2009年12月20日日曜日

いのちの未来をひらくトラスト

阿部文子



社会と経済の領域では「トランジション」(Transition)という考えが若者の中から出てきて、急速に広がりつつあります。

競争原理に基づく経済ではなく、支えあうことに価値を見出す経済へ、より多くのお金を得ることではなく、より多くの人と信頼しあう経済へ。社会のかかえる問題を事業として解決していく経済へ。

協同組合、市民バンク、フェアトレード、コミュニティートレード、社会的企業・・・一つ一つの規模は小さいけど、多くの人が生産者となり、生き生きと仕事をし、人と人との信頼に基づいた経済、こうした助け合いの仕組み(連帯経済)は、私たちの周りにも多くなってきた。

世界企業モンサントや多くの多国籍企業アグリビジネスが推し進める人工的遺伝子組み替え農産物への世界的NO!を、遺伝子組み替え食品に反対する仲間とともに現実の力としてきた水田トラスト、大豆畑トラスト。

”青森県六ヶ所村に核燃料再処理工場はいらない”として、そこに住み、土に働きかけ、花とハーブの里としてチューリップを飢え、多くの若者たちの心のよりどころを開き、そのひとつとしてトラストを呼びかけてきたチューリップ畑トラスト。

相互扶助・連帯経済への移行にともなって、これらのトラストは、現在的意義を新たにしています。いのちを開くトラストへの参加を呼びかけます。

さらに、苦悩するバングラデッシュ少数民族ジュマの人たちへの支援の方法を通して、新しい支援の方法を創り出してきた若者たちのジュマネット。

各々のホームページをご覧になって、支援の輪を広げてくださいますようお願いいたします。



http://www.nurs.or.jp/~suiden/(新庄水田トラスト)
http://daizubataketrust.sakura.ne.jp/(新庄大豆畑トラスト)
http://d.hatena.ne.jp/aresan/20090814/1250212194(チューリップ畑トラスト)
http://www.jummanet.org/(ジュマネット)


■トランジション・タウンとは

  ピークオイルと気候変動という二つの危機に対し、その対応策を国や企業に頼るのではなく、自分達の住む地域に着目して既にある地域の資源や人材、ネットワーク等を最大限に活用しながら、脱石油型社会へ移行していくための運動です。
  これはピークオイルや気候変動への対応策にとどまらず、地域や個人が大きな社会システムに依存することなく、真に自立した生き方や社会へ移行していくパラダイムシフトでもあるのです。
  この運動は2005年にイギリスのトットネスという小さな町で始まり、現在は世界中に取り組みが広がっており、日本でも神奈川県の藤野町や葉山町、東京都小金井市など7~8箇所でトランジション・タウンの活動が始まっています。

  *注)ピークオイル:石油の生産量がピークに達し、減少に転じること。



2009年11月28日土曜日

GM技術は世界を飢餓から救えるか? ニューヨーク・タイムズの問いに世界の6人の識者が答える


農業情報研究所(WAPIC)
09.10.29


「途上国で食料価格が高止まりするなか、国連は世界の飢餓人口が2009年に1億人増加、10億人を突破すると推定している。11月に予定されているローマの世界リーダーサミットは飢餓を減らし、貧しい国における農業投資を増やす方法を議題に据えた。

 次の緑の革命は何が駆るのか。遺伝子組み換え(GM)食品が世界の飢餓への答えなのか。食料生産に違いをもたらす他の要因があるのか。」


ニューヨーク・タイム紙が、世界の6人の識者にこう問いかけた。これに対する6人の回答が、6日付の同紙に一挙に掲載されている。

 >> Can Biotech Food Cure World Hunger?,The New York Times,10.26


 それぞれの答えを簡単に要約してみよう。


Paul Collier:オックスフォード大学経済学教授・アフリカ経済研究センターディレクター

 GM作物・食品に関する論争は政治的・美学的偏見で汚されている。気候変動はGM採用を不可避にする。特にアフリカでは、変化する気候と人口増加に対処するために、作物の適応を加速し、収量を増やさねばならない。GMは、作物の適応を早めるとともに、化学的というよりも生物学的な収量増加へのアプローチである。GM拒否は、困難な問題を一層困難にする。




Vandana Shiva:インドにおける50万の種子保存者と有機農業者の運動・ナブダーニャの創始者

 GM技術は未だ収量を大きく増やしていない。気候変動への対応は重要だが、気候変動に耐える作物の形質を作るのにGMは必要ない。農民は、何世紀もの間、これら作物を進化させてきた。生産を増やし・資源を保全するエコロジカルなアプローチを、小農民と共同して作り出さねばならない。




Per Pinstrup-Andersen:コーネル大学教授、2001年世界食料賞受賞者

 途上国農民が自然資源を損傷することなく食料を増産するのを助けるのは、現存する貧困・飢餓・栄養不良を減らし、将来の世代が妥当な価格で食料を入手できるように保証するために必要な行動の不可欠な要素をなす。このためには、GM技術も含む科学が中心的な役割を演じなければならない。ただし、新技術は、商業的利用の前にテストされねばならない。とはいえ、それを利用しないことの健康リスクとの比較考量も必要だ。




Raj Patel:食料・開発政策研究所

 米国はGM農業で世界をリードしているが、アメリカ人の8人に1人が飢餓状態にある。去年は大豊作だったが、一日1900キロカロリー以下しか摂れない人が10億人もいる。今日の飢餓の原因は食料不足ではなく、貧困だ。世界の400人以上の専門家が3年以上をかけて作り上げた最近の報告・ “Agriculture at a Crossroads.” で、科学者たちは、GM作物は世界を養うという約束を実現するのに失敗したと結論した。この研究は、世界を養うには政治的変化と技術的変化の両方が必要だと示唆している。明日の農業は、もっと地域的にコントロールされ、地方的に適応する必要があり、気候変動と資源の希少性の難題に挑戦する多様なアプローチ―水の使用量が少なく、大量の炭素を貯留し、外部からの投入(石油)を必要としない、農業生態学的アプローチが必要だ。




Jonathan Foley:ミネソタ大学の新たな環境研究所ディレクター

 現在広くプロモートされている農業の二つのパラダイムがある。ローカルで有機的なシステムとグローバル化され、工業化された農業だ。これらのどちらも、それだけでは、環境影響を減らし、食料安全保障を改善するという我々の必要を満たせない。両者からアイデアを取り、生産を増やし、資源を保全し、もっと持続可能な農業を建設する新たなハイブリッドの解決策を創り出す必要がある。精密農業、ドリップ灌漑、土壌保全のための様々の農法など、多くの有望な方法がある。水と肥料の要求を減らす新たな作物品種の作出も必要だが、この場合、GM作物の利用は、慎重なパブリックレビューを経て、慎重に行うのが適切だ。




Michael J. Roberts:ノースカロライナ州立大学助教授

 新たなGM種子は収量増加を速め、気候変動の悪影響を相殺する可能性がある。今までのところ、GM作物は途上国における収量を上げてきたが、先進国では大した増加はなかった。収量は増えたとしても、自分の研究では、将来の基本的難題である極端な暑さへの耐性は増していない。緑の革命は驚異的市場からではなく、ノーマン・ボーローグのような人々が世界に広めた作物科学への公的投資から生まれる。ただし、作物科学研究への資金は減少の一途を辿っている。

2009年11月24日火曜日

ネットワーク農縁+新庄水田トラスト+新庄大豆畑トラスト 合同企画
2009年12月13日(日) 収穫・感謝祭のお知らせ

会員の皆様へ

・12/13の出会いを楽しみにしています。(今田多一)
・収穫の喜びを皆さんと分かちあえれば最高です。(星川公美)
・心豊かに食生活を。農業を一緒に考えてください。(吉野昭男)
・皆さんとお話しできることを、たのしみにしています。(佐藤恵一)
・ようやく収穫することが出来ました。東京で会いましょう。(星川吉和)
・今年も“おっとっと”に替わってうかがいます。ヨロシクネ!(遠藤信子)
・なんだか”同窓会”の趣です。楽しみにして、いそいそ、わくわく・・・と。(佐藤あい子)
・新庄の美味しいものをいっぱい食べてみなさんと一緒に楽しくしたい。よろしくネ。(髙橋保広)

