2008年10月7日火曜日

英国土壌協会 蜜蜂の大量死関連殺虫剤の禁止を要請 仏・独・伊に倣え


英国有機農業団体・土壌協会が世界中の蜜蜂の死に関連している殺虫剤の禁止を政府に要請した。

 先週、蜜蜂の死に殺虫剤が関係しているとして、イタリア政府がその使用の即時停止を命じた。フランス、ドイツ、スロベニアでも同様な動きがある。しかし、英国政府の動きは鈍い。英国ではネオニコチノイドの名で知られる殺虫剤がナタネ、大麦、テンサイなどの栽培で使われており、ナタネ栽培での使用は、蜜蜂が黄色の花を好むために特に心配されるという。


 Soil Association urges ban on pesticides to halt bee
deaths,Guardian,9.29
 http://www.guardian.co.uk/environment/2008/sep/29/endangeredspecies.wildlife


 ドイツは今年5月、ライン河沿いの700人の養蜂家が、クロチアニジンの施用後に3分の2の蜜蜂が死んだと報告した後、その販売を停止した。フランスでは3分の1の蜜蜂が死んだのを受け、1999年以来ヒマワリへの、2003年からはスィートコーンへのイミタクロプリトの使用を禁止した。土壌協会は今日、ヒラリー・ベン環境担当相宛てに殺虫剤禁止を求める書簡を送ったという。


 イミタクロプリトとクロチアニジはバイエル社が製造する。イミタクロプリトは120ヵ国で使用されるベストセラー殺虫剤だ。ネオニコチノイドについては、正しく使えば蜜蜂には安全と一貫して主張している。


 ナショナル・ファーマーズ・ユニオンは、蜜蜂を殺しているのは害虫や病気だとして、殺虫剤禁止に反対している。環境・食料・農村省(DEFRA)は、蜜蜂の減少は多様な要因によるもので、農薬禁止の計画はないと言う。


 だが、世界中の養蜂家は、過去2年の間に蜜蜂コロニーの30-90%が失われたと報告している。 




 蜜蜂の死のすべてが殺虫剤によるとは言えないかもしれない。しかし、殺虫剤が蜜蜂の死と無関係とも言えない。議論している間に、主要農作物の3分の2を授粉が頼る蜜蜂が消えていく。地球から蜂が消えれば、人類は4年も生きられない(ドイツ 蜜蜂がGM作物・モノカルチャー・農薬を逃れて都市に避難,08.8.25)。できることは何でも、今すぐ始めるべきときだ。



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