-jp.org/freeschool/event/110923.html

3.11以降、日本人にとって最大の関心事は、原発とエネルギー問題です。

7月の朝日新聞の世論調査では、「脱原発」に賛成の人が77%を占め、その半分以上が10年以内に止めることを支持しています。世論は大きく変わったと言えるでしょう。しかし、政府や経済界の大半は、いまだに原発の稼働に固執し、成長信仰から抜け出せていません。

本シンポジウムでは、まず小出裕章さんに福島第一原発の現状と収束の見通しについてお話しいただいたうえで、脱原発社会・脱成長社会をどう創っていくかについて、それぞれの立場から議論したいと思います。なお、本シンポジウムは、7月に刊行された『脱原発社会を創る30人の提言』(池澤夏樹・坂本龍一・池上彰ほか)の出版記念を兼ねたものです。

■日時:2011年9月23日(祝・金)13:30~17:00(開場13:00)
■会場:法政大学富士見キャンパス・ボアソナードタワー26階スカイホール
    〒102-8160 千代田区富士見2-17-1
    地下鉄・JR 飯田橋あるいは市ヶ谷駅 徒歩10分
    地図:http://www.hosei.ac.jp/access/ichigaya.html
■参加費:800円(定員180名・予約優先)
■お申込み方法:電話・FAX・メールなどであらかじめお申込みください。
 ウェブからの申し込み:
 http://www.parc-jp.org/freeschool/other/form08.html

■プログラム(予定)
▽13:35~15:00
 ●講演 福島原発はいまどうなっているのか
     小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)
▽15:15~17:00
 ●パネルディスカッション 脱原発社会をどう創るか
     吉原毅さん(城南信用金庫理事長)
     纐纈あやさん(映画監督)
     明峯哲夫さん(農業生物学研究室主宰)
     小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)
     コーディネーター 大江正章さん(コモンズ代表)

■パネリスト紹介
●小出裕章さん
1949年、東京都生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、同大学院修了。
1974年から京都大学原子炉実験所助手(現在は助教)。愛媛県の伊方原発訴訟
では住民側証人をした。著書に、『原発のウソ』(扶桑社新書、2011年)、『放射能
汚染の現実を超えて』(河出書房新社、2011年)、『隠される原子力 核の真実』
(創史社、2011年)など。

●吉原毅さん
1955年、東京都生まれ。1977年、慶應義塾大学経済学部を卒業し、城南信用金庫
に入庫。懸賞金付き定期預金など新商品の開発や広報などに従事する。企画部長、
常務理事・市場本部長などを経て、2010年より理事長。

●明峯哲夫さん
1946年、埼玉県生まれ。北海道大学大学院農学研究科博士課程中退。消費者
自給農場「たまごの会」の創設運動に参加して以来、一貫して自給にこだわり
続けるとともに、人間と環境、人間と生物のあるべき関係について考察してきた。
著書に、『ぼく達は、なぜ街で耕すか』(風涛社、1990年)、『都市の再生と農の力』

(学陽書房、1993年)、『街人たちの楽農宣言』(編著、コモンズ、1996年)。

●纐纈あやさん
1974年、東京都生まれ。自由学園卒業。2001年ポレポレタイムス社に入社し、
映画『アレクセイと泉』(2002年)の製作・配給・宣伝に携わる。映画『ナミイと
唄えば』(2006年)のプロデューサーを経て、フリーに。『祝(ほうり)の島』
(2010年)は監督としての最初の作品。

〈共催〉
アジア太平洋資料センター
コモンズ
法政大学ボアソナード記念現代法研究所

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2011年8月6日土曜日

【TPP】震災復興を名目にTPP

震災復興」を名目に日本の農業・畜産業など食糧生産体制に壊滅的な打撃を与え医療崩壊をもたらすTPPが推進されようとしています。

米国戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン日本部長が「復興に向けた日米パートナーシップ」と題して講演した中には「医療については、福島原発事故の健康への影響や、医療の一体化について対応策を提示したい」とあり、明確に医療分野が狙われています。

TPP参加で震災復興促進を 日米経済協議会が共同声明
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110729/biz11072918230025-n1.htm


経団連タイムス No.3052 (2011年8月4日)
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2011/0804/04.html

2011年8月4日木曜日

【原発アクション】9・11再稼働反対・脱原発! 全国アクション

 
田中正治

再稼働を止めれば来春にはすべての原発が止まる!
「9・11再稼働反対・脱原発! 全国アクション」実行委員会が結成され、現在、「再稼働反対・脱原発!」を掲げた一斉アクションが準備され始めています。



◆ 9・11再稼働反対・脱原発! 全国アクション

◇再稼働に反対! 運転中の原発も止めよう! 来春の全原発停止を実現しよう!
◇安全委員会、保安院に安全審査の資格なし! ストレステストはいんちきだ!
◇福島の人々とともに、放射能から子どもたちと労働者を守ろう!
◇電力は足りている! エネルギー浪費をやめて、自然エネルギーへの転換を!