ネットワーク農縁生産者より

チラシPDF(印刷用)


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2009年11月23日月曜日

クリントン国務長官(発言) 飢餓との闘いでGMが決定的役割 食料増産を助ける米国の主要手段

農業情報研究所(WAPIC)
09.10.17


ヒラリー・クリントン米国務長官が10月16日、「2007年以来60回もの食糧暴動で世界の安全保障を脅かすようになった飢餓との闘いにおいて、バイオテクノロジーが”決定的役割”を果たす」と語った。世界食料デーに因むビルサック農務長官との電話会談で、改善された技術(遺伝子組み換え=GM技術のことだ)が、諸国の食料増産を助けるために米国が利用する主要な手段の一つになると話したそうである。

 2050年までに世界食料生産を70%増やさなければ、91億人に増加する世界人口を養えなくなる(FAO:2050: A third more mouths to feed,09.9.23)、年に830億ドルもの途上国農業への投資が必要になる(FAO:On horizon 2050 - billions needed for agriculture,09.10.8)、地球温暖化によって2050年までに栄養不足の子供が2500万人増加するのを防ぐには農業研究・灌漑システム・インフラなどに年70億ドルの投資が必要になる(IFPRI:Climate change: Impact on agriculture and costs of adaptation,09.10.1)など、彼女も引用する最近の国連機関等の発表を真に受け、これに悪乗りしたものだろう。

 >> Biotechnology Is Key to Fighting Hunger, Clinton Says (Update1),Bloomberg,10.16

 食料問題や作物バイオテクノロジーについて、彼女がどれほどの見識を持っているというのだろうか。

 というより、どんな技術を使ったとしても、また土地の制約(これ以上の農地開発は、砂漠化と温暖化を加速させるだけである)と予測される気候変動のなかで、さらにはバイオ燃料用作物・植物の大増産も目論まれるなかで、70%の食料増産などまったくあり得ない話であることは、特別の見識などなくても分かり切ったことである。バイオテクノロジーがそれを可能にすると米国の技術を売り込むのは、特定集団を経済的に利するだけだったブッシュ政府の”イデオロギー”を少しも脱していないことを意味する。

 将来の食料問題を解決するのは、基本的には食料生産ではない。生産だけを見れば、現在の生産だけでも、現在の倍の人口も養うことができる。ストックホルム国際水研究所(SIWI)・国際水管理研究所(IWMI)の研究によれば、食べられる作物の収穫量は1人1日当たり4,600キロカロリー、つまり必要量の倍以上になる。にもかかわらず、収穫後の損失で600キロカロリー、一部を家畜に与えることで(肉などで取り戻される分を差し引いて)1200キロカロリー、流通過程と家庭における損失・廃棄で800キロカロリーが失われ、利用できるのは2,200キロカロリーに半減してしまうという(食料・水問題の解決には食料損失・廃棄の削減が決定的に重要ー新研究,08.5.26)。問題が”生産以後”にあることは明らかだ。

 その上、肥満・肥満病に悩まねばならないほどのカロリー過剰摂取がある。米国における1人1日当たり供給カロリーは、実に3754キロカロリー(2003年、FAOSTAT)にもなる(もう、化け物とでもいうしかない)。クリントン氏、食料増産よりも、お膝元の過剰消費を改めることが食料問題解決の一助になると知るべきである。GM技術による増産支援など、まったく余計なお世話である。

 [こう書いたからといって、とりわけ食料・栄養不足が深刻な途上国小農民の農業生産を持続可能な形で改善する必要性を否定するものではない。ただし、大規模モノカルチャーを不可避にするGM農業は排除されなばならない]


2009年11月1日日曜日

米国、GMテンサイ(サトウダイコン)の商業栽培承認に違法裁定!【転載記事】

09年9月22日米国カリフォルニア北地区連邦地方裁判所は、米国農務省(USDA)によるモンサント社の除草剤耐性(ラウンドアップレディ)テンサイの商業栽培承認は違法との裁定を下した。USDAは2005年の栽培承認に先立ち、重大な影響はないから環境影響評価書(EIS)の必要はないとしていた。

裁判所はGMテンサイの花粉が非組み換えのテンサイや近縁種のフダンソウ、テーブルビートと交雑し拡散する恐れがあり、これらの栽培農家が経済的損失を蒙ることから、あり得る拡散の結果を評価すべきとし、環境影響評価書の提出が必要と述べた。なお、改善のための法的手段に関しては未決定で、そのための審理は10月30日に開始される。

この裁定は、07年2月のGMアルファルファ違法裁定を踏襲したもので、GMアルファルファと同様にGMテンサイの商業栽培禁止へと発展する可能性がある。

GMアルファルファは、05年7月に米国農務省(USDA)はモンサント社の除草剤耐性GMアルファルファの商業栽培を承認したが、07年5月、カリフォルニア北地区連邦地方裁判所が、環境影響評価書が提出されるまで、全国的に禁止した。USDAは未だに環境影響評価書の提出を拒んでいるので栽培は禁止されたままである。

08年1月23日にUSDAのGMテンサイ商業栽培承認の差し止め提訴をした米国サンフランシスコのThe Center for Food Safety(CFS)、Organic Seed Alliance、Sierra Club、High Mowing Organic Seedsら、環境保護グループや有機栽培農家などの原告団は、GM作物栽培訴訟で連勝したことになる。これは米国において94年にフレーバーセーバー GMトマトが承認されて以来、既に商業化されたGM作物の栽培を差し止めた初の司法判断である。

日本はバイエルクロップサイエンス社とモンサント社のGMテンサイ3品種(いずれも除草剤耐性)を食用、飼料用に認可している。テンサイは、砂糖、ビートパルプ及び糖蜜に加工されたものが流通している。

ただ、砂糖用としてアメリカ産テンサイの輸入はないが、絞りかすを飼料用(ビートパルプ)として輸入している。糖蜜は、酵母、化学物質、医薬品の生産などに使用されている。今後GMテンサイの混入が避けられることを歓迎したい。

テンサイは他花受粉で、野生種、近縁種と交雑しやすく、風や昆虫によって運ばれる。裁判では、被告の科学者による交雑距離最高800メートルに対し、ひとつのレポートでは3200メートルの隔離距離で交雑は起こることや大気の状況によってはテンサイ花粉は24時間以内に、最高864,000メートル(864キロメートル)飛散し得ることが示された。GMテンサイの花粉汚染によって有機農家や非GM生産の農家が経済的損失を蒙ることは避けられない。

日本のGMイネなどの野外栽培実験指針に定められた交雑防止距離が、まさにこれと同等の問題を示している。

指針では、イネ30m、大豆10m、トウモロコシ600m(防風林がある場合は300m)、西洋ナタネ600m(周囲に1.5m巾の非組み換え西洋ナタネを作付けした場合は400m)。

これで交雑を完全に防止できるとはとうてい認められまい。上昇気流、強風、花粉源の広さ、気温、媒介生物、さまざまな要因を考慮すれば、野外栽培における交雑を完全防止できる距離を定めるのは困難だろう。

だからといって便宜的距離を定めるのは科学的真実から目を逸らし、災禍を先送りする無責任きわまりないものだ。GM栽培は汚染を避けられないとの認識にたてば野外栽培はしてはならないと判断するのがまっとうである。

モンサントのラウンドアップ(除草剤)耐性作物は、除草剤の恒常的な使用となり、ラウンドアップ耐性雑草の急速な出現を生んでしまった。現在、全米で、何百万エーカーも、スーパー雑草と呼ばれる除草剤耐性雑草によってコストと労力の大幅なアップで農家の収入減を引き起こしている。USDAデータの独立した分析(ベンブルック博士による)によると、組み換え作物が導入された1996年から2004年までの9年間で、米国では1億3800万ポンドの除草剤使用を増やしている。

これまで日本政府はGM作物栽培の開発、商品化を優先し、野外栽培実験を形ばかりの環境影響評価で強行し、交雑被害をうける農家や消費者の選択権をまったく考慮しないままで来た。政権交代による変革への期待として、環境汚染防止に真に有効な「栽培禁止」措置の実現を求めたい。(「いのちの講座」60号より)

【やすだせつこ.comより転載】
安田節子さんのご好意により転載させていただきました。



2009年9月18日金曜日

バリ島お米事情

事務局の根本です。
インドネシアのバリ島に行ってきました。
移動途中で見かけた棚田の写真を撮ってきたので、ご紹介します。


赤道直下にほど近いバリ島では、稲作は3期作だそうです。
日本の、東北出身の自分には、ちょっとイメージできません。


日本の棚田とちがって小さい。そして急斜面。
土手と畦(あぜ)も泥で固めてあるだけです。


3期作のせいか、田んぼによって成長がまちまちです。(奥は植えたばかりなのに、手前はけっこう育ってます)
1年中採れるから、いいのかな?

