2010年4月29日木曜日

遺伝子組み換え(GM)イネの承認撤回と栽培禁止を求めます

2010年4月12日


中国国家主席 胡錦濤様


遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
特定非営利活動法人日本消費者連盟


遺伝子組み換え(GM)イネの承認撤回と栽培禁止を求めます


 私たち「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は、日本の消費者団体が多数集まりつくった市民団体です。日本の8割近くの消費者が、遺伝子組み換え(GM)食品を食べたくないと思っており、その声を反映してつくられました。
このたび、特定非営利活動法人日本消費者連盟とともに遺伝子組み換えイネの承認撤回と栽培禁止を下記の理由から要請いたします。 もし、GMイネが栽培されますと、日本の消費者の中国産農作物への不信は高まり、不買運動が広がり、両国の友好にも影響がでかねません。そうならないためにも、深いご思慮に基づき、私たちの要請を実行に移されるよう、要望致します。


1、GMイネが栽培されますと世界的に悪影響をあたえます

 さて、貴国が遺伝子組み換え(GM)イネ2品種を2009年12月4日承認し、まもなく栽培が始まるという報道がありました。そこでは貴国の承認のプロセスによって、今後、品種登録を経れば商業栽培が可能となる、と述べられています。
 今回承認されたのは、華中農業大学が開発した殺虫性(Bt)イネ2種類で「汕優63号」と「華恢1号」だそうですが、このうち「汕優63号」はかつて違法栽培され、日本など世界数十カ国で流通していることが明るみに出たことがあります。これは当時、グリーンピースが分析して明らかになったもので、2003年と2004年の2年間にわたって種子が販売されていたようです。この違法流通は、世界中で確認されつづけており、今年に入ってもなお検出されています。この事件が示したことは、GMイネがいったん栽培されるとコントロールは困難になり、世界中を流通してしまうということです。もし、ふたたび貴国で栽培されますと、意図したか否かにかかわらず、わが国をはじめ世界中を流通することを意味します。

2、食品になった際の安全性が懸念されます

 このBtイネが作り出す殺虫毒素(Cry1Ac)は、アレルギー性疾患を引き起こす可能性があるとする論文があり、食品としての安全性に疑問が持たれているからです。

3、生物多様性への影響が懸念されます
 Bt毒素は、害虫だけでなく、蜜蜂やテントウムシのような益虫や水中昆虫にも悪い影響を起こすことが知られています。さらには殺虫毒素が土壌中に分泌されることで土壌微生物に悪い影響があるだけでなく、長期間栽培されれば回復困難な土壌汚染が起きる可能性もあります。

4、原生種汚染による生物多様性への悪影響も懸念されます

 メキシコでは、以前、栽培承認以前にトウモロコシの原生種汚染事件が起き問題になりました。貴国はイネの原産国であり、もっとも古くから稲作が行われてきたことにも象徴されるように、野生種が多く、もしメキシコのような事態になれば、生物多様性にあたえる影響が甚大です。

 今年は、国連の定めた生物多様性年であり、日本では10月に生物多様性条約締約国会議・カルタヘナ議定書締約国会議(COP10/MOP5)が開催されます。日本の消費者の関心も、いやおうなく高まっています。
 以上の理由から、2つのGMイネの承認撤回と、栽培禁止を求めます。

以上


連絡先:遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19-207
電話:03(5155)4765 FAX:03(5155)4767
Eメール:office@gmo-iranai.org



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