2008年8月21日木曜日

安房鴨川ちょっとだけ訪問記

古川さつき(新庄水田トラスト会員)

前々からの課題、安房鴨川訪問をようやく実現させました。東京からの電車・わかしお号も安房鴨川駅からのバスも、最後は貸切状態。平塚下車、バス停で出迎えてくださったのは阿部さんと愛犬クロちゃん。他には人っ子一人いません。深山幽谷、「ホーキョ、ホーキョ」と新米鶯たちの歌練習が響きます。

 一見、世俗にはあまりにも寂しい隠遁の地。しかし、そこは21世紀の元気なアウトサイダーたちが活躍する創造の地なのでした。阿部さん、国籍不明(笑)、年齢不詳、社会運動家。現在、ネットワーク農縁・新庄水田トラスト事務局。そのパートナー田中さん、ネットワーク農縁世話人、遊学の森トラスト代表。ご自宅にはそれぞれの事務所があり、パソコンを中心にそこから世界に繋がっています。
新庄水田トラスト
ネットワーク農縁
遊学の森

少し上に故・藤本敏夫さんから歌手の加藤登紀子さんが引き継いだ鴨川自然王国があるというので、案内してもらいました。わかばマークの田中さんですが、七曲の道を手馴れたものです。(ホッ)

途中、観光名所?の大山千枚田を通り、にぎやかな工事現場にも立ち寄りました。棟梁に発破を掛けられながら2組の若い夫婦が慣れない手つきで、しかし嬉しそうに生コンを運んで土台作りをしていました。みんなの集まる楽しいお家ができそうです。今は向こうの2台のバスが仮の住まいとのことですが、それもまた楽しそう。


鴨川自然王国
大山千枚田
Love & Rice

あいにく自然王国への道が工事中。引き返して立ち寄ったのが笹谷窯カフェ。森の中のお洒落なたたずまい。二階からは陶芸教室の子供たちの声が聞こえます。ウインドファームのコーヒーに全粒粉の焼きたてパンを頂きながら、視界には孟宗竹の林、その下の登り窯、あちこちでチャボが雛を引き連れて自由に闊歩していました。五感が久々にフル回転しました。

笹谷釜

ウーフ(WWOOF)に加入しているというMs笹谷は、そのことで田中さんに相談していました。ウーフとは労働と食事付き宿の交換システム。オーストラリアが発祥の地で、日本でも有機農業などに取り入れられているようです。お金は介在しません。双方の利害が合致すれば便利なシステムのようです。http://www.wwoofjapan.com/main/index.php?lang=ja(WWOOF・JAPAN)他にも鴨川では安房マネーという地域通貨があり、市も開かれているそうです。現在、約200人、その多くは「半農+半X」で様々な職業を持ちながら、食は自給自足という現代の最先端(?)族だといいます。

awamoney(アワマネー)

阿部、田中家は田んぼもあり、今は15人が協働(遊学の森トラスト)でお米を作っているそうです。まだ青いのですが、既にたわわな実を重そうにしていました。休日を利用して草取りに来ている青年もいました。きれいに刈らないと藪が猪の通り道になり被害が甚大だといいます。夜には庭にサルがやってきて「キャッ、キャッ」。いつもはおとなしいクロちゃんが吠えて警備に徹していました。折角の作物が台無しではお気の毒です。おサルさんも生きていくのに大変でしょうが、クロちゃん、頑張って!

遊学の森トラスト

阿部、田中家の食事は愛犬と同じで一日2食。美味しいヘルシーメニューです。「そろそろ、食事やな。」台所には二人で立って「味噌味にしましょ。」「いや、塩味や。」とか言いながら、あっという間にできあがります。いつも即興で庭に出て葉っぱを取ってきても一品出来ます。出汁は一切使わず、上等の味噌、醤油と塩で充分。この味を子供たちに伝えられたらどんなにいいことでしょう!お二人がお元気なわけはこの食事にありそうです。ありのまま、自然のままw)


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