ここは棚田を見渡せるカフェになっていて、バリ島のコーヒーを飲むことが出来ます。
もともとは、ここも棚田だったのでしょう。


お米は、基本的には白米で食べますが、タイ料理などでもよく見かける玉子のせチャーハン=「ナシゴレン」がおいしくて安いです。(40~50円)


ご飯(ナシ)と、お好みのおかずが選べる「ナシチャンプルー」、50円。
「チャンプルー」=日本語の「ちゃんぽん」は、インドネシアでも通じるんですね。
飲食店は、どこも炎天下で営業しているせいか、ちょっと塩(+砂糖)がきつめでおいしい。
ふつうの野菜炒めも魚醤を使っているので、妙にコクがあります。


これは、おかわりでたのんだ「ミーゴレンチャンプルー」、30円。
(ミーゴレンは、やきそば。ミーは麺、ゴレンは炒め)
観光地に近いお店だったので、これでも現地価格よりは高めだと思います。

クタの裏通りにはもっと安くておいしそうな屋台が並んでいました。
ビニール袋に入った極彩色のスープやおかずは魅力的でしたが、時間切れで断念。

それと、バリ島で一番印象的だったのは、神へのお供え物(チャナン)。


チャナンはヤシの葉とお花で飾られた、かわいらしいお供えです。
バリ島でいちばん賑やかな都会のクタでも、朝と晩に、一軒ごとに置いてあるので、ぼんやり歩いていると思わず踏んづけそうになります。
ヒンドゥーの神々が生きているんですね。

2009年8月27日木曜日

山形県在来種のお米”さわのはな”、世界の「味の箱舟」に乗船!

阿部文子


 ノンフィクション作家の島村菜津さんは、スローフードジャパン「味の箱船」の担当でもある。
日本では、スローフードという言葉はスローライフやフェアトレードなどとともによく聞く流行ことばのように感じているが、実は、世界に広がる会員約8万人の世界的運動である。



 スローフード運動とは「・・・ただゆっくり食べることでも、ファストフード不買運動でもなく、食のグローバル化とともに世界を飲み込もうとしている味の均質化に抗い、土地土地の多様な味を守っていこう」
(「山形在来作物研究会報」島村菜津『在来種とスローフード』より)

という考えに基づいて、イタリアから起こった。

 基本的活動は、各国の会が、その土地土地の風土にあったやり方で活動するが、ゆるやかな指針が3つある。

①質のよいものを作ってくれる小さな生産者を守る
②子供たちを含めた味の教育
③ほっておけば消えそうな味を守る

この③に基づいて「味の箱舟」(アルカ)運動がある。



 ごく最近まで、東京のスーパーでは、大根といえばほとんど青首。
ジャガイモは男爵とメークイン。お米はコシヒカリが主流。リンゴやぶどうも2-3種類。

「味の均質化は化学調味料や大量物流によってばかりでなく、何より種から始まっていたのだ」(同)。


 日本では、仙台で「味の箱舟」の募集が始まった。大地を守る会が80年代から支援してきた岩手県の日本短角牛、北海道の八列とうもろこし、秋田のハタハタしょっつる、長野の親田辛味大根、山形の花作り大根や新庄水田トラストでもしっかり支援している”さわのはな”など。

 すでに9つが正式に世界の「味の箱舟」に乗船した。
特に山形のスローフード協会は、古株の貫禄のある協会である。

 大手スーパーに対抗すべく量から質への転換を図った「ワンストップ小山」の経営者・小山さんを会長として、気骨のある生産者が参加している。
銭金になるものを効率よく作るだけでなく、在来種を手間隙かけて作り続けている。

 ユーモアあふれる「味の箱舟」ツアーを開催したりして、山形の大地にスロー魂を根づかせている。

 BSE(狂牛病)に始まって、食中毒、表示偽装と効率ばかりを重視したフードビジネスの世界は、ますます、世界の消費者の信頼を失っている。
食の6割を海外に依存する日本には、独特のフードビジネスの問題が起こっても不思議ではない。

 「そんな中、在来作物を誰に頼まれるでもなく、ひょうひょうと作り続けている人がたくさんいる山形は、希望の先進地なのである。」(同)

そして、ひっそりとそれを支え続ける新庄水田トラスト会員も時代の希望なのである。


2009年エントロピー学会シンポジウム(第27回)案内


http://2009.entropy.ac/

テーマ: グローバル危機へのローカルからの挑戦
- 生命(いのち)と暮らしの視点から -

日時: 2009年 9月20, 21日
場所: 國學院大學渋谷キャンパス(東京都 渋谷区東4-10-28、渋谷駅から徒歩15分)
http://www.kokugakuin.ac.jp/guide/access.html

記念講演1: 「金融危機に対抗する地域再生の試み~ローカルからの新たな社会構想」
吉澤保幸(ぴあ(株)顧問・税理士、場所文化フォーラム代表幹事)
記念講演2: 「年越し派遣村から見えてきた日本と世界」
湯浅 誠(生活サポートセンター・もやい事務局長、反貧困ネットワーク事務局
長) 
シンポ基調報告:「グローバル危機と地域・循環の再生~食・農・環境からの展望」
古沢広祐(国学院大学経済学部教員)
参加費
一般  一日2000円 2日間 3000円
学生  一日1000円 2日間 1500円

以下、詳細******************

第27回エントロピー学会シンポジウムプログラム

第27回エントロピー学会シンポジウム
「グローバル危機へのローカルからの挑戦?生命(いのち)と暮らしの視点から?」
プログラム
【9月20日】 会   場 1105教室
10:00 受付開始
10:30 開会挨拶 菅井益郎(エントロピー学会代表世話人)
10:40 記念講演 1 
「金融危機に対抗する地域再生の試み ?ローカルからの新たな社会構想?」(60分)
吉澤保幸(ぴあ(株)顧問・税理士、場所文化フォーラム代表幹事)
11:40 質疑応答(20分) 司会:藤堂史明

12:00 昼    食
13:00 全体シンポジウム 「食・農・環境からの地域再生・循環の可能性」
①問題提起 (30分)
古沢広祐(國學院大學経済学部教員)
13:30 ②コメント・報告
金子美登(霜里農場・NPO法人全国有機農業推進協議会代表)(報告15分)
桜井薫(NPOふうど副代表・自然エネルギー事業協同組合(REXTA代表理事)(報告15分)
向田映子(女性市民コミュニティバンク代表)(15分)
14:15 パネルディスカッション(1時間30分)

15:45 休    憩
16:00 記念講演 2 
「年越し派遣村から見えてきた日本と世界」
湯浅誠(自立生活サポートセンター・もやい事務局長、反貧困ネットワーク事務局長)(60分)
17:00 質疑応答(30分)
司会:藤田祐幸
17:30 終    了
18:00?20:00 懇親会(國學院大學有栖川宮記念ホール:若木タワー18階)

【9月20日】 9月21日 一般講演  1101教室
9:50 一般講演(09:50?11:55)
司会 藤堂史明・鈴木明
一般講演①藤堂史明                   
「エントロピー経済学と価値・価格」
一般講演②飛田守孝
「産業連関表から窺える日本の温暖化と汚染のエントロピー論的一考察」
一般講演③鈴木明
「エントロピー論に基づく企業のあり方」
一般講演④重村光輝
「地域の資源循環と経済活性化の課題」
一般講演⑤伊津信之介
「近代の終焉に遭遇しファーミングを志す」

