2009年12月20日日曜日

いのちの未来をひらくトラスト

阿部文子



社会と経済の領域では「トランジション」(Transition)という考えが若者の中から出てきて、急速に広がりつつあります。

競争原理に基づく経済ではなく、支えあうことに価値を見出す経済へ、より多くのお金を得ることではなく、より多くの人と信頼しあう経済へ。社会のかかえる問題を事業として解決していく経済へ。

協同組合、市民バンク、フェアトレード、コミュニティートレード、社会的企業・・・一つ一つの規模は小さいけど、多くの人が生産者となり、生き生きと仕事をし、人と人との信頼に基づいた経済、こうした助け合いの仕組み(連帯経済)は、私たちの周りにも多くなってきた。

世界企業モンサントや多くの多国籍企業アグリビジネスが推し進める人工的遺伝子組み替え農産物への世界的NO!を、遺伝子組み替え食品に反対する仲間とともに現実の力としてきた水田トラスト、大豆畑トラスト。

”青森県六ヶ所村に核燃料再処理工場はいらない”として、そこに住み、土に働きかけ、花とハーブの里としてチューリップを飢え、多くの若者たちの心のよりどころを開き、そのひとつとしてトラストを呼びかけてきたチューリップ畑トラスト。

相互扶助・連帯経済への移行にともなって、これらのトラストは、現在的意義を新たにしています。いのちを開くトラストへの参加を呼びかけます。

さらに、苦悩するバングラデッシュ少数民族ジュマの人たちへの支援の方法を通して、新しい支援の方法を創り出してきた若者たちのジュマネット。

各々のホームページをご覧になって、支援の輪を広げてくださいますようお願いいたします。



http://www.nurs.or.jp/~suiden/(新庄水田トラスト)
http://daizubataketrust.sakura.ne.jp/(新庄大豆畑トラスト)
http://d.hatena.ne.jp/aresan/20090814/1250212194(チューリップ畑トラスト)
http://www.jummanet.org/(ジュマネット)


■トランジション・タウンとは

  ピークオイルと気候変動という二つの危機に対し、その対応策を国や企業に頼るのではなく、自分達の住む地域に着目して既にある地域の資源や人材、ネットワーク等を最大限に活用しながら、脱石油型社会へ移行していくための運動です。
  これはピークオイルや気候変動への対応策にとどまらず、地域や個人が大きな社会システムに依存することなく、真に自立した生き方や社会へ移行していくパラダイムシフトでもあるのです。
  この運動は2005年にイギリスのトットネスという小さな町で始まり、現在は世界中に取り組みが広がっており、日本でも神奈川県の藤野町や葉山町、東京都小金井市など7~8箇所でトランジション・タウンの活動が始まっています。

  *注)ピークオイル:石油の生産量がピークに達し、減少に転じること。



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