【呼びかけ】

9月11日は、福島原発震災の発生から半年。

今なお大地や大気や海への放射能の放出は続き、人や動物や自然を傷つけています。
特に、子どもたちや原発労働者の被ばくは深刻です。

原発の再稼働を止めれば、来春5月にはすべての原発が止まります。
原発現地と連けいし、全国、全世界の人々とともに、
9月11日に再稼働反対・脱原発の一斉アクションを呼びかけます。

9月11日は声をあげましょう!
原発なしでも大丈夫! 再稼働を止めて、脱原発へ!

【呼びかけの経緯(仮)】

再稼働を止めれば来春にはすべての原発が止まる! 脱原発の最短コースが見えてきました。「6・11脱原発100万人アクション」の成果を引き継ぐ形で、福島原発震災の発生から半年となる9月11日に、「再稼働反対・脱原発!」を掲げた一斉アクションを呼びかけようということになりました。
実行委員会には、東京で「6・11アクション」を担った福島原発事故緊急会議、eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)、エネルギーシフトパレード、芝公園などのデモの主催関係者などが関わっています。
原発現地での再稼働反対などのアクションと、そこへの各地からの結集、さらに、都市部・各地での連帯アクションが呼応するような形を目指しています。なお、「さようなら原発1000万人アクション」が呼びかける9月18~19日の脱原発アクション(5万人行動など)とも連けいして取り組みます。ぜひ各地でも取り組みをご検討ください。

◆東京では、9月11日(日)午後に、【経済産業省を1万人の「人間の鎖」で包囲するアクション】やデモなどを検討中です。

※アクションは、デモやパレード、申し入れ、講演会、上映会、広場、チラシまきなど多様な形を歓迎します。また、9月11日(日)を基本としますが、その前後、例えば9月10日(土)のアクションでも構いません。
アクションが決まりましたら、ぜひお知らせください。

※今後の詳細は「6・11アクション」の更新ウェブサイト(今後リニューアル予定)を活用して発信していく予定です。アクションの登録も可能です。→ http://nonukes.jp/

【呼びかけ】
「9・11再稼働反対・脱原発! 全国アクション」実行委員会
[連絡先] ピープルズ・プラン研究所
(TEL)03-6424-5748 (FAX)03-6424-5749

2011年8月3日水曜日

【共同声明】「原子力損害賠償支援機構法」は公正な賠償スキームを阻害

【転載】GREEN ACTION

【共同声明】

「原子力損害賠償支援機構法」は公正な賠償スキームを阻害する
原子力損害賠償法による賠償の「無限責任」を守れ


私たち市民団体は、本日成立した「原子力損害賠償支援機構法」の内容は、実質的に東京電力の安易な救済をはかるものであり、事故被害者の犠牲の下に依然として現在の原発推進政策・電力供給体制を温存するものとして、強く抗議します。
また、附則や附帯決議に盛り込まれた原子力賠償法第3条の見直しが、現行の賠償の「無限責任」を有限にし、賠償に上限を設けるものにならないか懸念しており、「無限責任」原則が今後も継続されることが確保されるべきであると考えます。
原発事故被害者への賠償の迅速な支払いが必要なことは言うまでもないことですが、これについては仮払い法によって確保できるはずです。今回の支援機構法は、下記のようにさまざまな問題を抱えているのにもかかわらず、あまりに拙速に成立しました。

  1. 法律は、東電役員、東電株主や金融機関等の大口債権者の責任について言及していない一方、税金投入と他の電力会社(原子力事業者)からの負担金、すなわち国民による負担が想定されており、公正な負担順序ではない。
  2. 電力市場は実質的に既存の10電力会社による地域独占体制が継続している。法律はこの地域独占を固定化し、現在の発電・送配電の一体経営を温存する。結果、電気料金は高く据え置かれ、自然エネルギーへの新規投資を停滞させる。
  3. 第1条(目的)に、「電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保を図り」とあり、依然として原発政策の維持推進を前提としている。
  4. 現在原子力損害賠償法において、原発事故で生じた損害に対する賠償に限度はないが、付帯決議として、この無限責任の見直しができる余地を残している。

私たちは同時に、迅速・公正な賠償の実現と責任所在の明確化、電力供給体制の抜本的改革と持続可能なエネルギー構造実現に向けて、以下引き続き強く要請します。

  1. 東電の債務超過を認め、破綻処理を行うこと。東電は100%減資し一時国有化し、金融機関等の債権者には債権放棄を求めること。その上で発電事業及び送配電事業を個別に売却し、賠償原資に充てると同時に、発電事業と送配電事業の分離を実現すること。
  2. 賠償負担による財政支出の削減は、原子力発電所を運営する企業が掛けている損害賠償責任保険金額(現在1200億円)の抜本的な値上げで対処すること。また再処理等積立金(2兆円以上)等を賠償原資とすること。

以上

脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会(eシフト)
国際環境NGO FoE Japan
グリーン・アクション
ハイロアクション福島原発40年実行委員会
福島老朽原発を考える会

連絡先: 国際環境NGO FoE Japan
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