12:00 昼    食 
13:00 一般講演(13:00?14:15) 
司会 井野博満
一般講演⑥桐山信一 黒川富秋
「エネルギー・エントロピー教材としての常温熱機関」
一般講演⑦桑垣豊
「価値分布のある需要供給分析について」
一般講演⑧勝木渥  
「温室効果のメカニズムはどのように思い描かれているか」

14:15 5分休憩・移動
14:20 自主企画①(14:20?17:00)             
「ドキュメンタリー映画『こつなぎ?入会の権利をめぐる百年の記録』」 + 解説 
14:50 企画:横浜セミナー(田中良)           
15:00 映画上映
あいさつ:制作者 菊池文代
映画の解説
16:50
17:00?17:30 総括集会+世話人会(1103教室)

【9月20日】 9月21日 自主企画2  1103教室
9:50
1103教室
自主企画②(09:50?11:40)      
日本ではなぜ再生可能エネルギーが普及しないのか               

企画:小泉好延・菅井益郎   
安藤多恵子
「日本の太陽光発電の問題点」
大東断
「世界と日本の再生可能エネルギーの現状と将来予測」
浅川初男
「太陽光発電現場からの問題点」
井田 均
「風力発電の世界と日本の現場からの報告」
小泉好延
「日本の再生可能エネルギー普及拡大の原則」
コメンテーター 福本敬夫

11:40
12:00 昼    食 

【9月20日】 9月21日 自主企画3  1103教室
13:00
自主企画③(13:00?14:50)     
生ゴミ資源化ノウハウ           
企画:中村修 
和田真理
「生ごみ資源化 全国の自治体の取り組み状況」
西俣先子、遠藤はる奈、小泉佳子
「各地の生ごみ資源化取り組み事例」
中村修
「広域行政のさらなる広域化で、循環の取り組みと、焼却炉3分の1削減、コスト削減」

14:50 10分休憩・移動

【9月20日】 9月21日 自主企画4  1103教室
15:00
自主企画④(15:00?16:50)         
小水力の歴史と課題           
企画:中村修 
中島大
「小水力の課題と展望」
永井健太郎
「動力としての水力?日本・欧州の産業革命?」
松尾寿裕
「小水力の事例報告」
畑中直樹
「美郷町における小水力の可能性 投資とその波及効果に関する考察」
16:50
17:00?17:30 総括集会+世話人会(1103教室)

【9月20日】 9月21日 自主企画5  1104教室
09:50
自主企画⑤(09:50?11:40)     
エントロピー論再考2009      企画:桑垣豊(関西セミナー)       

安田祐介
「エントロピー増大”速度”」
川島和義
「無常系で考えるエントロピー論」
馬場浩太
「エントロピー論の新しい展開の可能性のために」
桑垣豊
「エントロピーが捨てられないのが問題か」 
11:40
12:00 昼    食

【9月20日】 9月21日 自主企画6  1104教室
13:00
自主企画⑥(13:00?14:50)
悪循環する金融危機と政治危機                        

企画:「金融・財政問題自主研究グループ」(青木秀和)
青木秀和
「金融財政政策に出口なし?29年恐慌との決定的相違点」
河宮信郎
「世界金融バベルの塔:歴史的建設過程と一挙的瓦解」
泉留維
「フレデリック・ソディの貨幣・金融改革論の再考」
森野栄一
「偽りの請求権分配:モーリス・アレの「資本課税及び貨幣改革論」再考」

14:50 10分休憩・移動

【9月20日】 9月21日 自主企画7  1104教室
15:00
自主企画⑦(15:00?16:50)    
地域社会経済論事始め                            

企画:田中伸一(関西セミナー)
田中伸一
「農林水産業の復活及び地方への労働力シフトの流れと新たに生じる諸課題」
深澤竜人
「循環型社会構築の礎としての非農家の農業参画に関して?必要労働量・規模・経費から小規模農業の有効性を検討」
森住明弘
「パソコンリサイクルは地域経済活性化の切り札」

2009年8月2日日曜日

低周波音って?

田中正治


現在、事務局の阿部さんと僕が住んでいる千葉県・鴨川と南房総市の境に、巨大風力発電建設計画が持ちあがっています。今現地では急速に住民の反対の声が上がっています。
いろんな問題が浮き彫りになってきていますが、ひとつ不気味なのは、風力発電機が出す低周波音です。
すでに建設され発電が開始されている、各地の風力発電周辺の住民から悲鳴が上がっています。

風力発電ではないのですが、僕は11年ほど前に、冷蔵庫の低周波音にやられ、その後数年間、頭痛、不眠、肩こり、眼痛、倦怠・・・に悩まされた経験があります。

そのとき、読んだ「低周波公害のはなし」(汐見文隆著)を、今もう一度読み直しています。汐見氏は当時、被害者住民の側に立って、人々の痛みと苦しみを感じようとし、励ましてくれたただ一人の専門家だったように記憶しています。汐見氏は今も83歳の高齢でありながら、なお志を貫き、人々のために闘っておられます。
「低周波音公害を語る」汐見文隆 公式サイト


「低周波公害のはなし」の中で、僕の心に留まったところをご紹介します。風力発電問題を考えるヒントにしていただければ幸いです。

★低周波音とは?・・・・・・・・・・・
・「音とは、空気中を伝わる波(空気振動)のこと」「その1秒間の振動数をヘルツ(Hz)という単位で呼ぶ」
・「一般の人の耳は、20ヘルツから2万ヘルツの間の音を聞き取ることが出来る」
・「人間の会話は通常500~2000ヘルツ前後で行われ」る。
・「100ヘルツ以下になると耳の感度が急速に低下する」
・100ヘルツ以下の音を低周波音といい、一般には、人間の耳には聞き取りにくい。
・20ヘルツ以下を超低周波音といい、一般には、人間の耳には聞こえない。

@ちなみに「南房総風力開発KK」の「風力発電所事業計画」書によれば、・・・・・・・・・・
彼らは「風車直下」で計測している。「風車直下」は、”灯台下暗し”で影響は少ない盲点のはずです。
しかも「超低周波音」のみ計測、公表していて、「低周波音」は計測していないか、計測していても何か公表したくない結果が出てきたのかもしれない。
そうした結果「したがって人体に感知される超低周波音は、風車周辺には存在しないと判断される」といっている。
どうもまやかしが隠されているようだ。

★低周波音の発生源は、・・・・・・・・・
・工場の機器(エンジン、ポンプ、ボイラー、モーター・・・)
・輸送機器(自動車、電車、航空機・・・)
・家庭電化機器(冷蔵庫、エアコン、掃除機・・・・)
・タービン(風力発電・・・・)

★「音の強さ(エネルギー)は、音の圧力の2乗に比例」する。音の圧力の単位はデシベル(dB)。

★基準は被害者にあり・・・・
・「低周波音には規制の基準がありません。したがって、低周波を測定し、
その数値をよりどころに、堂々と胸を張って被害を訴えることが出来ます。基準のないことが被害者の救いにもなりうるのです」。「現在、基準は行政や企業のためにあるのであって、住民のためにあるのではない」

★低周波音の被害症状・・・・・・・
・不定愁訴(頭痛、いらいら、疲労感 、肩こり、腰痛、体の不調、不眠、胸の圧迫感、耳鳴り、目や耳の痛み)

★聞こえない騒音?・・・・・・・・・
・一般には、低周波音は聞こえにくく、超低周波音は聞こえないといわれます。しかし被害者には聞こえるのです。
・さまざまな表現がされますが、グア~ン、キィ~ン、蜂の大群がうなっている音、という表現もあります。

@僕の経験では、無数の金属音の共鳴音。目を閉じると大波がうっているのです。耳栓をするとかえって、金属音だけがとぎ澄まれてきつくなります。むしろ雑音があるほうが楽なのです。相殺してくれるのでしょう。
風力発電の会社が、”二重窓にさせていただきます”と提案しますが、これは曲者で、二重窓にすると、雑音が消え、その分、低周波音が純粋に鋭く聞こえてくるのです。僕も思いつくあらゆる対応をしましたがダメでした。
結局、音源をなくすか、音源から遠く逃げるしかないのです。

★脳で聞いている音?・・・・・・・・・・・・・
・雑音は耳で聞いていると確信できますが、低周波音は「耳を介しない脳への直接作用としてみたほうが理解しやすい場合がある」、「睡眠中のゆっくりした脳波の時に、もっと早い低周波音が着たら眠りが妨げられる」
・「低周波音の周波数は、人体の普通の細胞にもなじめる周波数」

@雑音は耳で聞いている感じがしますが、低周波音は、僕には骨で聞いている、あるいは神経で聞いていると思えてなりませんでした。雑音は弱いエネルギーですが、低周波音は強いエネルギーのせいなのかも知れません。
骨や神経に差し込んでくる感じなのです。全身を不快に重苦しくしていきます。低周波音は、ガマンできない。

★低周波公害の4段階
・第1段階(不感期)・・・・・なんともない。感じない。聞こえない。
・第2段階(前駆期)・・・・・うるさいな~、いやだな~と思っている。身体的症状はなし。
・第3段階(移行期)・・・・・もうガマンできない。低周波音が聞こえる。
・第4段階(完成期)・・・・・いろんな症状が出る。まったくガマンが出来ない。医者のはしご。

@僕の場合、冷蔵庫のブーンという音が耳につき出して、2週間くらい後には、耐え難くなり引っ越しました。

★交感神経と副交換神経・・・・・・・・・・・
・「低周波音に対しては、交感神経が緊張しているときは平気であり、副交感神経が緊張しているときは、敏感であると考えることが出来る。活動している人はよいが、休養している人はたまらんというわけです」

@確かに、昼間活動しているときは比較的ましなのですが、夜、休んでいるときは、ガンガン、グイグイと低周波音は体に鋭く入り込んできます。だから風力発電の被害者たちは、”とにかく夜だけでもまずとめてくれ!」と叫んでいるのでしょう。
夜は、別にアパートを借りて、そこに寝にいっていましたね。


2009年7月25日土曜日

巨大風力発電って?

田中正治

ひょっとして、ご存知の方もおられるかもしれませんが、鴨川市と南房総市の境(嶺岡林道)に、巨大風力発電(120m)7基の建設が計画されています。さらに千倉に10基の計画もあります。

”風力発電ってエコでクリーンで素敵!”・・・・・・・と、10日ほど前まで僕も思っていたのですが、今各地で住民の健康被害が続出しているようです。
テレビで、結構放映されているんですね(僕はテレビないので、見ていなかった)。

DVDで見てみると、強い騒音、低周波振動、金属音で、頭痛、不眠、高血圧、疲労感、ノイローゼがなど、健康障害が出ています。

鳥の被害(バードストライク)、地すべりの可能性、森林伐採など環境破壊も可能性大でしょうね。

風力発電建設は、周辺住民への説明も了解もまったく必要がなく、そんな状態なのに建て放題のようです。騒音規制や低周波振動、金属音規制も一切ありません。

僕は鴨川住民で、嶺岡の建設用低地から2500mくらいにすんでいます。それだけ離れていればいいんじゃない?と思われるかもしれませんが、ドイツでは30mや60mの風力発電で、
1000m~1500m以内では建設できません。
今度、予定されている風力発電は120mです。

単純計算すれば、4倍~2倍ですから、4000m~6000mくらいはなれることが必要なようです。
4基の巨大風力発電がお互いに近くに建ったならどんな、相乗効果をもたらすかわかりません。
僕の住んでいる場所は、7基のうち5基から影響を受けそうです。

僕自身は、低周波振動症候群で10年間悩まされてきたので、いったんこの低周波音や金属音が、耳につき出したらどういうことが起こるかおよそ想像がつきます。地獄です。

今鴨川は人気スポットのようで、若者たちがたくさん移住してきていますし、住みたいなと思っておられる方も多いのではないかと思います。
しかしすばらしい環境は、自ら守らなければ誰も守ってくれません。

この風力発電建設には、巨額の補助金が出ます。1基5億円なら、7基で35億円。その30%の補助金が出るようです。どうやら補助金目当ての事業のようなのです。
というのは、風力発電のどの建設会社も、補助金が出なければ建設しないといっているのですから。

地球温暖化対策で巨大風力発電を立てれば温暖化ガス~%削減の数字合わせのために巨大な風車しか許可せず、この不況下、たっぷりつけられる補助金に群がり、おいしい話に「南房総風力開発株式会社」は、食らいついているようです。

だから、住民が苦しみもがき、もうそこにすめないような状況を知りながら、金の亡者どもは、エコとクリーンを錦の御旗にしているのです。

僕は率直に言って2週間ほど前まで、風力発電=エコ・クリーンと思っていました、しかし実態を知ると、その内実は、住民の苦しみと叫びを押さえ込んだ、金と権力のどろどろした世界なのです。
エコなエネルギーは、人間や生き物にもエコでなければウソでしょう。

僕たちは7月10日、移住者を中心に「平久里嶺岡の風力発電を考える会」を25人で立ち上げました。
加藤登紀子さんが会の代表で、僕と30歳代の青年が副代表、40歳代の真魚さんが事務局になっています。

今、地元の住民もさまざまなグループも、「ええ!そうなの?」という声を上げ始めています。
署名が急速に集まってき始めています。

僕たちは生存のため、STOPさせるために全力で活動していますが、一方で、オルタナティブなエネルギー政策を提案するだけでなく、実行して行きます。

人々の健康と環境を守るためにSTOPさせなければ、オルタナティブなエネルギー政策は絵に描いたもちになってしまうでしょう。
8月から建設の許認可が千葉県で始まります。森田千葉県知事が許認可権を持っているのです。

したがって、今早急にSTOPさせるための署名活動をしています。賛同とご協力をお願いします。

署名の趣旨や署名用紙は、以下のURLからダウンロードしてくださいますよう。

平久里嶺岡の風力発電を考える会HP
署名用紙(PDF)

2009年7月7日火曜日

「さわのはな」のふるさと 山形県新庄「田んぼの草取りツアー」レポート

田中正治

東京方面から11名が参加。
cafe系、水田トラスト系と若い女性の参加が多かったのが特徴。
食と農の若い女性のパワーが上昇中。
この印象はいろんなところで感じられる。


吉野さんの田んぼで27日2時間弱、28も2時間弱田の草取り。
このくらいだったら持続可能性か(^^)。
汗を流しのに若鮎温泉へ。贅沢だね(^^)。すばらしい眺めは何度きてもいい。

夕食は、農縁の農家と懇意にしている「ふれあいホームあじさい」で心づくしの素晴らしくおいしいご馳走。真心いっぱいの料理。



夜は年会員と農家の交流会。現在の食と農、社会に対してしっかりとした考えを持って参加しておられるのがよくわかる。活発な意見交換。

二日目も田の草取り。ひえが結構あった。こなぎ(水草)は今回は目をつぶるという吉野さんの方針。苗がしっかり生長しているので、もうこなぎに負けないとのこと。

昼食は「庄治そば」。板そばは絶品だった。特に、太いそばは。
しっかり香りとおいしさが伝わってきた。確かめるためには、おつゆをつけずに、そばだけをよくかんで食べると、しっかり香りとおいしさがわかる。

2009年6月18日木曜日

フランス有機農業が急拡大 だが2012年までに3倍増の目標ははるかにかなた

農業情報研究所(WAPIC)
09.6.13

ヨーロッパの有機農業最後進国・フランスの有機農業が急拡大を始めたようだ。

 有機農業への転換について09年5月25日時点でまとめたフランス農水省の6月12日付けの発表によると、2009年には、有機農業への転換を約束した面積が35%の大幅上昇を示した08年を上回る転換が進む。

 09年の転換中面積は6万3000㌶で08年の5倍になる。その半分は穀物等の大規模耕種農業だ。09年に転換を始める経営数は、過去2年の数を上回る。全体で、経営数では15%、面積では10%の増加である。

 09年の国とEUからの転換援助額は5800万€(約80億円)にのぼる。これは、08年の2.5倍、07年の5倍に相当する。5年間の転換過程で各生産者が受け取る転換援助は、年・ヘクタールあたり200€(約2万8000円)となる。

 Le plan pour le développement de l'agriculture biologique lancé par Michel Barnier porte ses fruits,Ministère de l’agriculture et de la pêche,6.12
 http://agriculture.gouv.fr/sections/presse/communiques/plan-pour-developpement

2009年6月6日土曜日

在来種「さわのはな」のふるさと
山形県新庄「田んぼの草取りツアー」2009

新庄の田んぼ ネットワーク農縁は、約15年の間有機農業運動をすすめてきました。
水田トラストや大豆畑トラストだけでなく、新庄でも独自プロジェクトをやっています。
 その基準は、「その土地とそこで生育する植物や動物、生産者にとって持続可能なものであるかどうか」ということでした。そして「おコメや大豆、味噌や醤油などの先にあるもの」、「食物の歴史や文化」を大切にしてきました。
除草効果のある米ぬか散布 毎年行われる現地ツアーは、そうした歴史や文化を、会員さん自身の五感すべてを開いて、ひとつの「物」の背後にあるものを存分に「感じて」ほしいという願いをもって行われてきました。

 最近、有機農業が見直される事によって、東京周辺でも農に関わる体験の機会が増えました。
 しかし、新庄の農縁のおコメ、水田トラストのおコメは新庄の歴史や文化を体現したものです。遠くて、費用もかかりますが共に汗を流し、共に食する時間をご一緒いたしましょう。

◆新庄市(山形県)ってどんなとこ?

最上川が流れ、神室山系に囲まれた自然豊かなまち。
この地には、無農薬・無化学肥料で米・大豆作りに取り組むネットワーク農縁のお百姓さん達がいます。
首都圏の消費者と支え合いながら、水田トラスト・大豆畑トラストにも取り組んでいます。


■開催概要
日 時 :
2009年6月27日(土)~28日(日)
集合時間 :
6月27日午前8時50分集合 つばさ 9時24分発
集合場所 :
東京駅東北新幹線乗り場 つばさ109号(新庄行き)17車号車前
乗車券 :
東京~新庄 往復18,000円(※土日きっぷ) 各自買ってください。
※通常価格は往復24,160円ですので、「土日きっぷ」がお得です。
※土日きっぷは、前日まで発売しています。座席指定もできます。
参加費 :
5,000円(27日夕食、宿泊、28日朝食、昼食代含む)
※〆切り日:準備等がありますので6月21日までにお申し込みください。定員15名に達し次第〆切りです。

■スケジュール

6/27(土) 

昼食 車中で各自すませます。
新庄着 12時39分着 農家の車が迎えにきます。
着替えて草取りに入ります(作業衣、帽子、タオルなどご用意ください)
夕方 温泉で疲れを取り、夕食を共にした後、宿泊先の青年センターに移って 交流会を行います。

6/28(日)

朝食のあと 午前中 草取りをしたい方はそのまま残って草取り。
もっと新庄の歴史などを知りたい方は、

1) 新庄ふるさと歴史センターをたっぷり見学
2) 新庄城、バイオマスセンター、土舞台とかの風景を楽しむ
3) 最上川くだり
4) その他 お百姓さんに聞く

解散



■お申し込み方法 

下記の参加申し込みフォームにご記入いただき、E-mailまたは電話、FAX で水田トラスト事務局までお申し込みください。
E-mail: abetrust@sirius.ocn.ne.jp
FAX:04-7098-0350
E-mailの場合、件名に
【新庄草取りツアー2009参加申し込み】
とご記入ください。
お申し込みを確認次第、ご連絡させていただきます。

---------------記入事項----------------

【新庄草取りツアー2009参加申し込み】

○お名前(ふりがな):
○所属(学校、職場等):
○住所:〒
○緊急連絡先(ご家族の連絡先):
○電話番号:
○携帯電話番号:
○E-mail(PC/携帯):      /
○参加の動機、ツアーで知りたいことなど:

--------------------------------------

■個人情報について

ご提供いただいた個人情報は、当ツアーおよびその後のネットワーク農縁のイベントに関する案内・手配・連絡等に使用します。それ以外の無断転用はいたしません。
取扱いに関して疑問・質問などございましたらネットワーク農縁/水田トラスト事務局にお問い合わせください。

■ お問い合わせ

水田トラスト/ネットワーク農縁 事務局


2009年5月10日日曜日

米国に自然食品ブーム

田中正治


ジャンクフードの元祖アメリカで自然食品ブームが起こっているようですね。
昨年アメリカに留学していた友人からはなしには聞いていたのですが・・・。でっかいスーパーマーケット丸ごと有機食品というような店が随分増えているとのこと。
最も、ロハス志向の多い人たちの居住地域に多いようです。

まあ、朝昼晩とハンバーグを食べさせようとしているジャンクフード業界のコマーシャルによって超メタボ人間があふれている社会に対する細胞の反逆なのでしょうね・・・きっと。

日経エコノミーのホームページにレポートが出ていますが、アメリカらしく冷凍食品のオーガニックも結構ありそうですが・・・・。

「オーガニック食品の売上高は毎年約20%と、食品部門で最も成長している分野となり、 2008年の調査によると、「オーガニック食品を少なくともたまには購入する」米国人は69%を占めるという。」んですって。

>米国の自然食品ブームは本物か(日経エコノミー 09/05/01)


インフルエンザA型:農工業のインフルエンザ!―問われる農工業モデル―

インフルエンザに関してAttacフランスと農民連盟が出した声明(翻訳:Attac Japan星野さん)が出されています。問題の本質を突いた声明だと思います。(田中正治)
(以下、Attacフランス、農民連盟より転載)

原文:http://www.france.attac.org/spip.php?article9914



インフルエンザA型:農工業のインフルエンザ!
2009年5月6日
Attacフランス、農民連盟

問われる農工業モデル

インフルエンザA(H1N1)型という名称によって着手される取組みは、過熱する報道の中で、このウイルスの出現と拡大の真の原因を覆い隠すおそれがある。それにもかかわらず、しだいに多くのNGO、研究者、北米のジャーナリスト、そしてメキシコの住民の証言が、多国籍企業によって主導され、新自由主義的グローバリゼーションによってもたらされた農工業モデルを問題にしつつある。

ウイルスの正確な起源に関する確証はないが、ヒト型、鳥型、豚型の混合とされている。しかし、あらゆることから、ウイルスの伝播は農工業と深く結びついていると考えられる。何年も前から多くの科学者が、畜産の工業化や非常に集約的な畜産によってウイルスの伝播や再結合が助長されることを警告してきた[1]

重大な手がかりとして、豚肉の生産・加工で世界最大規模の多国籍企業、スミスフィールド・フーズ社が挙げられている。同社はメキシコのラ・グロリアという町にグランハス・キャロルという子会社を持っている。数カ月前から、住民は呼吸器官の病気や変死が発生していることを訴えてきたが、これらはすぐに、この多国籍企業の凄まじい衛生状態(たとえば、屋外に放置された豚の腐った死骸)と関連づけられた[2]。まさにこの地で、国内初の豚インフルエンザの事例が確認されたのだった。

メキシコ当局は明らかに問題をもみ消そうとした。それにもかかわらず、スミスフィールド・フーズ社はすでに、公衆衛生を危険にさらすその畜産慣行の犠牲者である住民によって告発されている。しかし、農産物加工に携わる他の多国籍企業の場合と同様に、当局の無能力や放任のおかげで、自由な投資の法則が幅を利かせることになったのである。

もうひとつの潜在的な発生地は、ノースカロライナ州で米国人研究者らによって特定される可能性がある。同州は、養豚業の集約化と工業化が国内で最も進んでいるからである[3]。また他の発生地が特定される可能性もある。

重要なのは、少数の多国籍企業の畜産の過度な工業化が公衆衛生にもたらす大きな危険を注視することである。このような工業化は、非常に多くの研究者や機関の警告にもかかわらずおこなわれてきた。この40年間で、米国の1畜産農場あたりの豚の平均数は50頭から1,000頭に増加した。スミスフィールド・フーズ社の畜産では、巨大な飼育場にそれぞれ数万ないし数十万頭の豚が集約的に閉じ込められる。そこは糞便の池と化しており、汚染をもたらす大量の排泄物と、耐性を高める抗生物質にまみれているのだ。農民や家族による牧畜とはまったくかけ離れているのである。

根本的な原因:自由貿易と多国籍企業による独占支配今回のインフルエンザが最初にメキシコと北米で特定されたことは、明らかに偶然ではない。1994年に米国、カナダ、メキシコの間で締結されたNAFTA(北米自由貿易協定)によって自由貿易圏が創設され、特に予防原則を無視して自由市場が定着したのである。保護される可能性を失ったメキシコの農業は、超低価格の大量の農作物によって壊滅させられたのだ。米国の農産物加工の多国籍企業は、米国で課される規制を逃れるためにメキシコに大量に投資し、大挙して根を下ろすことができた。

さらに、メキシコは1980年代以降、IMFと世界銀行の構造調整計画に従っていることも忘れてはならない。これらの計画は、とりわけ国内向けの食糧生産や家族農業を犠牲にして、農業を輸出志向にしむけるものである。その条件は、環境・社会・公衆衛生に関する規制のない、工業化され、汚染を引き起こすような農業へと向かう偏流をもたらすものであった。

また、このインフルエンザの拡大によって、防止システム、とりわけ世界保健機関のシステム、および北米の公衆衛生システムがうまく機能しないことも明らかになった。これらのシステムは民営化され、財源が乏しく、適切に調整された迅速な対応が取れないのである。さらに、南の国々は、ロッシュ社のタミフルと同様に不可欠な抗ウイルス剤をジェネリック薬品として公然と生産しようとしたが、製薬業界は、この動きを阻止するためにあらゆる手を尽くした[4]

鳥インフルエンザの場合と同様に、根本的な原因は自由貿易と多国籍企業による独占支配にある。緊急に、ウイルスの起源、特に北米における畜産の工業化と公衆衛生システムの破綻がもたらす影響について独自に評価をおこなう必要がある。これは容易なことではないだろう。鳥インフルエンザの場合と同様に、養豚業界は、あらゆる手段を使って調査を妨げる可能性が高いからである。

より長期的には、農工業モデルおよびそれをもたらした自由貿易協定と市場の自由化を再び問題にしなければならない。世界貿易は、食糧主権そして各人が自らの農業を特に多国籍企業から守る権利において、連帯的かつ協調的なものとならなければならない[5]。さもなければ、公衆衛生に関わるさらに甚大な惨事を覚悟しなければならない。

Attacフランス
農民連盟

2009年5月6日

原注

[1]NGO「Grain」のウェブサイトを参照(http://www.grain.org/article/?id=50);Bernice Wuethrich、「気まぐれな豚インフルエンザの追跡」、『サイエンス』誌、2003年第299巻;「専門家パネルは工業的畜産が公衆衛生に及ぼす深刻な脅威を強調」も参照。これは、2008年11月に議会においてなされた、集約的養豚がもたらす衛生上の大きな危険に関する専門家パネルの警鐘に言及している(http://www.pewtrust.org/news_room)。

[2]特にメキシコの日刊紙『ラ・ホルナダ』による。この地域では鶏の集約的・工業的な畜産も多数おこなわれており、最近、鳥インフルエンザが猛威をふるった。ウイルスの再結合の発生源という可能性もある。

[3]「米国動物愛護協会」の公衆衛生・畜産局長Michael Gregerの論文(http://sheepdrove.wordpress.com/200)。同様に、2004年の「フランス獣医学会会報」には次のように述べられている。「2000年代初頭から、フランスにおける豚のインフルエンザは、第一に、豚の密度がもっとも高いブルターニュ地方の畜産と関係している。これは同地域の畜産に大きな経済的影響を与えている。このインフルエンザの活動は、鳥起源(A/H1N1)または遺伝子再集合体(A/H1N2)のA/H型ウイルスの仕業である。インフルエンザウイルスは不安定なため、疫学的監視を有効におこなうためには検出手段を定期的に調整する必要がある。」

[4]http://www.guardian.co.uk/comments

[5]このテーマに関して、Attacヨーロッパ/ビア・カンペシーナ・ヨーロッパ共編『食糧主権:欧州は何をしているか?』(Paris, Syllepse,2009)が近刊予定である。


2009年5月3日日曜日

OIE 現在広がる豚インフルエンザの”北米インフルエンザ”への改名を提案

農業情報研究所(WAPIC)
09.4.29


 国際獣疫事務局(OIE)が28日、メキシコと米国に発して現在世界中に広がりつつあるインフルエンザを”豚インフルエンザ”と呼ぶのは不正確とし、”北米インフルエンザ”と呼ぶべきと提案した。



 OIE position on safety of international trade of pigs and products of pig origin(OIE Press Release),09.4.28
  http://www.oie.int/eng/press/en_090428.htm


 貿易最優先のOIEらしく、豚インフルエンザの呼び名が豚と豚由来製品の貿易に悪影響を及ぼすことを恐れたのが何よりの動機だが、現在広がっているウィルスは、人間・鳥・豚起源の遺伝的コンポーネントを含むもので注1)、”豚インフルエンザ”と呼ぶのは不正確、過去に起きたアジアのインフルエンザ、スペインのインフルエンザの発生のときに使用されたのと同様な命名法にならい、”北米インフルエンザ”と呼ぶことを提案する。


 そして、現在までに利用できる情報では、現在米国とメキシコで起きているインフルエンザの発生に先立つ豚インフルエンザの発生はなかった。人間の感染者が発見された地域内で感染動物が確認されていないのだから注2)、豚や豚製品の国際貿易措置を導入する必要はないし注3)、豚肉製品の消費者に感染リスクがあると考えることもないという。  




 人間と豚と鳥のインフルエンザウィルスを世界のすべての場所から寄せ集めた複雑怪奇な新型ウィルス、巨大養豚・養鶏工場が集積する北米でなければこのようなウィルスは誕生しなかったかもしれない。その意味では、確かに北米インフルエンザの名がふさわしい。(タイは既にメキシコインフルエンザと呼んでいるそうである)


 Swine flu: Is intensive farming to blame?,Guardian,4.28
 http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/apr/28/swine-flu-intensive-farming-caroline-lucas


  ただし、それが豚の監視の軽視につながるようなことがあってはならない。豚への感染は、鳥インフルエンザが人間から人間に移る型、つまり新型インフルエンザに変身するための最も有力な経路をなす。現に、神戸大学感染症センターは、インドネシアの4州で調査した402頭の豚のなかの1割を超える52頭の豚からH5N1鳥インフルエンザウィルスを検出した。52頭の豚から検出されたH5N1ウイルスを詳しく調べると、人への感染力を一部獲得したタイプが1株見つかったという。


 インドネシア豚から鳥インフル、体内で変化「新型」の恐れ YOMIURI ONLINE  4.29
  
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090429-OYT1T00073.htm


   強毒で知られるH5N1鳥インフルエンザの新型インフルエンザへの変身も近いのかもしれない。豚の監視は一層強める必要がある。 


 注1)このウィルスは、1998年に初めて同定された人間・豚・鳥インフルエンザウィルスを寄せ集めた既存のウィルスがユーラシアからの新たな二つのH3N2豚ウィルス遺伝子―それら自体は最近の人間起源―と結合した豚H1N1株という。


 Swine flu outbreak sweeps the globe,Nature News,4.27

 http://www.nature.com/news/2009/090427/full/news.2009.408.html


 注2)3000村民の6割が感染、2月以来死者も出ているメキシコ南東部・ベラクルス州ラグロリア村村民がこのインフルエンザの発生源ではないかと疑う養豚工場を関連会社に持つ世界最大の養豚・豚肉加工企業・スミスフィールドは、メキシコのジョイントベンチャーの豚や労働者に豚インフルエンザの症候は見られなかったと発表している。


 Smithfield Foods Says It Found No Evidence of Swine Influenza at Its Mexican
Joint Ventures,09.4.26
 http://investors.smithfieldfoods.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=379761

 なお当該村民に関する情報は、
 Four-year-old could hold key in search for source of swine flu
outbreak,Guardian,4.28
 http://www.guardian.co.uk/world/2009/apr/27/swine-flu-search-outbreak-source

 Mexico outbreak traced to 'manure lagoons' at pig farm,Times,4.28

 
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article6182789.ece


 注3)中国、ロシア、ウクライナは、メキシコ、米国の一部からの豚肉輸入を禁止した。



2009年4月23日木曜日

ドイツ モンサントのGMトウモロコシ・MON810の栽培を禁止 蝶やテントウムシに悪影響


農業情報研究所(WAPIC)

09.3.15


  4月14日、オーストリア、フランス、ギリシャ、ルクセンブルグに続き、ドイツがモンサント社の遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ・MON810の栽培を禁止した。MON810はEUで商業栽培が許された唯一のGM作物で、ドイツでは2008年に4000㌶で栽培され、2009年については3700㌶での栽培が許可されている。


 禁止の理由については、農相が環境への悪影響と説明している。特に、3月末にルクセンブルグを同様な決定に導いた二つの新たな研究で示された蝶やテントウムシなど標的害虫以外の生物への影響を挙げたという。



 A son tour, l'Allemagne
suspend le maïs transgénique de Monsanto
,Le Monde,4.14

 http://www.lemonde.fr/planete/article/2009/04/14/a-son-tour-l-allemagne-suspend-le-mais-transgenique-de-monsanto_1180614_3244.html#ens_id=1176302

  Germany bans GM maize,Nature News,4.14

 
http://www.nature.com/news/2009/090414/full/news.2009.364.html


 'There Was No Reason to Accept The Risks of GM Corn',Spiegel
International,4.15
 http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,619166,00.html


 Germany Bans Cultivation of GM Corn,Spiegel
Internatinal,4.14
 http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,618913,00.html


 Germany to ban cultivation of GMO maize: Minister,Reuters,4.14
 http://www.reuters.com/article/scienceNews/idUSTRE53D2CV20090414?sp=true



2009年4月22日水曜日

農水省 漸く蜜蜂不足の調査へ 蜜蜂保護の視点が欠如


農業情報研究所(WAPIC)

09.4.4


 4月3日の閣議後記者会見で、「ミツバチの不足の問題をどういうふうに認識されていて、また、今後どういう対応、作業等をしているのか」と問われた石破農林水産大臣が、「日本全国どういう状況にあるか、各都道府県において、どこがどういう状況なのかということを、正確に、詳細に把握をしたいということで、早急にその状況を取りまとめるように、という指示を出したところであります」と答えた。


 http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/090403.html


 欧米でも日本でも、大量死や巣ごとの失踪(蜂群崩壊症候群=CCD)などによる固体群激減という蜜蜂異変が報じられるようになって久しい。無反応だった農水省も、生産者の訴えで漸く動き出さざるをえなくなったようだ。ただ、大臣の関心は、専ら、蜜蜂不足に苦しむ生産者のための蜜蜂調達策にあるようだ。蜜蜂の保護策については、まったく話がない。これでは、食料どころか、蜜蜂までも輸入頼みということになりかねない。


 大臣もいうとおり、「何でこんなことになったのだということは、いろいろ、低栄養であるとか、ストレスがあるとか、農薬とか、寄生虫とか、その他の病気とか、いろいろあるわけで、まだ原因特定には至っていない」。だからといって、蜜蜂保護策は後回しでいい、あるいはそうするほかないということにはならないはずだ。


 少なくとも、一部の大量死に、抵抗性発達や安全性問題から使用が制限されるようになった有機りん系やカーバメート系殺虫剤に代わって使用が近年増えているネオニコチノイド系殺虫剤が関係していることは、ほぼ確かである。ドイツでも、日本でも、大量死した蜜蜂から、その有効成分であるクロチアジニンが検出されている。このような殺虫剤の使用制限は、直ちに実行可能な蜜蜂保護策になるだろう。


 低栄養やストレスの原因と考えられる農業方法そのもの(モノカルチャー化、ハウス栽培)についても、疑いがある以上、改善の方向を探るべきだろう。CCDについては、日本では報告がないようだが、状況の把握もこれからというのでは、恐らく漏れているだけだろう。CCDに関しては、携帯基地局が発する電磁波で蜂が帰巣できなくなったというLandau
University(ドイツの) の Jochen Kuhn博士の研究もある。


 Are mobile phones wiping out our bees?,The Independent,07.4.15

 http://www.independent.co.uk/environment/nature/are-mobile-phones-wiping-out-our-bees-444768.html


  英国環境食料農村省(Defra)とウエールズ行政庁は先月はじめ、イングランドとウエールズの蜜蜂の健康を保護し、改善する「ヘルシー・ビーズ(Healthy
Bees)」10ヵ年計画を発表した。


 DefraのNews Releaseは次のように言う。


 Jane Kennedy launches plan to halt declining bee numbers,Defra,3.9

 http://www.defra.gov.uk/news/2009/090309a.htm


 計画は養蜂団体と協議して策定されたもので、有効な生物安全保障措置を確保する養蜂家の支援によって蜜蜂個体群(数)を維持することを目指す。.計画の第一段階では、蜂の健康問題についてナショナル・ビー・ユニット(NBU)に知らせる必要性があると啓発し、蜜蜂データベース(BeeBase,)への登録を促すために、恐らくは2万人にのぼるアマチュア養蜂家を確認し、彼らとの接触を試みる。これは、新たな、あるいは既存のあらゆる健康問題の確認に役立つ。


 過去2年、蜜蜂の数は10〜15%の減少を記録した。NBUと接触のない多くの養蜂家がいるから、実際にはもっと大きく減少している可能性がある。それが多種の病気や環境の脅威に曝されており、これらの脅威のあるものは、過去5年から10年の間に大きく増加した。


 計画は、養蜂家個人、養蜂家団体、その他の関係者が共同、次の5つの主要な目標の達成を目指す。


 1.害虫、病気、その他の危害を可能なかぎり低レベルに抑えること。


 2.害虫と病気のリスクを最小限にし・蜜蜂集団の維持に貢献する適正養蜂基準の促進―予防は治療に勝る。


 3.害虫、病気、望ましからざる種からのリスクを最小限にする有効な生物安全保障の奨励。


 4.健全な科学が蜂の保健政策とその実施を支えるように保証すること。


 5.蜂の健康に関してすべての人が協力すること。


 
日本の石破農林水産大臣は、「原因は特定をしなければいけないということがある。それは、今日、明日にすぐできるわけではございません」と言うが、原因は特定できなくても、「予防原則」に基づいてなすべき措置はいくらでもあるはずだ。もしそれができないというなら、生産者保護の観点ばかりが優先され、蜜蜂保護の観点がないがしろにされているからではないか。それは、結局は生産者をさらに苦しめることになるだろう。なにもかも英国に倣う必要はない。しかし、蜜蜂保護を重視する姿勢だけは、しっかりと学ぶ必要がある。




2009年3月31日火曜日

3月28日アサンテサーナCafeイベントReport

田中正治



アサンテサーナCafeは、僕の印象では、レストラン・Cafe+第三世界・フェアトレード+インフォメーションショップが渾然一体となっているくつろげる空間だ。

ネットワーク農縁のお米”さわのはな”を使っていただいているご縁で、食と農のトークをやろうというおはなしをいただいた。

新庄の農家・高橋保広さんの米作りの話というか、稲と向き合っている彼の魂の部分を
引き出そうという企画だ。8月の朝、風のない田んぼで、艶かしい臭いを発散する稲の花は、気温が17度になると、朝露に乗って、おしべはめしべのもとに滑り込んで行く。
受粉だ。一個の意思を持つかのような生命の神秘とも思える営みをしているという。

35名で満員の会場からいろんな質問をいただいた。昨今の農と職への関心の強さを感じた一日だった。
参加された皆さん、アサンテサーナCafeのスタッフの皆さん、充実した時間を持てることが出来、ありがとうございました。





アサンテサーナカフェ